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音楽を聴いたり、そして達郎さんのコピー・バンドでライブ演奏したり・・・・
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DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
大瀧詠一さんを偲ぶ

大瀧詠一さんが、2013年12月30日、解離性動脈りゅうのためお亡くなりになりました。
65歳でした。

サンソンでお馴染みだった「新春放談」は2011年までオンエアされましたが、2012年以降はお休みが続いていました。
初めて新春放談が放送されたのは1984年1月12日にオンエアされたNHK-FMサウンドストリートでした。

今日は、その第一回目の「新春放談」オンエア内容の一部をテキストにして振り返りました。
誤字脱字はご容赦下さいませ。

心からご冥福をお祈りいたします。

◎ 冒頭

達郎氏:

全国の皆様、新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しく。

山下達郎でございます。

今年も毎週木曜日、夜10時から45分間、NHK-FMは私、サウンドストリート、山下達郎のサウンドストリートの時間でやって参りますのでよろしく。

今日はですね、新年、第一回でございます。

私もコンサートがやっと一段落いたしまして、これから色々と、この番組に力を入れていけるぞと、思っておりますので、皆さん、お楽しみに!

今日はですね、去年お知らせいたしました通りですね、新年第一回でございます。
今週と来週、二回に渡りましてですねゲストをお招きしておりまして。

大瀧詠一さんでございます。

大瀧氏:

どうも、明けましておめでとうございます。

達郎氏:

ニュース解説みたいに、ゴルフの解説みたいな事、しないでくださいよ!

大瀧氏:

「さて」・・
違うんだよ(笑)

達郎氏:

というわけで(笑)
大瀧さんを迎えますと、だいたい二人でしか判んない話とか(笑)

しょっちゅう家でしてる話で、何?奥さんに何か言われたんですって?

大瀧氏:

いえいえ・・・まぁ、まぁ、まぁ、まぁ・・・
仰らずに。

達郎氏:

「どうせ、あぁた方二人は、家でしてるような訳の判んない話を放送でやるんでしょ!」
とか言われたそうで。

そういうわけで2週間よろしくお願いします。
それでは、一曲目でございます。
大瀧さんがいらっしゃいましたので、ナイアガラ・カレンダーから1月の歌でありまして「Rock'n'Roll お年玉」

♪ Rock'n'Roll お年玉


◎ 歌入れ

達郎氏:

これが僕はやりたかったんだ!
本人目の前にして・・だいたいね、レコードをかける!
照れる!

なんたってね、僕の百倍くらい照れ屋ですからね。

歌入れを人に見せない!


大瀧氏:

ふふふ(笑)
歌入れ、人に見せます?

達郎氏:

もちろん!

大瀧氏:

はぁ、そう。
人が見てないと歌えないとか。

達郎氏:

いや、そんなことはない!
でも、カーテン一応仕切りますけどね。

大瀧氏:

ふーん。あぁ、そう。
カーテン仕切って、やっぱ見せないんじゃない。

達郎氏:

それは、そうね。

大瀧氏:

聴かせるだけね?

達郎氏:

だけど、CMなんかは、それ出来ないからね。
随分やったでしょ、昔。

それ、慣れちゃったの。

だいたいさ、そういう時だってさ、スタジオ真っ暗にしてさ、衝立を立ててさ、カーテンを引いてさ、そこまでしなくたって、いいじゃないですか(笑)

大瀧氏:

いいんじゃないかと思うよ、俺。

達郎氏:

僕が聞いた話だけどね、大瀧さんの歌入れってのはね、スタジオに鍵をかけて・・

大瀧氏:

うん。

達郎氏:

それで、カーテンを締めて・・・

大瀧氏:

はい。

達郎氏:

電気を暗くして、電話も切って・・・

大瀧氏:

切ってる。

達郎氏:

ふふふ(笑)
やってるという(笑)

大瀧氏:

鍵はね、二重なんだよ。
二つ扉があるんだけど、両方に鍵をかけるというね。

達郎氏:

火事とか起こったら、どうすんです、それ。

大瀧氏:

ん?

達郎氏:

火事とか起こったら・・

大瀧氏:

火事が起こったらね、だいたいあのぉ丸焼けの・・・

達郎氏:

地震だったら振動でまだ判るけどさ。

大瀧氏:

ん~
判んないと思うよ。

達郎氏:

そうでしょ。

大瀧氏:

それがね、命を懸けてレコーディングするって、こういうこと。
何を言ってんだろうね(笑)


◎ Blue Valentine's Day

達郎氏:

というわけでもう一曲。
ナイアガラ・カレンダー。
ナイアガラ・カレンダーはコロンビアで出ましたが、CBSソニーで再発になりまして、全部リミックスでございましてですね。

リミックスでグッと良くなってますね。

僕の好きなLPなんですよ、これ。

大瀧氏:

あぁ・・・ほんとに。

達郎氏:

えぇ、僕好きなんですよ。

大瀧氏:

ありがとうございます。

達郎氏:

クレジットが全然載ってないですけど・・
僕が全部、弦をやらして頂いたんですよ。

大瀧氏:

クレジット載ってますよ。

達郎氏:

そうです?
新しいヤツに?

大瀧氏:

新しいヤツ?

達郎氏:

新しいリミックスしたヤツ。

大瀧氏:

追求されてますけどね、このへん性格が出てますよね。

達郎氏:

載ってません!
載ってませんよ!

大瀧氏:

載ってなかったかなぁ?

昔、ナイアガラの弦は、全部、山下君にね、ナイアガラ・ムーン以来、全部弦をやってもらったんです。

で、ナイアガラ・カレンダーの再発の時にクレジットし忘れた、ために!
それ以後、やってもらえなくなりましてですね(笑)

達郎氏:

ははは(笑)

大瀧氏:

ほんとにもう、苦労しました(笑)

達郎氏:

とういうわけで、この「Rock'n'Roll お年玉」1月から、2月、3月、4月、5月、6月・・
7月、ずーっといって12月の「クリスマス音頭」まで、12曲入りでございます。

よく考えたもんでございます。

それで、1月に続く2月のヤツで。
これは僕の、自分的には非常に好きなヤツの・・

大瀧氏:

いいアレンジをして頂きまして、ありがとうございました。

達郎氏:

これは、あれです。
大瀧詠一さんの、メロウなボーカルの一端が、あれでございまして。


大瀧氏:

お恥ずかしい・・・


♪  Blue Valentine's Day

◎リスナからのお便り

達郎氏:

ほとんど、こういう番組は、ブツブツ言ってる、曲の間にブツブツ言ってる事の方が面白い割合が多いんですけど。

去年、告知しましたんでですね、たくさんハガキがきてるんですよ。

今日は徹底的に大瀧さんの追求をしましてですね、来週はコレクターズ・アイテムを、せっかく来てもらったんだから、何か持ってきてもらおうと思ったら、何も持ってこなかったので(笑)

僕が持ってきたコレクターズ・アイテムでうんちくを語っていただこうと。
今週はとりあえず。

とにかくハガキが来てるんですが。

大瀧氏:

来週は「時事放談」なわけね。

達郎氏:

そうですね。
「やっぱりね!」って、アレですね(笑)

大瀧氏:

ふふふ(笑)

達郎氏:

埼玉県春日部市、S.T君。
あっ、いけねぇ、匿名!
・・・いいな

男のくせ、匿名はいかんよ、これは。
うん。


大瀧氏:

今のはいいね!
こういうね、命じ方に(笑)

やっぱり小浜利得(笑)
こまったな(笑)

達郎氏:

大瀧さん、なんかでもさ、年とるにつれて顔が若くなってきたね(笑)

大瀧氏:

それ言えてると思うでしょ。

達郎氏:

息子に似てきたよ(笑)

大瀧氏:

なんだよ(笑)

達郎氏:

『大瀧詠一さん、あなたは何故にLPを延期なさるのです。
私は昨年まで、83年の3月末日、御茶ノ水のとあるレコード店に出ていた「大瀧詠一、ニューLP予約受付中」の呼び込みに負けて、2800円払込ました。

あれから待つこと10ヶ月!
未だに出ません!(笑)

雑誌の広告には「ポップスの神様、大瀧詠一が録音を終えた模様です」などと、○☓レコード会社の情報欄に極秘扱いで出ていました。

今となっては、ラジオのゴーゴーナイアガラの7テープ聴いて自分を慰めています』

割りとマゾヒスティックな人で・・・

『私は、このサウンドストリートも一回目からテープに録音してるくらいです。
大瀧大納言! 
罪滅ぼしだと思って・・』

・・これから先が面白いんですよ。

『罪滅ぼしだと思って、レッツ・オンド・アゲインを私にお分けなさい』

大瀧氏:

むははは(笑)
○☓会社ってのは、なんか懐かしいね(笑)
言い方が。
達郎氏:

こういう感じが、沢山きてるんですがね。

どうなっとるんですか!
新しいLPは!

大瀧氏:

この人はね・・・
きっとアレだよ。

タイムマシーン持ってるに違いないね。

ドラえもんの親戚。


達郎氏:

くくく(笑)

大瀧氏:

未来をね、見てしまったんです。

達郎氏:

え、なんで?

大瀧氏:

ドント・ルック・ナウ!だよ、これは。
なんだかよく判んないけど。

未来を見た。

あのね・・・
赤い疑惑

未来をね、のこ人見ちゃったんだ。一瞬。
だから85年? 今年?

84年でしょ?
僕はね、歳男なんですよ今年。
おかげ様で。

達郎氏:

・・・はぁ・・・(沈黙)

大瀧氏:

ん~
もうね、4秒以上黙らないように(笑)

1948年だから、3回りしたんですよ。

それでね今年、だからね、ほんとは去年だそうと思ったんですよ。
縁起を担いで。

ひひひひ(笑)

達郎氏:

くくく(笑)
上手いこと言っちゃって(笑)

でも、進行してるんでしょ?

大瀧氏:

なぜ、この人は未来を見たかっていうと、なんと!
ここで発表したいと思うんですけど。

聞いて下さい。

達郎氏:

はい。

大瀧氏:

3月吉日に、今年の。
なんと出ることになったんですよ!

達郎氏:

ふふふ(笑)
人事みたいに言って(笑)

大瀧氏:

決定したの、これは。
これはね、本当の決定なの!

達郎氏:

おめでとうございます!

大瀧氏:

どうもありがとうございます。

達郎氏:

大瀧さん、本当の決定って、今まで何回も・・

大瀧氏:

いえいえ、まぁ、そう仰らずに!
本当の本当の決定!

ですからね、今年はね歳男だから。
嘘はつかない。

歳男ってのは嘘をつかないんだよ。

なんか向こうでウケてるね(笑)
歳男はいつですか?

何歳?

達郎氏:

僕は巳です、巳。

大瀧氏:

巳・・・

子丑寅卯辰巳・・・

達郎氏:

あと6年です。
5つ違う。

大瀧氏:

5つ違う・・・
はぁ・・・

30才。
まだ30才。

達郎氏:

もうすぐ2月4日で31才になります。

大瀧氏:

あぁ、31ね。
30才という感じは若いね!(笑)

達郎氏:

くくく(笑)
よく言うよ(笑)

大瀧氏:

そうなんだよ、だからこの人はほんとに未来を見たというね。
才能があるんじゃないの(笑)

達郎氏:

おだてれば許してもらえると思って(笑)

大瀧氏:

ダメかね、これ(笑)

達郎氏:

3月に出るんですね?

大瀧氏:

出ます!

全国の皆さん、3月吉日に大瀧詠一のですね「EACH TIME 」です。

達郎氏:

タイトル、変わらないんですね?

大瀧氏:

変わりません!
「EACH TIME 」略して「ET」でございますので、ひとつ・・・(笑)

達郎氏:

ははは(笑)
ちょっと古かった(笑)

大瀧氏:

そうか(笑)
もう、やってるか日本で(笑)

達郎氏:

とっくに終わってますよ(笑)

大瀧氏:

終わってる・・・
困ったね(笑)

達郎氏:

トワイライト・ゾーンの世界だという。

大瀧氏:

トワイライト・ゾーンの世界でしたねぇ



◎トワイライト・ゾーン

達郎氏:

全然関係ないけどトワイライト・ゾーンって映画来るでしょ?

大瀧氏:

ん。
TZ

達郎氏:

知ってます?

大瀧氏:

知ってるよ(笑)

達郎氏:

あれのさ、一番最後の話ってのがね、ミステリーゾーンの元見たんですよ。
僕、ミステリーゾーン沢山みてるけど、一番怖い話で。

大瀧氏:

完全なリメイクなの?

達郎氏:

完全なリメイクが二つかな?
新しく、二つ、あれするんだけど。

大瀧氏:

ほほう。

達郎氏:

なんと原作がね、ハーラー・エリソンだったという。
言われると、なるほどそうだというね。

それ見た時、中学校の頃で怖くて眠れなかった。ほんとに。
あまりの気持ち悪さに。


大瀧氏:

あぁたに怖いもん、あるの?

達郎氏:

ありますよ!

大瀧氏:

ある?
そう。

達郎氏:

何言ってるの・・

大瀧氏:

ぐふ(笑)
あ、そう(笑)

それ面白い、それ一番最後なんだ。
みんな怖くて、眠らんないよって。

達郎氏:

出てくるヤツがね、怪物が出てくるんだけど、それがちょっと"おもちゃ"っぽくてね。
それでも怖かったんだけど、もうなんたって84年の今日のあの、エイリアンじゃなんじゃね・・

大瀧氏:

ジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』のあとだからね。

達郎氏:

もうこれ以上気持ち悪いのないみたいなの、出てくるわけ。

大瀧氏:

物体X、観た?

達郎氏:

・・・観た・・・

大瀧氏:

あれはねぇ・・・
楽しかったね。

達郎氏:

よく出来てるよね、あれ。

大瀧氏:

後ろにいるヤツがね・・
これ古い映画だから話してもいいんだ。

わっ!ってポプコーン飛ばしたんだよ、俺に(笑)
それを聞いて、俺が驚いたという。

ああいうもん、何が楽しいかってさ、いつ来るかってさ(笑)
予想しながら観るのが楽しい(笑)

達郎氏:

ははは(笑)

大瀧氏:

そいでね、出てきたらね、笑うの。
心の中で笑うのが楽しいね。

達郎氏:

なるほどね。

大瀧氏:

例えばだから、お岩さんの映画なんかでさ、女の人が手をたらっとしてヌーッと・・
見てる方は怖いかもしんないけどさ、あれさ、演ってる方はおかしいよ~。

達郎氏:

ん~

大瀧氏:

そう思わない?

達郎氏:

そうだね。
作ったほうはね。

大瀧氏:

そうそうそう。

達郎氏:

監督がさ、横で見ててさ、画面なんか見てないよね。
みんな、こっちの顔を見てるよね。
客の顔、見て、アレしてる。

大瀧氏:

演ってる方って、結構大笑いだと思うんだよね。
それを考えてね、笑うことにしてる。

達郎氏:

ん~

大瀧氏:

ん~

◎すてきなメロディー

達郎氏:

まぁ、ちょっと話が横道それましたけども。

でも大瀧さんといえば、稀有なね、アレですよ。
あの、良いファンを持ってますよ。

発売延びたってもね、家で待ってるでしょ、みんな。

大瀧氏:

待てば海路の日和ありとも言いますからね。

達郎氏:

でも、やっと3月に出るそうでございまして、全国のファンの皆様・・・

大瀧氏:

ほんとに長らく、大変長らくお待たせ致しました!

達郎氏:

そんなん、ばっかりですが。

そうですね、じゃもう一曲かけましょうかね。
何でもいいです。
今日かけるレコードは・・・

大瀧氏:

やっぱりね、僕はね山下くんというと、なんといってもね、コレですよ!
シュガーベイブ。

わざとらしいね、これがね(笑)

シュガーの頃のね、山下くん、どうしても・・・
なんていうかな、印象が強い。

達郎氏:

そうですか?

大瀧氏:

シュガーベイブの、あのSONGSってアルバムは、あれ以後のソロアルバム、みんないいけどね、SONGSはバンドだったから。
バンドだったから・・・

達郎氏:

そうですな。

大瀧氏:

最近ほら、大貫妙子君もすごいじゃないですか。

達郎氏:

凄いですね。

大瀧氏:

だから・・・
村松邦男くんとか

達郎氏:

僕、一曲かいてるんですよ、あのLP。

大瀧氏:

詩を書いてる。
英語っぽい詩じゃなかったかね。

達郎氏:

いや、なんか気持ち悪い詩です。
あの人、ほら 
香山滋とか、そういうのだから、あの人。

大瀧氏:

怖い人ですね・・・
山下くんに詩を頼めるのは僕だけだって村松さん、言ってましたよ。
頼みにきたんですか?

達郎氏:

来ましたけど(笑)

大瀧氏:

やっぱり、その、アレだよね。
大貫妙子君とデュエットしてるとか、とういうのは、ほんとに、後にも先にも・・

これがね、これが聴けるんです。
稀有ソング。

達郎氏:

というわけで、元々はシュガーベイブのSONGSに入ってるヤツを、我々のエンジニアであります、頑固者の吉田保がリミックスをしまして。

大瀧氏:

そ!
リミックスして全然違うものになって、良くなった!

達郎氏:

ナイアガラ・フォール・スターズに収められております
「すてきなメロディー」

♪ すてきなメロディー

というわけで、シュガーベイブのSONGSの「すてきなメロディー」

大瀧氏:

一番大好きなメロディーです。

達郎氏:

途中でカズーのソロがあるはずだったんですけど、消えてしまってるという(笑)

大瀧氏:

これがですね(笑)
途中のね、ピアノの素になるところが実がカズーを、山下くんがカズーを吹いたんですけども。

最初は入っていたんですね。
終わるまでは(笑)

それがなんと、その当時のミックスエンジニアが笛吹童子と言いましてね(笑)
これがまた非常に笛の下手なヤツで。

ふふふ(笑)

達郎氏:

笛ふけど・・・踊らず(笑)

大瀧氏:

踊らなかった(笑)というね、実に、間違えて消してしまいましてですね。
山下くんに、積年の恨みをね、積り積もられて。

それで弦のアレンジをやってもらったんだけど(笑)


◎ロングバケーションの続作です


達郎氏:

こんどのLPは、どういうアレなんですか?

大瀧氏:

今度のLPはね、ほとんどロングバケーションの続作です。
ほんとは、ロングバケーション2にしようかと思って。

ロンバケ2かなんかにしようかと思ったんですけども。

なんか水漏りしそうなんで、止めたんですけどね。

達郎氏:

ラッツ&スターのソウルバケーションっていうのは、どの辺の・・

大瀧氏:

あれは、なんか向こうの人たちが、なんか洒落で考えて。
それって、ないんじゃないかって言うんで。

じゃ、それでいいんじゃないかって。

達郎氏:

あれは、延期したあとに仕事が入ったんですか?
あの仕事が入って、延期になったんですか?

大瀧氏:

あれはね、色んなところで俗説があるようですけども、あれはですね、色々ありました。

達郎氏:

本音を言わないと、レポーターには。

大瀧氏:

あれはなんと、一昨年にアイデアがあった。

達郎氏:

あれ、大瀧さんプロデュースって、どの程度までやってるの?

大瀧氏:

どの程度って、だから・・・
トライアングルなんかと同じで、みんな横にいただけ。

みんな好きなことを、好きな曲とかをね、やりたいものを持ってきて。
で、やってるのをフンフンと見てる。

達郎氏:

歌入れは、全然違うって言ってたな、鈴木が。

大瀧氏:

歌入れは、ずっと・・・

達郎氏:

一発スルーで行くって・・

大瀧氏:

ん、横になってた。

達郎氏:

くくく(笑)

大瀧氏:

歌は良かった。
他の、そう悪くはないと思うけど、俺は歌は良かったと思うけどなぁ

達郎氏:

僕は、あのぉ、なんだっけ・・・
「Tシャツに口紅」の裏の曲の詩がいいと思ったな。

大瀧氏:

あの詩ね。
あの詩、洒落てるでしょ?
あれは、松本隆・・すごくいいと思った。

達郎氏:

というわけで、3月に出ると聞いただけで、もういいんですけど。

大瀧氏:

もういいんですか(笑)

達郎氏:

レコード、いろいろかけるんですけども。
珍しい・・・
これ、コレクターが結構聴いているんですよね。

これ、すご~いコレクターも聞いてるし、全然、もう日本の音楽しか聴いたことのないって世代も出てきてるでしょ。

大瀧氏:

切手集めてんの(笑)
・・失礼しました。

達郎氏:

(笑)
それで、なんでね、バランス感覚が非常にたいへんなんです。
もうだから、こっちのハガキはね「知ってる曲ばっかりかけるな!
本当のコレクターズアイテムかけて欲しい!」

こっちはね「もう一曲もわからん」と。
訳の判んない曲かけてね、公共の電波使って・・・

そういうのもあるし。
あるんですよ、色々!
番組やってるから・・

大瀧氏:

その右と左をどうやってバランス取りますか。

達郎氏:

いやぁ、もうやりたいように、やるしかないですね。

大瀧氏:

右も左も蹴っ倒すしかないか(笑)

達郎氏:

しょうがないですね。

大瀧氏:

なんだか良く判んないな(笑)


◎Crying In The Rain

達郎氏:

一昨年だったかな、大瀧さんと二人でエバリーやったでしょ。
NHKでやったでしょ。
あのテープ探したんだけどね、どこ行ってもないんですよ。

大瀧氏:

はぁ・・・消えたんですかね。

達郎氏:

こんどだから、機会があれば、また。
あれで、あの、やってみますよ。

大瀧氏:

特集やって下さい、またここで。
ん、来ますから。

達郎氏:

で、それのオリジナルをかけろっていうようなね、アレも非常に多いんで。
エバリーの「Crying In The Rain」のオリジナルを今日は、いってみたいと思います。

♪ Crying In The Rain


◎リスナーからのお便り

達郎氏:

『某食品のCMで、@@@と歌っているのは大瀧さんでしょうか』

大瀧氏:

そうですかね・・・
僕の弟だという説もありますけど。

山下くんじゃないですよね。

達郎氏:

違います!
ふふふ(笑)

大瀧氏:

ふふふ(笑)

達郎氏:

あれ、大阪でやってたんですよね。

大瀧氏:

大阪で80年くらいにやってて。
もう、ほぼ3年位前の・・・
4年くらい前の作品なんですよ。

達郎氏:

大瀧さんが人のジングル歌ったって、あれしかないんじゃない?

大瀧氏:

なんと、何を隠そう・・
何も隠さないんだけど。

一番最初にCM作ったのは、あの有名なヤツなんだけどさ。
これは面白いね。

そいでさ、その前に歌だけ歌ったことがあるわけ。
エアコンの。
とある会社の。

そいでね、歌ったの、ロゴ入れて。
それが一番最初なの、実は。

その次にオリジナル。

達郎氏:

そうなの。

大瀧氏:

ん、二回目。
ロゴ入れて。

苦しかったね。
だからね、あれを聴くたびに胸が痛むんだよ。

達郎氏:

ふふふ(笑)
ぼく、あれ、よくやったなって思ってさ。

大瀧氏:

あれはね、苦しかった。

達郎氏:

そんな昔のヤツなんだ。
なるほどね。

大瀧氏:

あの頃はね・・・
苦労してるんだよなぁ・・・
はははは(笑)

◎リスナーからのお便り

達郎氏:

『新春には、いよいよ大瀧さんがいらっしゃるそうで、僕はこの日を待っていた。
そこで大瀧さんに、これだけは聴いて頂く、ここに記しておきます。

初期ナイアガラと言われるコロンビア時代の多羅尾伴内楽団やデビュー、シリア・ポールのLPは再発されないのですか?

巷には、これらのLPを欲しがっている人が溢れています。』

大瀧氏:

ありがとうございます。ほんとに。
あとまだあんの?

達郎氏:

『是非ともお答え下さい』

大瀧氏:

答えます。

これは何も隠さずに話そうと思いますけども。
この場を借りて。

呼んで頂いて・・・

僕はね、ラジオの長い番組って、ほんとに久しぶりじゃないかな。
ついこの間、渋谷君のFMホットラインかなんかにね、2分か3分くらい出演したような気がしますけどもね。

あれが僕の最近の長時間の出演の記録だったの。

達郎氏:

2分間を長時間(笑)

大瀧氏:

それでね、呼んでもらって、ここで、こういう僕の話だけしていいのかって、非常に心苦しいんですけどね。
気使って、ほんとにありがたいと思いますけど。

なんと!
4月にね・・

達郎氏:

出るの?

大瀧氏:

あんまりにもね、高値をよんでいるんですよ。
何万とか。
だから、みんなお金がなくて買えないんで、それで、ちょっとあまりにも市場の高値にね、胸を痛めた大瀧詠一が(笑)

なんか、他人事みたいだね(笑)

全部まとめて面倒見ようと。
ほとんど「ごろんぼ波止場」と呼んで・・・
こりゃダメか(笑)

達郎氏:

ふふふ(笑)

大瀧氏:

横山アウトという感じもする(笑)

えぇ、それでね7月1日に、ボックスセットで・・・
一万円切るよね。

達郎氏:

何枚入りですか? じゃぁ。
何から何?

大瀧氏:

んんと・・・
多羅尾の、1,2
シリア・ポール、デビュー、レッツ・オンド・アゲイン。

達郎氏:

5枚。

大瀧氏:

でも限定。
そんなに欲しい人は、数いないと思うんだよね(笑)
実はね。
こういうふうに言う人は、ほんとに実はね稀有な人なんだ。

今日はね、稀有がね、4回も出てきましたけどもね。

あまり多くはないと思うんだ。

ただね、一つだけ言っておきたいのは、知らない人が、ほら、古いレコードで高値がつくとね、そのお金に見合う価値が内容にあるっていう風に勘違いされる方がいるとね、これはまた心が痛いわけ。

それがほんとに、ただの希少価値なんだ。
希少価値と作品価値というのは違うんだ。

達郎氏:

このあいだね、ハガキが来て、そういう廃盤コーナーとかあるでしょ。
それでね、「幸せにさよなら」のシングル盤がね1万2千円だって。

大瀧氏:

あたぁ・・・
心痛めるね・・・

達郎氏:

そんなん買うなって言ったんだけどね。
これはちょっとね、イカンすよ、最近。

大瀧氏:

ちょっとね、だからそれに胸を痛めたプロデューサーがいて・・
それでね、出るんです。

で、なんとタイトルが、タイトルっていうか名前がね「ナイアガラ ブラックボックス」って言うんです。

達郎氏:

ぬははは(笑)

大瀧氏:

ウケたね(笑)
ウケたと思った(笑)

達郎氏:

くくくく(笑)

大瀧氏:

これ4月1日に出ます。
「ナイアガラ ブラックボックス」

達郎氏:

出るそうでございます!

大瀧氏:

1万円でお釣り来ますから。

達郎氏:

私のアレですよ、「煙が目にしみる」が入ってますよ。

大瀧氏:

ははは(笑)
出たね!

レッツ・オンド・アゲインとううアルバムで「禁煙音頭」というのを聴いていただくとですね、山下くんの「煙が目にしみる」・・

達郎氏:

あれが、全くノークレジットになってるところが渋いんですよ(笑)

大瀧氏:

あれは、でもクレジットしなくてよかったんでしょ?

達郎氏:

いや、別にして欲しかったんですけどね。
僕としては。

大瀧氏:

クレジットしなくてね、弦の仕事を断られていますよ(笑)
ほんとうに(笑)

実にミスを犯してますね(笑)

あれ、なんとなく、あれを低めにしといた方が、それっぽいかな思ったんですけどね。

達郎氏:

なるほどね。

大瀧氏:

後々、山下君はビックネームになるという事は、当時わかっていたから。


達郎氏:

(笑)
だいたいね、巷の人に言わせればね、今の若い人は知りませんよ。
巷の人に言わせればね、こんなね、サウンドストリートなんていうね、でっかい番組でね46都道府県?今、だよね?

とにかく全国放送なわけですよ。

だからこれが今一番はやいんですよ。

大瀧氏:

ということですので(笑)
全国の皆さん(笑)

達郎氏:

という事だそうで、ございます(笑)


◎リスナーからのお便り

達郎氏:

世田谷のライドオン・まりやって、なんだこれは!!

大瀧氏:

なんだ!今のは!

達郎氏:

『なんと、1月の第2週には、大瀧さんがいらっしゃるそうですね。
そこで、僕は特集を組んで頂きたいのです。

題して「大瀧大先生の元ネタ特集」

僕の周りには大瀧が盗みばっかりしてるなどとと言うヤツがいますが、僕ははっきり言って大瀧先生の崇拝者です。

「風立ちぬ」の元ネタが「Venus In Blue Jeans」であることは、この番組で知りました。
また昔、某ジーンズ会社のCMで使われいた曲では、僕の勝手な推論では「プレスリーに冷たくしないで」じゃないかと思われます。

大瀧氏:

あぁ、そうかもしれませんね。

達郎氏:

『他の曲の元ネタも知りたいので、何卒よろしく』

大瀧氏:

それはいいと思いますね。

達郎氏:

『PS.大瀧先生
井上大輔の「め組のひと」はヒットしたのに「Tシャツに口紅」でコケて、また俺のせいだなんて思っていらっしゃるかもしれませんが、懲りないで良いアルバムを作って下さい』

大瀧氏:

「また」というのは、どういう訳ですかね。

達郎氏:

ふふふ(笑)

大瀧氏:

コケたのは、あまり多くないんですけどね。
作品がいいからいいでしょ!

達郎氏:

しかしね、元ネタ特集を一人でやろうとするとね、出来ないんですこれが。

大瀧氏:

ん?

達郎氏:

ネタをね、人のネタをばらすというのは、一見簡単なようで実は難しい!

大瀧氏:

そう!
これが、その人を知る事になるんだよ。
何のことは無い。
言っとくけど。

達郎氏:

だって自分のさ、自分の曲を誰かがさ、ネタはこれですよとか言ってさ、もっとさ・・・

大瀧氏:

私はだいたい20以上集まらないと作品でいないです。

達郎氏:

(笑)

大瀧氏:

最低、ほんとに。

達郎氏:

なんかよく判んない(笑)

大瀧氏:

これはね、凄いですよ。
ですから、それくらい言わなきゃダメ!
許さない!

達郎氏:

なかなか、アレですよ。

大瀧氏:

いいよ、解決しようかな(笑)
なんだか(笑)

◎ エンディング

達郎氏:

というわけで、もう一曲かけましょうか。

大瀧氏:

どうもバラして頂いてありがとうございます。
名曲を下敷きにすると、名曲ができるというね。

達郎氏:

今週は、バカ話で曲でございます。
来週は、バカ話とコレクターズアイテム(笑)
全然関係ないこと言ってる(笑)

今日の、そろそろお別れの時間が近づいてまいりましたが。
このあいだシングル出してですね、ここんとこシングルのB面は全部ビーチボーイズのカバーなんですよ。

大瀧氏:

ほぉ~

達郎氏:

この間、シングルのB面は「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」でございまして。

大瀧氏:

はぁ、カナリヤ諸島ね。

達郎氏:

これ、わりと良かった。
くふふふ(笑)

大瀧氏:

そんなことはないですけどね(笑)

達郎氏:

そうか!
でも、それだけじゃないんですよね。

大瀧氏:

それだけじゃない。
その一つです。
1/20です。
1/20の神話と言われてますけど。

達郎氏:

というわけで、是非あれですよ。
このエコー聴いて頂きたくて、お届けをします。

♪ プリーズ・レット・ミー・ワンダー


達郎氏:

というわけでございましてですね、今週は大瀧詠一さんをゲストにお招き致しまして、来週も大瀧詠一さんをゲストにお迎えしまして。

どの番組のゲストよりもこの番組のゲストが一番おもしろいと。

大瀧氏:

(笑)

達郎氏:

僕が大瀧さんを呼ぶか、大瀧さんが僕を呼ぶか!

大瀧氏:

これはもうね、有名な話ですよ。

達郎氏:

今のおとなしそうですね・・・

大瀧氏:

今の、後半にね、I love youってのがね、あまり聞こえなかったなぁ

達郎氏:

人のこと言えないでしょ(笑)

大瀧氏:

どうして照れるんだ、そういうこと・・・

達郎氏:

人のこと、よく言うよ(笑)

大瀧氏:

いやぁ、全然聞こえなかった。
俺、聞こえると思ってずっと構えて待ってた。

達郎氏:

これ、ちっちゃなスピーカですから。

大瀧氏:

もっと聞こえるようにしなさい。
ささやいてんなら、ささやいてる意識を・・・

オリジナルなんて、ものすごく一杯入ってるんだよ。

達郎氏:

業界広しといえどもね(笑)

大瀧氏:

何だい?(笑)

達郎氏:

日本のロック、12年ね(笑)

大瀧氏:

日本のロック、12年ね(笑)
まるで、牛丼だよ(笑)
どっかの(笑)

達郎氏:

くくく(笑)

大瀧氏:

ロック一筋12年(笑)
そういう感じ、あるねぇ

達郎氏:

それは大瀧さんですよ!

というわけなんでね(笑)
何の話?
そうだ、来週も大瀧さんに来て頂きまして。

来週はですね、あんまりあのぉ、さっきも言った公共放送で、どうだこうだってね、あんまりほんとにコレクターズアイテムってあるでしょ?
もの凄い、アレだって、それかけても、それが何でコレクターズアイテムで、それほど有難いレコードなのかって説明するだけで何十分かかってしまう訳ですよ。


大瀧氏:


例えばさ、説明することがコレクターズアイテムなんじゃないのかい(笑)
今は(笑)

そういう時代なんですよ。
埋もれて行くわけだから、大量商品の中に。

達郎氏:

なので、この番組始まって以来のレアレコードの曲っていうかね・・・
そういう感じで来週は・・・

大瀧氏:

これは、ほんとにね原始人探しに行くようなもんだと思うよ。俺。

達郎氏:

大瀧さんにかこつけて。
全部大瀧さんになすりつけて。

大瀧氏:

また(笑)

達郎氏:

全国の超コレクターの皆さんはお待ちしてきて下さい。
今日の最後の曲は多羅尾伴内楽団にも入っておりますが、僕の大好きな曲でございまして。
「Willie & His Giant」ドイツのグループですね、これね。

それの「心のときめき」でございます。

こういうのかけられるのも、大瀧さんがゲストだからでございまして。
「心のときめき」を聴きながら、今日のサウンドストリートはお別れでございます。

また来週も、大瀧さんでございます。
よろしくお願いします。
本日はどうもありがとうございました。

大瀧氏:

どうも。

達郎氏:

それでは皆さん、来週までごきげんよう!

♪ 心のときめき


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テーマ : FMラジオ - ジャンル : テレビ・ラジオ

DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
山下達郎さん サンデーソングブック 2011年01月09日「新春放談 ゲスト大瀧詠一 (2)」


ここ2,3日は高校ラグビー、高校サッカー、春高バレー、大学ラグビー等々、TVを前に歓声を上げてました。
長崎は、曇り時々雨で、ぱっとしない天気。

さて、サンデーソングブックの新春恒例「新春放談 ゲスト大瀧詠一 パート2」。
お二人の会話をちょっと纏めて、テキストにしてみました。

西武球場のライブで山下達郎氏が芸能レポーターに追っかけられた話。
「坂本龍一 FMサウンドストリート ゲスト 山下達郎 1982年6月1日」でも、その話題出てましたね。

今年の達郎氏のライブハウスツアーでは『君は天然色』が聴けるかも!
という事で、誤字脱字はご容赦のほどを。

◎冒頭

達郎氏:

お正月気分も一段落でございます。
ハッピーマンデー成人の日でございます。
今年成人式を迎える方、おめでとうございます。

今、もう本当に、日本含め世界が大変な情勢になっております。
お若い方の力で少しでも良い世の中にして頂きたいと思います。

いろいろと夢を持ちにくい時代ですけれども、頑張ってください。

というわけで山下達郎サンデーソングブック、毎年お正月は大瀧詠一さんをゲストに、お馴染の新春放談。
先週に引き続きまして、今週はパート2でございます。

今週も、いろいろと濃いところをどれ位出せるかという感じでございますが(笑)。
大瀧さん、健康状態は凄く宜しいようで、今日もお話がはずむことと思います。

今日も、いろいろと濃いところをお楽しみ頂ければと思います。

山下達郎ジャックスカード、サンデーソングブック。
毎年恒例、新春放談、大瀧詠一さんをゲストに今週も張り切って始めてみたいと思います。

◎今度の自信作はロンバケのカラオケ

達郎氏:

それで、えぇと去年の新春放談のメインは今年の3/21にロンバケが30周年の、アレなんですけも。
結局、今年のフォームはオリジナルマスターの、これもボーナストラック無しなんですか?

大瀧氏:

無しです!
あぁ、一曲だけ。

達郎氏:

こっちの、トラックスっていうのは?

大瀧氏:

カラオケね。
純カラ。

達郎氏:

これは、2in1なんですか?

大瀧氏:

2in1

達郎氏:

カラオケ付きの?

大瀧氏:

純カラ付き。
純カラ、初出。

達郎氏:

なるほど

大瀧氏:

初出

達郎氏:

ほう

大瀧氏:

今まで出てないんですよ。

達郎氏:

なるほど

大瀧氏:

30周年に、取っておいたの。

達郎氏:

ヘヘヘヘヘ(笑)

大瀧氏:

またね、意味深な笑い方するね、いつも(笑)。

で、どっちっていうとね、カラオケの方がね、今回はね、これを聴いてもらいたかった(笑)

達郎氏:

当時録った、ベースでしょ?

大瀧氏:

そうです。そうです。

達郎氏:

カラオケって全部あるんですか?
初期から。

大瀧氏:

全部とってあります。

達郎氏:

いつから録り始めたんですか?

大瀧氏:

ロングバケーションからじゃないですかね。

達郎氏:

ロンバケから?
カレンダーは無いんですか?カラオケは。

大瀧氏:

無いんじゃないですか。
自分でマスター持ってるから、いつでも作れると思ったのよ。
第一、あれをバックに歌う機会がありますか!

バックにしなくたって歌う機会がないのにも関わらずに、だよ。
あぁた。

達郎氏:

いや、意外とね、純カラって歌うだけではなくて、例えばアレンジャーとか、そういう人が聴きたがる。

大瀧氏:

ううん。
でも全部家でやったからさぁ。

ナイアガラ音頭だけあるよ。

達郎氏:

あそこを、何で、どうやってるかっていうのを歌がのると判んないときがある。

大瀧氏:

判んないよ!

達郎氏:

ほんとは、カラオケってネタバレになるんですよね。

大瀧氏:

一番ネタバレなんだよ。
だから、ネタバレになるから、30年なるまで、とっておいたのよ。

達郎氏:

ハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:

10年目はダメで、20年の時も考えたけども、今公開してもネタバレになるからなって思って。
ま、30年も経ったし、もう自分もやる予定も無いから、ちょうどこの辺が潮時だなぁと思ってね。

30年に純カラ出そうって。
だから、今まで一切出てないですから。

「満を持して」ですよ!

本チャンよりもカラオケで・・・
カラオケで一回終わってるのよ、実は僕は。

達郎氏:

一回終わってるっていうのは?

大瀧氏:

カラオケで自分としては完成したと思っちゃった。

達郎氏:

ハハハ(笑)
歌が無きゃ?

大瀧氏:

歌を入れる時に、前に一度ね、新春放談だと思ったけど、カレンは60点の出来だっていう話をした時に、なかなか歌えなかったっていう話をしたけども、カレンに限らず、なんかね、歌入れ始めたら、オケを邪魔してるように感じたのよ。

でね、”あ、入れたくないなぁ”って正直思った。

達郎氏:

歌手の人は、全く逆で。
大瀧さん、それは自分で作ってるから。

作ってる人って、必ず自分で歌入れる時とカラオケだけの時が全然いいって、思うんですよね。

大瀧氏:

無茶苦茶いいよ!
聴いて。

今度の自信作はロンバケのカラオケ。
これで、僕はね、一回これでね、一回終わってるわけよ。
完成してるの、実は。

達郎氏:

なるほど。

大瀧氏:

ほんと、できれば歌いたくなかった。

達郎氏:

ハハハハハ(笑)

大瀧氏:

これで出したかった!
いや、ほんと(笑)

達郎氏:

仰りたい事は良く判る(笑)

大瀧氏:

それとね、あのぉ、ま、メロディ作ってから歌をレコーディングするっていうケースは、僕はめったにないから。

達郎氏:

は~ん。

大瀧氏:

で、あったとしても、そのメロディってのは自分の中の、一つのチョイスなのよ。
最終チョイスでもあるけれども、One of them なわけよ。

で、themがいくつあったかっていうのは、曲によるけど、山のようにthemがあったんです。

達郎氏:

ですよね。

大瀧氏:

で、カラオケに”them”が聴こえるのよ!

達郎氏:

ん~
固定された途端に・・・

大瀧氏:

”them”を聴いて欲しい訳よ。
そのメロディーじゃなくても良かったんだよね。

良かったんだけれども何故かそのメロディーをそこで選択したという事でしか無いわけ。

達郎氏:

なるほど。

大瀧氏:

別のメロディーとか、別の生き方もあったのではないか、というような事、
結構この考え方は成瀬の研究にも役立ったのよ。
物凄く。

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

別にそこのアングルじゃ無くても良かったんじゃないかとか、そこの場所じゃ無くても良かったんじゃないか。
という事は、とりもなおさず、”そこでなければいけなかった”っていう理由もあるはず。

達郎氏:

タラ・レバですね。

大瀧氏:

そこなんかの方がね、もの凄く面白かったね。
いや、このカラオケはね、超自信作。

こーれ一つでいいわ!

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

ほんとに、聴いていもらいたい。
これは、心底。
爆音で聴いてもらいたいね!

達郎氏:

ハハハ(笑)
おかしいなぁ。

◎『君は天然色』ハーモナイザーで一音下げた

達郎氏:

大瀧さんのやってる16チャンネル時代のマスターっていうのは、割と纏まってるものが多い?
ピンポンして、あの、特にカレンダーとか。
GO! GO! NIAGARAなんかでも。

大瀧氏:

ま、ところどころね。
コーラスのことろだけ、うん。

達郎氏:

『NIAGARA MOON』のキューシートって僕覚えてますよ。
随分あの、これしか入ってないのかって

大瀧氏:


あいてるし。

達郎氏:

演奏がタイとだから、十分なんだけど。
ほとんど、4リズムとか5リズムで。

大瀧氏:

だから、今度のロングバケーションのボーナストラックは1曲だけ。
『君は天然色』

で、2チャンネル。

達郎氏:

へー

大瀧氏:

せぇので、”いち、に”で録ったの、一発録りっていうヤツで。
それにダビングしたり、歌を入れてりしたんだけど。カラオケ。

カラオケを2チャンネル。
だから、吉田保さんが、その時ミックスしたんですよ。

達郎氏:

ようするに一発録り

大瀧氏:

で、一発撮りのそれをボーナストラックに入れました。

達郎氏:

要するに、フックに行く前のSEとか無いわけですね?

大瀧氏:

何にも無い。

達郎氏:

要するにストレート

大瀧氏:

ほんとに、まぁ20人くらいの連中が”せーのー”でやってる。
サビは一音上がりなのよ。

達郎氏:

ほぉ

大瀧氏:

もともと一音上がりだったの。

達郎氏:

じゃ、テイクが違うって事ですか?

大瀧氏:

いや、同じテイク。

達郎氏:

んーん

大瀧氏:

同じテイクで、サビは一音上がりなの。
だから、イントロはAで始まってんのに、歌がGからなのよ。

達郎氏:

へぇ

大瀧氏:

イントロ、Aで始まってんのよね、だからチューニングはアー(A)で合わしてんじゃない。
なんだけど、ジャンジャン・スタレンジャンでD7行くから、Gなのよ。

一音下がった歌で始まってる訳。
で、サビになると一音上がるのよ。

サビ始まりだったんだよ。

達郎氏:

ほぉ。
じゃ、エディットしてるって事ですか?

要するにOK・テイクは、そこはエディットで無くしてるって事ですか?

大瀧氏:

いやいや、違うんだよ。
ハーモナイザーで一音下げてたの。

達郎氏:

へー

大瀧氏:

言わなかったっけ?

達郎氏:

僕聞いてない。

大瀧氏:

3度目くらいの気がするなぁ

達郎氏:

僕それ、初めて聞いた。

大瀧氏:

いや、僕は、ほらハイカラとか、ああいうのでアー(A)とかさ、Cだから。
楽にAくらい出るもんだと思ってたのよ。

10年経ってたんだよね。
はっぴいえんどから。考えてみたら。

で、Aが出なかったの。
出たんだけど。

出たんだけど、詩が付いたのよ。
「色をつけてくれ」っていう詩だったのよ。

達郎氏:

”ラララ”でも出てもね、言葉は・・・

大瀧氏:

出たんだけど、「色をつけてくれ」とかさ、今はほんとに出ないけども、何とかしてくれよ、みたいなさ。
そういうなんか、こう困った感じの歌になったのよ。

で、凄く悩んで。
もう、構成として大きくしたかったのね、曲は。

Aで始まってGでいて、サビがAでいって、Gに戻ったら、また転調したサビになって戻ってっていう風に、デカイ構成にしたかったから。

なんとしても一音上げのサビはやりたかったんだけども、「色をつけてくれ」とかさ、ほんどにもうダメになった中年が青春を回顧してる感じになっちゃって。

しょうがないからさ、一音下げたのよ。

トニック下げは珍していって、CFGのトニック下げに結果的になったんだけど。
で、ハーモナイザーで一音下げたのよ。

達郎氏:

ああ、そうなんだ、なるほど!

◎ 若い時は大きくいかなきゃダメだよ

達郎氏:

僕、だからロンバケが発売遅れて、1979年の、80年の12月に郵便貯金ホールでライブがあったじゃないですか。
大瀧さん風邪ひいて、声が出なくて(笑)

大瀧氏:

39度の高熱で、おして(笑)

達郎氏:

あれが、本編のラストが「君は天然色」だったんですよ。

大瀧氏:

そうでしたっけ。
は~ん。

達郎氏:

それで、あそこ、(声が)出なくて・・・・

大瀧氏:

Gでも出ないんだもんな!

達郎氏:

水あめ舐めながら(笑)

大瀧氏:

平気で出てたからね。
それが10年前だってのを忘れてたんだね!
フフフフ(笑)

達郎氏:

ハハハ(笑)

大瀧氏:

もう老いてたんだよ、10年経ってて。

達郎氏:

キー設定っていうのは、しょうがないですよ。
そのキーで出てたのが、10年経つと出なくなるっていうか。

例えば言葉の関係とか、”ララ”メロで出ても、言葉乗っけると、きつくなるとか。

大瀧氏:

でもねAにしたかったのよ。

「はいから」もAで、「サイダー」もAでしょ。
で、「うららか」もAで。

肝心な時に、なんかやる時はAでいくのよ。

これは、その成瀬さんが、再起するときに築地に戻るとかさ。

達郎氏:

なるほど(笑)

大瀧氏:

あるんだよ、そういうような、拘りが。

達郎氏:

判りますよ。

大瀧氏:

なんとしてもAでいきたかった。
っていう事なんだよね。

達郎氏:

茂さんの「砂の女」みたいに、自分が歌えない曲って(笑)
絶対ギターコードの方が重要だから。

あれは、あのキーで、今僕ライブでやってますけど、僕だってキツイもんね。

大瀧氏:

君もきつい?
は~ん

達郎氏:

”きつい”っていうか、だから、あれは当時の・・・それは大変だろうって(笑)

大瀧氏:

また、えらい曲を作っちゃったんだよなぁ、茂もなぁ。

それがね、千代の富士なんだよ、俺が何時も言ってる。
脱臼しても出し投げするっていうね。

若い時は、最初からキャラバンひくとかね、最初からデカイものにぶつかる位の”気がい”が無いとダメなのよ。

フィギュアでも、やっぱしねジュニアとかでもジャンジャカ転ぶヤツの方が大成するのよ!
ジュニアのうちから、コジンマリ纏まってるのは大成しないの!

達郎氏:

獲得目標は高く!

大瀧氏:

若い時はね、そういう風にデカく行かなきゃダメなの(笑)
歳とってから歌えなくなったんじゃしょうがないけどさ(笑)

達郎氏:

”ビートルズになるんだ!”みたいなヤツですね(笑)

大瀧氏:

まぁね。
『わだばゴッホになる』って言った棟方志功さんも居る訳だからさ。
やっぱり大きくいかなきゃダメだよ!

若いうちは、とにかく大きくいかなきゃダメだよ。


◎ 砂の女

達郎氏:

よくこんなの、茂、歌ってたね!

大瀧氏:

あそこがちょうど儚くていいんだよ。

達郎氏:

まぁ、そうですね。

大瀧氏:

キー設定はデカイからねぇ
ロングバケーションやって初めて判ったから。

達郎氏:

アハハハハハ(笑)

◎ 『春よ来い』と『抱きしめたい』で終わってるんだよ!

達郎氏:

大瀧さん、だけど、僕の記憶でいくと、あんまりシャウターとかね、ハイノート・ヒッターとか、そういう印象、そんなに無いな。

大瀧氏:

ないね!

達郎氏:

ソロアルバムのファーストでも、結構楽な歌い方っていうか

大瀧氏:

あぁ、そうなの?

達郎氏:

ゆったりした歌い方したシンガーだなって、僕なんかは、そういう印象があります。

大瀧氏:

シャウターではないからね。もともと。

達郎氏:

高くても、そんなに高い感じがしないっていう。

大瀧氏:

『春よ来い』のサビとかね

達郎氏:

ああいうやつはね。
あれは、一枚目ですもんね。

あれと『抱きしめたい』と。

大瀧氏:

だからさ、『春よ来い』と『抱きしめたい』で終わってるんだよ!

達郎氏:

終わってるって、また・・・(笑)

大瀧氏:

あそこが絶頂期なのよ。
もうちょっと早めに始めてなければいけなかったのよ!
たぶん。僕が思うに。

達郎氏:

二十歳ですか? あの時。

大瀧氏:

二十一、二でしょうね。

達郎氏:

意外と遅かったんですね。

大瀧氏:

遅いのよ。
あれは、自分のボーカリストとしては末期なのよ。

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

だから、そこから81年のロングバケーションまでどうしたと思うよ?

達郎氏:

ロンバケの時って大瀧さん、おいくつだったんですか?

大瀧氏:

三十五、六だね。

達郎氏:

三十三ですね、大瀧さん。
今の尺度でいけば、超若いけど。

大瀧氏:

ん~。
ねぇ!

達郎氏:

あの頃だって三十三ですね。

大瀧氏:

だからもうね、ロングバケーションの歌なんか、もう超末期!

達郎氏:

フ・ハハハハハ(笑)

大瀧氏:

酷いもんだよ!
でも、つくづくそう思うよ。
『抱きしめたい』聴いていると”あぁ、ここがピークだったなぁ”ってね。つくづく思うね。

もうちょっと早めに始めておけばなぁ

達郎氏:

可笑しい(笑)

大瀧氏:

フフフフフ(笑)

◎コンドウ ムサシ

達郎氏:

吉野は、ほんとにそういう意味では歌の、なんていうのかな、持って行き方が、そういうのが上手いなぁって。

大瀧氏:

『風街ろまん』は細野さんに合ってたよね。
僕は吉野さん、ないからさ。

達郎氏:

はぁ~

大瀧氏:

『春らんまん』一曲だけだから。
『風街ろまん』は、吉野さんのテイストなんだよね。

達郎氏:

歌入れっていうのは、じゃ、吉野さんじゃ無いんですか?
大瀧さんの場合は。

大瀧氏:

違うよ
梅津さん。

達郎氏:

ああ、そうなんだ。
梅津さんなんだ!

大瀧氏:

梅津さんだよ。

達郎氏:

なるほど!
ふ~ん。

ミックスダウンは吉野さんなの?

大瀧氏:

いやぁ、梅ちゃん。

達郎氏:

あぁ、そう。
じゃ、あれって複数のエンジニアなの?

大瀧氏:

そうだよ。
書いてあるじゃない。

で、あの人、あの時ビクターの専属だったの。

梅津なにがしって、本名使えなかったから・・・

達郎氏:

なるほど。

大瀧氏:

それで、近藤武蔵って考えたのよ、俺がな(笑)
何だよぉ、この名前!

達郎氏:

えっ、じゃ何、えぇと・・・

大瀧氏:

だから近藤武蔵って、近藤勇と宮本武蔵が・・・言っておくけどね。
音だけで、ひろわないように、言っとくけどね(笑)
”コンドウ”で一回切るからね(笑)

くどいね、これが(笑)

達郎氏:

ダブル・ミーニング(笑)

大瀧氏:

深く追求しない!
昼間の番組なんだから。

それが、梅津さんの事なのよ。

達郎氏:

大瀧さんの作品は、じゃあ全部梅津さんですか?

大瀧氏:

全部梅津さん。

達郎氏:

ミックスも?

大瀧氏:

ミックスも。

達郎氏:

あぁ、そうなんだ。

それって、もう知られてる事実?
周知の事実?

大瀧氏:

知られてんじゃないの?
マニアは。

達郎氏:

俺、全部吉野さんがミックスしてるんだとばっかり思ってた!

大瀧氏:

あぁ!、そうなんだ。
いやぁ、周知の事実だと思ってたよ。

達郎氏:

全然!

大瀧氏:

あ、そう!
だから、梅ちゃんが『風街ろまん』の感じしない?
フフフフフ(笑)

達郎氏:

エッ、じゃ、なに、大瀧さんの『空色のくれよん』と、あれと・・・

大瀧氏:

『抱きしめたい』と『はいから』と・・・

達郎氏:

マジ?!

大瀧氏:

うん!

達郎氏:

俺、初めて知ったよ!
そいで、細野さんのヤツは・・・

大瀧氏:

全部、吉野さん。

達郎氏:

茂さんのヤツは?

大瀧氏:

茂の・・・『はないちもんめ』、あれ、吉野さん。

達郎氏:

ふーん。
大瀧さんだけ別なんだ!

大瀧氏:

別なんだよ。

達郎氏:

何で?

大瀧氏:

だから、僕が先に録ってたんだよ。

達郎氏:

へぇー

大瀧氏:

あの流れからいくと。
『風街ろまん』ってアルバムになるかどうかは、知らなかったから。
順番で録って。

『抱きしめたい』とか『空色・・・』って、もうとっくにステージでやってたのよ。

達郎氏:

ほぅ、ほぅ。

大瀧氏:

レコーディングの前に。
だから、簡単にレコーディングでっきちゃったのね。

『はいから』はリ・アレンジだから、簡単にできたでしょ。
だから、あっという間にレコーディング終わっちゃったのよ。

達郎氏:

あ、そう・・・
へぇ~

大瀧氏:

それで、暇だったから待合室でゴロゴロしてたのよ。
したら高田渡君がアルバムのレコーディングしてて、彼はすぐ終わるから。

そうすると三浦光紀さんと3人で、他の人たちは吉野さんと一緒にやってる訳。

達郎氏:

ふ~ん

大瀧氏:

高田君がカメラの趣味があるから「ロサンゼルス、アメリカに写真撮りにいくけど、一緒に行かない?」って話になった訳よ。

その3人で。

それを三浦光紀さんが聞きつけて、みんなで行こうよって。
そしたら、はっぴいえんどは皆行かないみたいな話になって、遊びに行くという話を、レコーディングの方へと結びつけていったのだよ。
フフフフ(笑)

それが終わって、僕はソロアルバムを、吉野さんとやってるから。
吉野さんと僕は、だからソロアルバムなのよ。

達郎氏:

ほー

大瀧氏:

『風街ろまん』は半分はだから・・・・

達郎氏:

へぇ~
初めて聞いた!

大瀧氏:

そうだっけかぁ?

達郎氏:

僕、記憶力いいもん!

大瀧氏:

そうかね。

達郎氏:

うん。

大瀧氏:

ほら、聞かれなかったからさ。

達郎氏:

だって、あれ全部吉野さんって、僕、信じて疑わない・・・
だって90年代にミックス出たじゃないですか。

大瀧氏:

出たっけ?

達郎氏:

CDで。吉野さんがリミックスしたやつ。

大瀧氏:

はーん

達郎氏:

だから、それは自分がやったもんだから、当然ああいう、要するにね、アレをするんだって、思って。
ニューウェーブチックなミックスっていうか・・・。

大瀧氏:

聞いてねぇ

達郎氏:

ウハハハハハハ(笑)

そこで梅津さんが突然・・・

大瀧氏:

突然じゃないんだよ。
だから、岡林さんとかビクターで出したのがあったでしょ?

あの時に梅津さんだったのよ。

達郎氏:

はぁ そう。

大瀧氏:

その時にアコースティックの、すっごい良い音で、リミッター・ギンギンにしてマーチンの音を物凄く良い鳴りで録ってくれたのよ、「自由への長い旅」っていうね。

岡林さんのビクター版なのよ。
あれが、梅津さんのアレで。

で、僕のマーチンのイントロで始まるんだけど、あれ、すっごい良い音だったの。

達郎氏:

『自由への長い旅』って大瀧さんがイントロ弾いてるの?

大瀧氏:

弾いてるよ。

達郎氏:

へぇ~
あぁ、そう。

大瀧氏:

なんだよ(笑)、その上から目線は何だ!

達郎氏:

だって、そういうパーソナル判んないもん。
岡林さんが自分で弾いてるのかなって思って。

岡林さん、はっぴえんどやってる時、自分で弾いてないの?

大瀧氏:

弾いてないよ

達郎氏:

あぁ、そうなの。

大瀧氏:

写真みてごらんよ。
『見るまえに跳べ』とか。
吉田日出子さんと写ってる(笑)。

達郎氏:

写真は写真でさ、レコーディングはさ、だってアコースティック・ギターって書いてあるから。

大瀧氏:

ほら、『見る前に跳べ』は、2曲か何曲か、ほら他の人たちがやってるじゃない。
あれは、やってだんじゃないの?

達郎氏:

そうでしょうね

大瀧氏:

はっぴえんどで、やってないよ。

達郎氏:

あぁ、そう!

大瀧氏:

うん。

達郎氏:

へぇー
はっぴえんどの時も、ギターを弾きながら歌うなり、ギターで出力出して、バンドがくっついてくるとか、そいうようなことだと思ってたから。

大瀧氏:

いやいやいや・・・

達郎氏:

違うんだ!
それも周知の事実?

大瀧氏:

周知の事実だよ。
そんなもん!

達郎氏:

あぁ、そう

知ってる?
岡林さんが、はっぴえんどのレコーディングで自分でギター弾いてないなんて、初めて聞いたよね?

大瀧氏:

うそぉ?

達郎氏:

うん。

大瀧氏:

聞かなかったじゃない!

達郎氏:

いやいやいや・・・
だって、それ周知の事実だって信じて疑わなかったもん。

家帰って聞いてみよう、もう一回!

大瀧氏:

聞かれないと答えない性質だから(笑)
おそらく君が初めて聞いたってのは、聞いてないからだと思うよ!

いかに、だから聞いてないと答えないかっていう事の証明でもあるよね。

達郎氏:

んんん、ま、でも、聞かれない事しか喋らないっていう・・・それもある。
聞いてない事を選んで喋る!

大瀧氏:

初めて知ったのに、昔から知ってた・・・・なんか良く判んない(笑)

達郎氏:

ハハハハハ(笑)

大瀧氏:

初めて聞いた新事実ってのがあるよね。

達郎氏:

面白かったな、今年は!

大瀧氏:

フフフフ(笑)
随分喋ったな、うん。

達郎氏:

なっかなか、アレですよ!

大瀧氏:

大笑いじゃない?
聞いてよ!
聞いたら答えるから。

達郎氏:

今日は面白い話がたくさんありましたよ!

大瀧氏:

そうっすか?

達郎氏:

なかなか、脇にそれないで、結構深く・・・

大瀧氏:

男の会話だね!

達郎氏:

ワハハハハ(笑)
でも、このオリジナル・マスターボックスは、なかなか・・・・
いよいよ『レッツ・オンド・アゲイン』が良い音で聴けるという。

大瀧氏:

弦が多いから。
山下君のアレンジのアレが!

達郎氏:

そればっかり言ってる!

大瀧氏:

ソリーナ(Solina)がね、グーッと鳴ってますからね。

達郎氏:

いやぁ、恥ずかしいなぁ。
もう時代違うからなぁ。

大瀧氏:

ようやくこれでね、日の目を見て皆さんに聴いて頂けると。
いうことで、長い間、山下君にお待たせいたしました、という、そんな感じでございます。

達郎氏:

それ、家で考えてきたんでしょ、どうせ!(笑)
でも、楽しみです。ほんとに。

3月21日ですからね。

大瀧氏:

ま、聴きたい人だけ買ってもらえれば。
ロンバケはとにかくね、カラオケが自信作です。

達郎氏:

で、今年一年は、『長屋紳士録』に続く・・・

大瀧氏:

ま、どうなりますかね。

達郎氏:

また、突然どこかでベクトルが・・・

大瀧氏:

なんかねぇ、あんまり変わり映えしないと思いますよ。今年は。
それは来年の新春放談のお楽しみってのは、どうですかね(笑)

達郎氏:

来年は、どうなさいます?

大瀧氏:

来年はトライアングルVOL.2ですね。
VOL.3やりましょうかね。

達郎氏:

これは入ってないんですね?

大瀧氏:

ロンバケ以後はね。
ロンバケから、今度はCDブック2ですから。

達郎氏:

2013年はどうなさいます?

大瀧氏:

13年が問題なんだよ。
空白の時期だから。

ここが問題ですよね。
何したらいいですかね?

出てないんだから、休むのがいいんじゃないの?(笑)

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

itunesで解禁してもらいたいですね。
どのネットでも買えるようになると良いじゃないでしょうか。

そうは言ってもね・・・

達郎氏:

そうなんですけどね!
封通はそうなんですけどね、普通の人は。
どのネットでも買えるんですけど。

SONYの人はSONYの企業戦略でモーラ以外を買えないっていうシステムが・・・

大瀧氏:

因果な会社と契約したもんだな、これ(笑)
ほーんとに。

達郎氏:

最古参の一人ですからね。

大瀧氏:

2番目ですからね。ナンバー・ツーです。

達郎氏:

でも、最年長ですからね。

大瀧氏:

最年長ね(笑)
こればっかりは終わらないんだよね、最年長はね(笑)
勝てないんだなぁ、抜かれないから。

達郎氏:

若い会社だから、特にそうですよね。

大瀧氏:

もうみんな知らないからね。
廊下で会っても!

達郎氏:

でも60年代の後期からできた会社だから、それ以上の人がいないんじゃないですか?
歌手の人でも。

大瀧氏:

入口に守衛さんに毎日止められるしね(笑)
「あんた誰?」ってね(笑)

でも、皆さん会ってもね、誰なのかって、このオジサンは?みたいな感じで。
娘どころじゃないですからね。もう今の人達は。


達郎氏:

孫ですね。

大瀧氏:

そのへんの人達ばっかりだから(笑)
ま、いいんじゃないですか。
ディランも自分のコンサートで止められたって話もありますから。
ま、そういう時代ですよ。

達郎氏:

ひとのライブに行って歌うとか、そういうの無かったんですか?

大瀧氏:

だって、誰も呼んでくれないもん。

達郎氏:

ダハハハハ(笑)

大瀧氏:

それ、目立っちゃって、マズイでしょ。
それは、ちょっと止めた方がいいと思う。俺は。

呼びたいっていう人が居たら「止めた方がいいよ」って僕は言うと思うよ(笑)

達郎氏:

僕、次のライブ、なんか、「はっぴいえんど」か大瀧さんの曲、やりたいんですけどね。

大瀧氏:

やって下さいよ。
何やるの?

達郎氏:

『12月の雨の日』がいいかなって、思ってるんですけど。

大瀧氏:

はーん。
『君は天然色』をDのキーで歌ってよ!
カラオケの時、歌ってじゃない。

達郎氏:

歌ってましたね(笑)
『君は天然色』、だってライブで再現するのが大変ですよ。

大瀧氏:

何を言うんだ!

達郎氏:

だいたいこれ、アナログじゃなきゃ、グワシができないし。

大瀧氏:

まあね。
聴いてるのは、皆、歌なんだからさ、いいじゃないの!
アカペラで歌ったら?(笑)

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

だってさ、Dのキーでちゃんと歌えるっていったら、あぁた位しか居ないだもん。

達郎氏:

ロンバケで何か一曲やれって言ったら『カナリア諸島にて』だなぁ

大瀧氏:

えぇ、そこできよっちゃ、まずいっしょ。

達郎氏:

曲が好きなんだもん

大瀧氏:

『君は天然色』カラオケで歌ってたの聴いたよ。
合ってたよ。

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

あの時、サビ一音上げたら歌えるのになぁって思ったんだけどねぇ。

達郎氏:

声質が似てるから、しょうがない。
うちのおふくろが、今でも間違えて。

大瀧氏:

家のおふくろも間違えてたからね(笑)
お互いに(笑)

達郎氏:

最近は回転落とすと女房に似るなんて、いろんな事いう人がいて。

大瀧氏:

いいね、それね(笑)

達郎氏:

知りませんよ、そんな事(笑)
誰だって似るでしょ。

大瀧氏:

回転落とすと女房に似るって何それ(笑)

達郎氏:

そういうのがあるんですよ。
「クリスマスイブ」の回転落とすとね竹内まりやの声になるって。

大瀧氏:

あぁ、そうなの?
昔何か、あのタモリさんか?
男の声が女になって。
女の声が男になる、どっちだっけ?

なるんだ。

達郎氏:

知りませんよ、そんなの。

大瀧氏:

なるだろうな。
長い間、一緒に居るからね

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

同居のパーセンテージは親よりも長いもんね。

達郎氏:

確かにね。

大瀧氏:

ま、居たら似てくるよ、それは。

達郎氏:

この年になると、だって細野さんと大瀧さんが一緒に会った時間と、僕が大瀧さんと一緒にいた時間と、たいして数年しか違わないから。

大瀧氏:

実質全部突き詰めたら、一年無いと思うね。

達郎氏:

だから、そういう経年考えると、もう歳をとると・・・

大瀧氏:

毎年必ず一年会ってるって、あなただけだね。

達郎氏:

そうですか?

大瀧氏:

もう73年以後、だと思いますよ。
80年か79年に一回会わなかった年かなんか一年くらいあったか無いか。

達郎氏:

いや、会ってます。

大瀧氏:

スタジオで会ったりとか。

達郎氏:

萩原健太の番組とか。そういうので。

大瀧氏:

でもRIDE ON TIMEの年は一番忙しかったからね。

達郎氏:

そうですね。
RIDE ON TIMEの年って、一回大瀧さん家に伺った記憶がありますよ。

大瀧氏:

80年ですか?
へぇ~

達郎氏:

そういう記憶が・・・

大瀧氏:

西武球場見に行きましたよ。

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

芸能レポーターに追いかけられたっていうんで、時代だなって。

達郎氏:

まだ、20代ですもん、だって!

大瀧氏:

フフフフ(笑)

達郎氏:

もうだから、アレですよ。
新春放談も26回、84年の1月が最初ですから。
四半世紀越えましたからね!

大瀧氏:

ついにね。

達郎氏:

歳ですねぇ!
まさか、そんなにやってるとは、思わなかったでしょ(笑)

大瀧氏:

でも、あぁた、ほら、第一線でずっと御活躍だから。
こういう事もあるんですよ。

達郎氏:

いえいえ・・・

大瀧氏:

で、あぁたは、そういう第一線で活躍してくれるので、僕は何にもしなくて音楽業界からキッパリ足を洗って、悠々自適に暮らせると!

それが有り難い。

達郎氏:

毎回同じ事を仰ってますがね(笑)

大瀧氏:

非常にありがたい!
感謝してますよ(笑)
ほんとに!
じゃんじゃん頑張ってください。

達郎氏:

フフフフ(笑)

大瀧氏:

陰ながら応援してますよ。

達郎氏:

それ、ちょっと上から目線じゃないですか!(笑)

大瀧氏:

何ですか(笑)
陰ながら上からですか(笑)
フフフフ(笑)

◎ エンディング

達郎氏:

お送りして参りました山下達郎サンデーソングブック。
先週に引き続きまして、大瀧詠一さんゲストにお正月恒例、新春放談パート2でございました。

そういう訳で、今年は3月21日、「ロング・バケイション」30周年記念バージョン、そして待望の「ナイアガラCDブック」の発売でございます。

特に「レッツ・オンド・アゲイン」、そういうリマスターで初CD化、久々のリマスターのCD化でございます。
一生懸命聴きたいと思っております。

そういう訳で山下達郎サンデーソングブック、2011年も何卒宜しくお願い申し上げます。

ここんとこ、ほんとに忙しくてですね、纏まった事ができませんでしたが、今年入りましたら、纏まった特集などをしてみたいと思っておりますが、まだレコーディングが続いておりますので、来週は棚からひとつかみで攻めてみたいと思います。

リクエストカードもたくさん溜まっておりますので、いろいろお便り紹介しつつ、今年も宜しく。

というわけで山下達郎ジャックスカード、サンデーソングブック来週もセイム・タイム、セイム・チャンネルで皆さんごきげんよう。
さよなら。


今週のオンエア曲

14:09 恋するカレン【カラオケ】(A LONG VACATION/2011 Remaster) / 大瀧詠一
14:15 君は天然色 (A LONG VACATION/2011 Remaster) / 大瀧詠一
14:22 砂の女 / 鈴木茂
14:29 抱きしめたい/ はっぴいえんど
14:46 カナリア諸島にて (A LONG VACATION/2011 Remaster)/ 大瀧詠一







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テーマ : FMラジオ - ジャンル : テレビ・ラジオ

DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
みなさん、新年明けましておめでとうございます。

長崎は年末の大雪で12月の積雪記録を更新し平地で10cm、我が付近の山間部は30cmくらい積りました。
各地の豪雪の影響や被害が報道されていましたが、被害に遭われた方、心からお見舞い申し上げます。
2日に長崎の諏訪神社へ行き、日ごろの感謝とお願い事をしてまいりました。

諏訪神社


さて、サンデーソングブックの新春恒例「新春放談 ゲスト大瀧詠一」。
お二人の会話をちょっと纏めて、テキストにしてみました。

大瀧詠一さんも、ついにiphoneですか・・・。
カーオーディオ聞くにも、拘りがあるんですね。

という事で、誤字脱字はご容赦のほどを。

◎ 冒頭

達郎氏:

皆さん、新年あけましておめでとうございます。
山下達郎です。

私、山下達郎が毎週日曜日、午後2時からお届け致しておりますジャックスカード・サンデーソングブック。
えぇ、お陰さまで今年もつつがなく年を越しまして、新年のご挨拶をさせて頂くことができております。

今年はいよいよ、このサンデーソングブック20周年を迎える事になります。
今年の年末に1000回という、一つの区切りがございます。
これもひとえに、リスナーの皆さまのご愛顧の賜物と厚く厚く御礼を申し上げます。

サンデーソングブック、今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、今年は1月、三が日のど真ん中でございます。
正月気分、真っただ中の中のサンデーソングブックでございます。

いろいろと内外の情勢、大変でございます。
お家でお過ごしの皆さま、海外へお出かけの皆さま、そういう方はリアルタイムでお聴きになれませんのでアレですが。

お正月、様々なシチェーションでお過ごしの方、たくさんいらっしゃると思います。
どうぞ、ゆっくりお正月をお過ごしいただきまして、また一生懸命英気を養われてお仕事に向かわれるよう、お祈り申し上げております。

今年も何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、サンデーソングブック。
毎年、新春は、もうすっかりお馴染になりました。
新春恒例、大滝詠一さんをゲストに『新春放談』でございます。

この新春放談も、むか~しから続けておりましてですね、このサンデーソングブックは皆勤でございますが、その前からずっとやっておりますが、今年で26年目。
四半世紀を過ぎてしまいました。

まさか、26年も続けているとは夢にも思いませんでしたが。

大滝詠一 さん、なかなか最近は表に出られなくなりました。
この私のサンデーソングブックの新春放談、ファンの方、楽しみにしてらっしゃる方、たくさんいらっしゃると思います。

えぇ、今年はロングバケーションが30周年でございます。
ロングバケーションの30th Anniversary、30周年記念バージョン。

それから、ナイアガラのCDブック。
シュガーベイブの「SONGS」から始まりまして、81年の「ロングバケーション」までですね、纏めたCDブック、3月21日に発売でございます。
そういうようなお話を含めまして、またこの一年間の大瀧さんの道楽について、いろいろと伺って参りたいと思います!

◎”万止むを得ず”iPhone

達郎氏:

ああいうコンピュータくらい、資産が、何ていうのかな、継承しないっていうんですか?
伝統が継承できないっていいましょうかねぇ
ああいうメディアもちょっと珍しいですよね。

デジカメだって、一応こうシャッターを押してね、そういう絞りがあってとか、そういう機能が、基本的機能は継続されるけど。

そういう基本的な、要するにキー配置とか、あんまり良い言葉選べないけど、そういうようなモノまで、どんどん変わっていったじゃないですか。

20年くらいでね。
ああいうの、珍しいなって。

ソフトも、もう全く、結局5年経ったら完全にもう無いのも同然ですし。

大瀧氏:

まぁねぇ。
もう使えないもんね、昔の。

達郎氏:

5年経ったら、鉄屑っていう・・・

大瀧氏:

あっという間だよね。

一年前でも、そろそろ危ない感じする。

達郎氏:

そうですよね。
ギターは、今でも、だって奏法は変わらない訳だから。

そういうものがね・・・
シンセはもう、要するに5年たったらもう使えなくなっちゃう。

大瀧氏:

そっちはね・・・・

で、どっかにピークっていうのか、だいたいこの辺だろうっていう落とし所って、何かあるんだよね、普通。

達郎氏:

うん

大瀧氏:

ジャンルには。
オーディオとかアナログオーディオとかさ・・・

達郎氏:

オーディオどうしてます?最近。
アナログのプレーヤーで、アナログのアンプで、相変わらずでしょ?

大瀧氏:

うん。
デジタル通して。

達郎氏:

デジタル通してやってるんですか?
それは、どいいう具合にデジタル通すんですか?

大瀧氏:

AD-DA

達郎氏:

ですか。はーん。

大瀧氏:

AD-DAを通して聴いてますね。
ファイル化しなきゃいけないので。

達郎氏:

CDとかどうしてます?

大瀧氏:

CDもDAを使ってアナログで、DA-AD-DA。


達郎氏:

iPodとか、そういうの使ってるんですか?

大瀧氏:

iPodはね、自慢じゃないけれど、だからさっきも言ったように、その後発のように簡単に手を染めるというのは、どうもアレなので。

ずっと、あのぉ~、ウォークマン以来、SONY製品をずっと愛用してきて、いたんだけれども

達郎氏:

ククク(笑)

大瀧氏:

万止むを得ず、


達郎氏:

今年のキーワードは”万止むを得ず”なの(笑)

大瀧氏:

”万止むを得ず”なの。
世代交代ということもある。
それもまた、”万止むを得ず”というところがあるので、
で、iphoneなるものを、ついに購入したのですよ。

達郎氏:

なるほど!

大瀧氏:

非常に情けない(笑)
忸怩たる思いがあるんだよ、自分としては。

達郎氏:

よく判りますね(笑)

大瀧氏:

判るでしょ(笑)
で、そこの中にiPodなるものが、入っているので、それは使っておりますよ(笑)

達郎氏:

フフフ(笑)

最近は、ほらiPodからDACとかに入れて高音質化を図るとかね(笑)

大瀧氏:

ね、ネットオーディオと称してね。
で、JSDとかネットで配信して云々カンヌンとか、いう事と言ってるみたいですけど。


達郎氏:

松・竹・梅を全部欲しい大瀧さんとしてはですよ、

大瀧氏:

私はね、前からやってたんだけれども、ネットラジオ。
アメリカのFMラジオを聴いていたんですけど、今回上手い具合にiphoneで上手く言ったのよ。

最初にアメリカ車を買った理由が、ま、その音が良い、と。
良いというか、自分向きだって事なんだけど。

アメリカのハワイかロスに行った時だったか、アメリカの車の中で聴いたラジオ放送の音楽のアレが、アメリカ車だと再現されるということで、ずっとアメリカ車にしてたんだけれども。

で、徐々にカセットから、カーオーディオの話ね。
カセットからCDになり、CDからDATになり、DATからデジタルオーディオになるっていう風に、徐々にマスターの精度が上がってったんだよ。

で、上がってけば、上がってくほどカーオーディオらしさが無くなっていったのよ。

達郎氏:

なるほど。
その通りだね。

大瀧氏:

それで、一時期無理やりカセットに落としたりはしたんだけど、夏、車を置いておくとテープは伸びるし(笑)
で、どうしようかって、物凄く悩んでたんですよ。

で、PDAを使って、やってたんだけど、通信回線とか途切れたりするし、音質もイマイチなので、どうしようかと思ってたところ、やっとこiphoneで、ネットラジオでアメリカのFM曲を聴いたところ、ラインアウトで。

それで、カーオーディオの中にダイレクトで入れ込んでいるんですよ。

これがね、バッチリなんですよ!

達郎氏:

今はそれで、お聴きになっている?

大瀧氏:

それで聴いてます。

それと、自分でテープを編集して聴くということが、非常につまらなくなった(笑)

達郎氏:

ハハハハ(笑)
そうでしょうね。

そのラジオを聴いてるってことは、いつ何が出てくるか判んない

大瀧氏:

全くその通り!
で、その話をしたら、シャッフルという機能がある云々って言った人もいたけれども、それはダメだって。

達郎氏:

全然違いますよね。

大瀧氏:

自分の中のシャッフルだから、予想外ってことが無いよね。

達郎氏:

ですよね。

大瀧氏:

よーく考えてみると、自分の予想外っていうものに、自分が大きく反応するという人生であった事に気づいて。
やっぱり、どこかの人がプレゼンテーションしてくれるラジオ放送がすごく楽しくて。

達郎氏:

それによって、新しい知識とか刺激がね、常に循環しくわけじゃないですか、話の展開で、いきなり話が飛んで、それが新しい刺激っていうかね

大瀧氏:

全く

達郎氏:

そういうのが、マイテープっていう名のもとに、少なくなっていく

大瀧氏:

マイテープだとループするんですよ、考え方も。気分も。

達郎氏:

よく判りますね(笑)

大瀧氏:

ループすると退屈なんですよ。
飽きるっていうのは、結局ループに陥った時なんだと思うんだよね。

いかにしてループから出るかっていうのは、なかなか、自分でシャッフルしても、それはやっぱりね、自分の中のループから出るだけだから、やっぱりね、予想外のループにはならないだね。

達郎氏:

自分が持ってる100枚のアルバムでは、絶対それから越えられないですね。

大瀧氏:

越えられない。
普段聴かないアルバムの曲だとか、知らない曲とか。
同じ曲でも、シチュエーションによってグッとくる時がある訳なんですよねぇ

達郎氏:

家のレコード棚からは、もう「Be My Baby」は出しませんもんね(笑)
ラジオから出て来ると聴くんですよね、ちゃんと終わりまでね。

大瀧氏:

家で聴いても聞かないしね。
第一ね、出しゃしないんだから、判り切ったものは。

◎アナログ、デジタル、MP3

達郎氏:

アナログLP、シングル聴く時はデジタル通して聴いてるんですか?

大瀧氏:

もう全部聴いてますよ。
もちろん、フォノにして、レベルを上げればフォノでも聴けるようになってるんです。

なんだけど、プリメインでレコード再生した、そのアウトを卓に一回たちあげて、ゼロ振らして、VUで振らしたそのアウトをAD-DAするっていう。

その間に2Db上げるか、上げないかどうかで、ちょっと・・・

達郎氏:

要するに近代的な音と古い音を・・・

大瀧氏:

これが、ナイアガラ流で超ビンテージと超新しいものと、両方使うという事を長い間やってきたような気が・・・・。

達郎氏:

そういう人、大変ですもんね!

大瀧氏:

フフフフ(笑)

達郎氏:

SPとCDと・・・・

大瀧氏:

さっき、ネットラジオの話、アメリカのFM局の話。
ODチャンネルを聴いてると基本的には50年代、60年、70年、80年・・・んん、まぁ80年代くらいまでなのよね。
一番新しくてビリージョエルなのよ。

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

”新しいところで鶴田浩二”って言う人がね、いるじゃないですか(笑)
で~、アレなんだよ!もはや。

なんだけど、50年、60年、70年。
ま、80年。

全部音が違うからね!

で、これを、今のFMのデジタルでやって、リミッターかけたり、色んな事やって、その中に入れると50年、60年、70年、80年の40年間が、だいたいレベルが平均的に聴こえるっていうのは、まさにこれ、デジタル時代だからこそできたんだよ!

達郎氏:

そうですね。

大瀧氏:

これ、アナログだと、こうは行かない。

達郎氏:

絶対無理ですよ!

大瀧氏:

50年は50年に引っ張られるし、70年は70年に引っ張られたのよ。
今は、だいたいツライチで合うっていうかさ。

そうすると、50年の楽曲も、80年の楽曲も、だいたい平均的に並列で聴けるんだね、これが!

達郎氏:

そうですね。
ん。

大瀧氏:

これが、新しい価値観っていうか、このへん、でも言ってた話なんだけどね。
縦軸のものが横軸になって、今の人が50年の、何十年前のものも並列的にピックアップできるようになるんだっていうようなものを、あの時に縦のものが横になるみたいな、曖昧な表現を使ったんだけども。

達郎氏:

それは、ほんとじゃないっていう人が沢山いますからね。

大瀧氏:

今のラジオは聴いて、そこに大きく、グシャッと入れて、それを平準化することによって、曲が持っている真のものかなんかを単純比較できるっていう。

これは新しい価値観じゃないかな。

達郎氏:

ラジオってほら、フルボリュームで聴くってことが、あまり無いじゃないですか。
例えば、商店でラジオかけながら仕事してる人、オフィスでラジオかけながら仕事してる人って大音響で聴かないから。

そうすると、例えば50年代のものも90年代のものに敵うわけが無いのでね。

僕、だからその、よくこの番組で最初言ってたんだけど、最初にこの番組が日曜日の午後2時に移ってきた時に、前がキムタクで後ろがドリカムだったんですよ。

彼らは新譜オンリーなんですよ。

大瀧氏:

なるほど。

達郎氏:

ここで、エディ・コクラン(Eddie Cochran)かけると・・・
それで悩んじゃって。

それから、いわゆるアメリカ的なリマスタリングのアレでやってきたんです。
でもそれのお陰で、リマスタリングっていうものにね、意識が向いてきて、それで勉強できたんですね。

大瀧氏:

なるほどね。

達郎氏:

だから、無駄なものが無くて、前後が新譜だから、すごく良かった。
それをやる事によって、チャックベリーの凄く、そのSPでもキチッと音圧があって出来るようになったでしょ。

大瀧氏:

一番いいのはねBill Haleyなんだよ。

達郎氏:

ほう~

大瀧氏:

で、大体ね(笑)
FM曲の聴いて今の日本の仕様がどうなってるか判んないけども、圧縮してMP3のフォーマットにしてる訳ですよね。

回線の問題とか、いろんな事があって。

で、普通の音をMP3にすると、途中が抜けてる音な訳ですよ。
オリジナルの音よりも。

極端な事言うと、ハイとミッドとローと。
この3ポイントが、ポン・ポン・ポンと聴けると。
で、割合ミッドがグッと出るっていうような音作りになってる訳ですよ、MP3は。

これがねBill Haleyの音にちょうど・・・・
Bill Haleyってウッドの”♪ボン、ボン、ボン”って下の音とウッドのアタックと歌と、シンバルみたいな、あとギターの上のハイの音。

上中下しか無い音なのよ。

それが、結果的にMP3にした時に、一番グーンと前に出てくるのは、今の音なんかより、スッゴイ良い音なんだよ!Bill Haleyは。

達郎氏:

判る!

大瀧氏:

これが笑ったね!
ウフフフフフ(笑)


◎ ロケ地巡り

大瀧氏:

最初にやって、皆がやり出したら止めるっていうのが、今までのパターンのような気がするんですけどね。

達郎氏:

ところで、そのコンピューターの話っていうか、そういう話に終始しましたけど、一頃のあの苔とか、そういう全く関係無い新しい興味がある対象っていうか、趣味の対象とか、そういうのは最近はないんですか?

大瀧氏:

ああいうパターンだね。
3年くらいで終わるだろうってのは、自転車くらいのものかな(笑)

達郎氏:

自転車!

大瀧氏:

自転車で散歩するとかね。

達郎氏:

自転車のハード自体に拘ってるんですか?

大瀧氏:

たいした事無いけど、組立の・・・・

達郎氏:

忌野清志郎さんが結構・・・

大瀧氏:

あの人は本格的だもん

達郎氏:

そういうヘルメットかぶったり

大瀧氏:

ここからね、例えば北海道行くとか、九州行くとか、全然、全然。
家のまわりグルッと回ってくるだけだから。

達郎氏:

自転車にしようと思ったのはどうしてなんですか?

大瀧氏:

うーんとね、アレなんですよ。
あの、ロケ地巡り。

達郎氏:

ハハハハハハハ(笑)

大瀧氏:

歩いてるとほんとに疲れるのよ。

達郎氏:

ほう

大瀧氏:

それと、昔の風景と今の風景は違っているので、なかなか以前は通れた道が通れないとか、そういうこ事もあるので、歩いてるとほんとに大変。

達郎氏:

その後引き続き、ロケ地巡りはやってらっしゃるんですか?

大瀧氏:

やってますよ!
で、ニューメンバーが5、6人増えました。

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

去年の夏の熱い時分に5,6人引き連れてツアーやりましたね。

達郎氏:

作家中心で行くんですか?
それとも、場所で何か、という

大瀧氏:

作品と場所ですかね。
たまたま、そういうとこに巡り合ったっていう。

達郎氏:

この次はどうしようかとか、そういう

大瀧氏:

去年の暮にやったのは小津安二郎の「長屋紳士録」の東京ロケ地の全貌を!

達郎氏:

ハハハハハ(笑)

大瀧氏:

東京ロケ地の全貌をやってる人ってのは、いなくてね。

達郎氏:

「長屋紳士録」ってのはオールロケなんですか?

大瀧氏:

オールロケです。
あのぉ”長屋”以外はね。
長屋はもちろん、セットです。

達郎氏:

表で録ってるのはロケなんですか?

大瀧氏:

ロケなんです。
で、そのロケ地を全部、全市、解明したんです。

達郎氏:

それ、どこかに書かれてたんですか?

大瀧氏:

「長屋紳士録」見た?

達郎氏:

ええ勿論。

大瀧氏:

子供が寝しょんべん布団を干すでしょ。
あそこね、一個づつ違うんだよ。場所。

達郎氏:

そういう事調べてる人っていないんだ。

大瀧氏:

僕が探した時はいなかったなぁ

達郎氏:

それって、どこかの文書に出てるんですか?
大瀧さんのリサーチ。

大瀧氏:

自分で作っただけだよ。
版権があるから、公にできないのよ!

自分で作ったから。

達郎氏:

だって、このあいだDVD、小学館かなんかでサイレント1本、東京物語なんかくっついてみたいなヤツ、10作出て、なんか解説付きとか書いてあったけど、ああいうとこで、そういうの出しゃいいのにね、

大瀧氏:

そいで、助監督が寝ションベン布団を持って歩いたんだよ(笑)
判んないように作ってあるわけ。

達郎氏:

なんで、一個一個違えなきゃいけないんですか?
小津さんの美学・・・・

大瀧氏:

結論的には、あの時にまだ、廃墟というか空襲の跡が随分残ってるんですよ。
あの時期は。

で、場所をね、転々とすることによって、結局築地のあたりから始まるんだけど、宝町、茅場町、八丁堀っていうふうに、八丁堀、茅場町っていうふうに、そういうふうに全部・・・・

でね、次々移してんのよ、場所を。
ションベン布団があるので、同じように見えちゃうんだけど、どれがトリックな訳。

で、広範囲に茅場町は随分、空襲の跡が酷かったので、で、それをションベン布団の場所を移し換えることによって空襲の酷さが残っている残骸とかいうのを、ところどころで全部・・・

達郎氏:

狙う訳ね!

大瀧氏:

おそらく、そうじゃないかなぁと。

達郎氏:

そういう場所が違うって事がどうして判ったんですか
そういう資料があるんですか?

大瀧氏:

ない、自分で。
成瀬のをやったみたいに、小津安二郎もやたんだよ。

歩いてじゃ無いよ!

達郎氏:

自転車で?

大瀧氏:

自分で。
いやいや、その画像を見て。

画像解析!

達郎氏:

へぇ

大瀧氏:

で、それを当時助手の川又昂さんという人に見てもらったの。
研究発表。
これはすごい発見だって。

達郎氏:

それ、どれくらい、かかりました?

大瀧氏:

これは早かったね、一か月かかんなかったね。
二十日間くらいかな。

達郎氏:

毎日行ったんですか?
毎日歩いたんですか?

大瀧氏:

現場は全部解明してから。
現場行かずに。

でもだいたい成瀬巳喜男やったときに、あの近辺は大体歩いているので、

達郎氏:

成瀬さんのあたりから解釈できるレベルになってきたんですか?

大瀧氏:

できたんだけど、結構、高級(笑)。

成瀬さんが素直だから、小津さんみたいに、例えばションベン布団をトリックに使って場所を映してっていうような事はやらない。

成瀬さんは必ず新富橋なら新富橋の四方から映すとか。
ほんとに丁寧に、ドキュメンタリーのようなアングルで見せてくれるわけ。

達郎氏:

それってアレですよね。
例えば、Aメロとサビでギター替えるような。

大瀧氏:

ま、仰るとおり。
そういう事をやる人とやらない人、
そのままやる人と・・・

小津さんと成瀬さんは似てるようで全く違っていて。

なんで判ったかっていうと、その時にね、そこの現場に居る小津さんになるのよ。自分が。

達郎氏:

ふふふふ(笑)

大瀧氏:

憑依って言ってしまえば、ちょっと大げさだけど。
成瀬さんの時に「銀座化粧」のロケ地を解明したときの最終ポイントは、”もはや成瀬は自分である”っていう・・・

達郎氏:

同化するわけですね

大瀧氏:

同化するわけ。

そうすると、成瀬さんがそこで、どういうふうな事を狙って、どういう風なことを撮ったか、どうやったかっていうような事を考えるってことは、もう自分だから!

僕がどう考えるかが、イコール成瀬がどう考えたかっていうような事、
その手法を今度小津さんでやってみたら、上手い具合に・・・

達郎氏:

布団が実は主役で無いわけだ。

大瀧氏:

だから、あれがトリックなのよ。

達郎氏:

ふぁ~

大瀧氏:

だから皆、布団のほうに行くから。
同じ場所で切り替えしたりしても同じ場所だっていうふうに思うんだけど、場所変えてるのよ。

それは、なかなか味のある・・・・

達郎氏:

転んでもタダで起きないって、凄いですね。

大瀧氏:

凄かったよ!
最初ね、出だしがね、暗闇なのよ。

次が朝のシーンになるわけ。
だから、明け方だと思うんだよ。

達郎氏:

十何年みてないから!

大瀧氏:

最初、真っ暗で始まるのよ。
2ショットなのよ。
二つのシーンがあるのよ。AとB。

で、次朝なのよ。
だから、あれは明け方だと思うんだよね。

ところが、当時照明なんか無いから、助手の川又さんの話では当時照明、ジェネレータなんて持って歩けないから。
夕暮れのギリギリの暗くなるうちに、狙ったっていうんだよ(笑)。

あれが、暗くなる寸前なのよ。
ところが、そのシーンのあとに明け方のシーンがドーンとくるから、自分の記憶の中で、あれは夜明けなんだっていう風に記憶を自分の中に作るんだろうね、きっとね。

達郎氏:

なるほど。
要するに、夕日のシーンを朝日で録る人っていますからね。

大瀧氏:

いるよね。

達郎氏:

変な話ですけど、ライド・オン・タイムって、あれ、夕日なんですよ。
あのサイパンで撮ったやつ。

大瀧氏:

ヘヘヘヘ(笑)
あれね。

達郎氏:

何故かというと、東側がマリアナ海溝だから。撮れないですよ。
砂浜ないから。

だから、あれ騙して夕日を朝日といって(笑)

大瀧氏:

ジャケットね(笑)

達郎氏:

(笑)

大瀧氏:

そいで、暗闇がね2シーンなんだけど、それがね、切り返しだったのよ。
暗闇なのに。

同じ家の東側と西側っていう、真っ黒なんだけどさ、同じ場所で切り返さなくてもいいと思うんだけど、そういうような事を真っ暗でやるんだね。

達郎氏:

それは小津さんの意図なんですかね。
厚田さんの・・・

大瀧氏:

全部小津さん。
厚田さんは鉄道マニアだったらしくて鉄道に関するものは厚田さんの意見がかなりあって・・・
ガードの下からねらうとか、ああいうものは厚田さんだと思うんだけど。

例えばだから、どう切り返すとかカメラアングルとか何かは100%小津さん。

達郎氏:

へぇ~

大瀧氏:

とにかく面白んだよ。
街灯があったりね、丸の内になさそうな街灯を置いてあったりするだけど、それもね、僕は持って歩いたって推測したわけ。

何故わかったっていうと、他の映画見てたら無いんだよ。そこの場所に街灯が。
ましてや丸の内に、あんなに古臭い街灯があるはずがないと思って、これはおそらく持って歩いたなって。

他の小津さんの観たら、あちこちに使ってんのよ!

達郎氏:

マイ・街灯(笑)

大瀧氏:

で、香川さんに聞いたら、常に違う種類の3種類くらいの街灯を持って歩いてたっていう話でね。
やっぱり、そういう事してた人なんだなって

達郎氏:

変わってるんですね・・・


◎ これが最後のリマスター

達郎氏:

僕は去年の新春放談の時に、ロンバケが今年だって伺ってましたけど、まさかCDブックが、こんなに出るとは・・・

大瀧氏:

一気に!

達郎氏:

ええ。
あの時は、そんな事仰って無かったじゃないですか。
SONGSまで含めて・・・・これ全部入るんですか?

大瀧氏:

全部入るんですよ。

達郎氏:

ロンバケも入るんですか?

大瀧氏:

ロンバケは別。
CDブック1。

ロンバケはCDブック2のほうに入る事になっております。

達郎氏:

1、2、3、4・・・・

大瀧氏:

随分多いんですよ。枚数。

達郎氏:

12枚組み?

大瀧氏:

12枚組です。

達郎氏:

Amazonで予約とってますけど、カレンダー付きと”無し”っていう・・・

大瀧氏:

そんなの、あんの?

達郎氏:

ええ。
ジャケットサイズの特製カレンダー?
これ付きと・・・ありなし、値段いくらか変わるんですか?

大瀧氏:

変わるの?

同じですよ。
そんな事しませんよ、ナイアガラは。
面倒くさいこと。


達郎氏:

”あり””なし”ってあって・・・・

大瀧氏:

見たことないから・・・
買おうかしら(笑)

達郎氏:

フフフ(笑)
一応、僕予約してあるので。

大瀧氏:

あぁた、あげますから。
音は、何も印刷してないのが一番いいんですから!

達郎氏:

これ、いつから企画になってるんですか?

大瀧氏:

81年にロングバケーションが出た時に、AH1234っていうので、81年の3月21日に出た時に、4月にナイアガラCDブックのレコードを、あれがCDボックスが出たので。

それと同じようにしようと、いう風に思って。
前から考えていたんですけど。

達郎氏:

つーことは、これ、アレですね。
ロンバケとイーチタイム以外は全作品。

で、僕まだこれ白盤しか頂いていないので、コンテンツがね、内容が・・・

大瀧氏:

オリジナル準拠
ノー・ボーナス。

達郎氏:

あ、そうですか。

大瀧氏:

全部オリジナル

達郎氏:

ってことは、ファースト・ミックスという事ですね?

大瀧氏:

そうです。
そうです。

全部オリジナルのものを全部。
ノ―ボーナス。

僕がね、ボーナスを付けるっていうのはCMスペシャルあたりから始めてると思うんですけども、いよいよボーナス付けるのは飽きました。

達郎氏:

なるほど、ハハハハハ(笑)

大瀧氏:

で、結局長い間、100年、200年このアルバムが生きるかどうかは別にしても、長い間聴いてるとオリジナルのままっていうのが、結局一番いいのではないかっていう結論に・・・

達郎氏:

B面のラストで終わるというのは重要なんですよ

大瀧氏:

やっぱり、僕はそこが大きいと思って。

達郎氏:

あとに何か出てくるっていうのは・・・

大瀧氏:

なんかそこでね、繰り返そうっていう気分を削いでいるいるのではないか・・・・
という気がして。

達郎氏:

装丁はこのような・・・

大瀧氏:

全く同じで、分厚くなるっていう事なんじゃないですかね。

達郎氏:

紙の質とか、こういう固い感じなんですか?

大瀧氏:

そうなるんじゃないですか・

達郎氏:

コンセプトは同じ感じで。

大瀧氏:

そうですね。

達郎氏:

解説書とかは、どうなんですか?
その頃の・・・

大瀧氏:

オリジナルのまま。

達郎氏:

全く、これの中身と同じなんですね。

大瀧氏:

完璧に同じで、その時代に出たものを、そのままリストアしたという。

達郎氏:

で、リマスターは去年やられた。

大瀧氏:

今回、あらたにやりました。

達郎氏:

っていう事はブラックブックの入ってるヤツも一緒に・・・

大瀧氏:

ブラックブックの時は、マスタリングを変な形にしたので、エコーかけたりとかね。
初になると思いますけど・・・

達郎氏:

マスタリング、結構時間かかったでしょ。

大瀧氏:

9月から。
週に2回。
毎週。

達郎氏:

どこでなさったのですか?

大瀧氏:

SONYの。
9月からね、毎週2回スタジオに通いましたよ。

達郎氏:

オリジナル・アナログテープから・・・・

大瀧氏:

全部アナログテープのものもあるし、ものによっては、一応30に落としたものをマスタリングに使ったものもあります。

達郎氏:

という詳しいデータとか、どこかにあるんですか?

大瀧氏:

コレクターズを読んで頂けると

達郎氏:

レコード・コレクターズですね。

大瀧氏:

そこで語ることに・・・・
あるいは、サウンド・レコーディング・マガジンとか、そういうもので、もしインタビューさせてもらえるなら、細かいデータを出そうと思ってます。

達郎氏:

ロンバケが3/21なので、これも3/21なんですか?

大瀧氏:

同時に、ついでなんで。
ほんとは4/1っていうふうにね、日にちも分けると、ちょうど30年前と同じ事になるんですけど。
面倒なんで。

達郎氏:

CDブックとブラックブックは再発の声が高かったからですね。

大瀧氏:

長らくストリングスアレンジャーの山下さんが、長く、たいへん長らくお待たせいたしました、っていう感じで、ようやくナイアガラ初期における山下達郎君のストリングスアレンジの作品がですね、初めて全貌が明らかになる!

達郎氏:

全貌だって(笑)

大瀧氏:

アレンジャーから随分、後ろの方からプレッシャーを受けておりましたが、時期を待って頂いただけで、意地悪した訳ではございません。

達郎氏:

忘れもしない、あのクリスマス音頭のストリングス(笑)
それは凄かったなぁ

だいたい、あのコーダの転調は延々続くのはあれだけで、スコア9枚とかね、なってましたからね(笑)
凄かったですね、あれ(笑)

大瀧氏:

”雪を蹴り”が入るのね。
あの絶妙なアレンジ!
フフフ(笑)

達郎氏:

今なら、シベリウス(Sibelius:譜面作成ソフト)なんかでパッパッとやれば、すぐ変わるんでしょうけどね。

大瀧氏:

なるほどね、転調はね。

達郎氏:

あの頃、全部手書きでしたからね(笑)

大瀧氏:

すごいよね・・・・

達郎氏:

おかしかったですね。
でも、ある意味では音頭の時のアレよりも、カレンダーの時のほうが労働量が多いっていうか。
曲調がものすごく・・・

大瀧氏:

バレンタインもやってたし。
あの頃ね、随分ストリングスアレンジ、ピアノアレンジを随分やって、カレンダー大活躍でしたよ、ストリングスアレンジ。
”青空のように”もそうだし。

達郎氏:

オリジナルマスターなんだ!

大瀧氏:

オリジナルに準拠して。
これが最後のリマスターです。
もうやめます。

で、将来的に例えばね50周年とか100周年とか将来的にある時も、このマスターを使ってやることにしまして。
これ以上は、僕はリマスターはやりません。

達郎氏:

専門的なアレですけど、これDDPマスターなんですか?

大瀧氏:

DDPマスターです。

達郎氏:

これでファイナルなわけですね。

大瀧氏:

ファイナルです。
だから、それをハードディスクが壊れないうちに延々コピーされていくっていうふうな事に将来的には・・・
100年、200年、1000年のタームでいけば、そういう事になるかな。

達郎氏:

ノンリニアのデータだから結局それで互換性がハードのほうで、とらなくても、ソフトのほうであれば、何とかなりますよね。

大瀧氏:

例えば、アナログで出して、いろんな手法が変わっていくとしても、それを何とかいじるって事になるんじゃないんですかね、将来的にもし何か変われば。

◎ リンゴスターも必要なんだね

達郎氏:

ま、他の番組にいきますと「どうして新譜を出さないんですか」とかそういう質問になりますからね。

大瀧氏:

最近はね、さすがに教育効果が表れて、もう言う人はね、日本中で3人くらいしかいない!

達郎氏:

まだ、3人いるんですか?

大瀧氏:

それがね、真田の残党みたいに、どこかで作ってるっていう噂を聴いたね。
期待を断ちきれないんだね。
岸壁の母だね。

かわいいって言えばかわいいけどね。

達郎氏:

カラオケ屋さんとかいかないでしょ?

大瀧氏:

いかないねぇ
君と一緒に行って以来だよ。

達郎氏:

家で声出して唄うことは無いんですか?

大瀧氏:

ない!

達郎氏:

唄わないのは、もったいないなぁって気がするな、僕。

大瀧氏:

声出ないもの。

達郎氏:

ヘヘヘ(笑)
それは嘘だ!

だって、大瀧さん、いわゆるバリバリのテノールじゃないから、どっちかというとバリトン系だから、全然大丈夫ですよ。

大瀧氏:

普通に歌ったら、鼻歌って言われちゃうしね(笑)

達郎氏:

フフフフ(笑)
だって、もともと、どっちかっていったらクルーナータイプの曲が多いから

大瀧氏:

唄いたいって欲求が起きないだよね。
あなたと丸っきり正反対だね!

朝から晩まで唄いたい人でしょ?
僕ね、朝から晩まで黙っていても平気なんだよね。

達郎氏:

(笑)仰りたいことは良く判ります。
もう、だって、アレですよ。
大瀧さんと初めて会って37年ですからね。

大瀧氏:

今年ね、平成23年なんだよ。
で、僕の歳なんだな。
昭和23年生まれだから。

昭和23年から平成23年まで行きたわけよ。
一応事実を述べただけなんだけど(笑)

まさかこういう歳が来るとは思わなかったね。

達郎氏:

じゃ、昭和23年から平成23年まで63年たってる訳ですね。

大瀧氏:

そうなんだね。
振りかえると、そういう事なってるらしいんだよね。

達郎氏:

僕、変な話ですけど、ペリーが黒船で来たのが1853年なんですね。
で、僕1953年生まれなので、ペリーかあ100年なんですよ。

大瀧氏:

ペリーから100年の人なんだ!
あ~

変わったもんだね、日本もね。
こういう人間を輩出するなんて、ペルリも驚いているよ。

100年経つと、こういう人間が出てくるのかって。

達郎氏:

その5年前は、一体どうだったでしょうね。
結構平和だったんでしょうね、きっと。

大瀧氏:

ペリーが来る前?
う~ん。

いや、まてよ「大塩平八郎の乱」とかあるしなぁ

達郎氏:

ハハハハ(笑)

大瀧氏:

ま、いろいろあるし(笑)

達郎氏:

いろいろあるしって(笑)。

大瀧氏:

「蛮社の獄」ってペリー来てからなの?

達郎氏:

僕にそういうの聞かないでください。
明治以降しかダメですから。

大瀧氏:

あ、そうなんだ。
僕は丸っきりダメだ。

君と銀次とか、世界史とか日本史とか、ほんとに詳しかったよね。
随分ね。

ポンポンポンと出てくるんだよ。

達郎氏:

なんか3人揃うと、どんなもんでも、何とか角突き合わせて

大瀧氏:

文殊の知恵

達郎氏:

あんまり、5人6人になると、意見が変わってきて・・・

大瀧氏:

3人が一番いいね(笑)

達郎氏:

3人寄れば党派ができるって、誰か毛沢東か・・・

大瀧氏:

ウォーカーブラザースがそんな感じするね。

達郎氏:

ハハハ(笑)

大瀧氏:

3人組はね、トリオだからね。
てんぷくトリオとか、脱線トリオとか、トリオがあって、なんかどういう訳か2対1になるね。


達郎氏:

だから、トリオのグループ、3ピースのグループって長続きしないって・・

大瀧氏:

しないね。

達郎氏:

やっぱり、4人目が必要なんだね。

大瀧氏:

リンゴスターも必要なんだね、4人目(笑)

達郎氏:

中間管理職、調整役(笑)

大瀧氏:

ああいう、全体をああいうね、空気で包むような感じにする4人目がいるんだろうね、おそらくね。

達郎氏:


◎ エンディング

達郎氏:

山下達郎がお送りしてまいりましたサンデーソングブック。
新春恒例、大瀧詠一さんをゲストに新春放談。
今日はそのパート1でございます。

来週、引き続きパート2。
2週間にわたってお届けをいたします。

いつもこのサンデーソングブックの新春放談のプログラムは、いつも申し上げておりますが、話が延々続きますので、毎週お届けしております誕生日メッセージの代読は、この新春放談に関しては割愛させて頂いておりますので、何卒ご了承いただきたいと思います。

相変わらず、いろいろな濃いところが出ておりますが、来週は、またどれほど濃いのか、引き続きお楽しみ頂ければと思います。

来週も大瀧詠一さんをゲストに新春放談パート2、お楽しみに。
それでは今年も山下達郎サンデーソングブック、どうぞ宜しく。
来週もセイム・タイム、セイム・チャンネルで皆さんごきげんよう。
さよなら。


今週のオンエア曲

14:12 Be My Baby / The Ronettes
14:20 Shake, Rattle And Roll / Bill Haley
14:40 青空のように (CALENDAR'78/2011 Remaster) / 大瀧詠一
14:47 Fun×4 (A LONG VACATION/2011 Remaster) / 大瀧詠一







テーマ : FMラジオ - ジャンル : テレビ・ラジオ

DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
山下達郎さん サンデーソングブック 2010年1月10日「新春放談 ゲスト大瀧詠一(2)」

放送された内容を、ちょいと纏めてテキスト化しました。
今日も、中身たっぷりで、すっかり引き込まれてしまいました。
そして、達郎さん、今年もライブ決定ですね!!

誤字・脱字はご容赦ください。



達郎氏:もう1月の半ばでございます。もうすっかり、お正月から日常に戻られていることと思います。この番組、お正月、1月の頭はですね、毎年恒例、大瀧詠一さんをゲストに新春放談でございます。
このサンデーソングブックお陰さまで、先週で900回を迎えました。今日は901回目でございます。また、これからも先のですね、たくさん重ねて参りたいと思いますので、1000回を目指して、とりあえず頑張って参りたいと思います。

1000回ですと、たぶん還暦近い頃になると思いますが、張り切ってまいりたいと思います。
というわけで、先週に引き続きまして大瀧詠一さんをゲストにお迎え致しまして新春放談、今日はパート2、今日はどんな話が飛び出しますか、それではお知らせを挟みまして、さっそくいってみたいと思います。

(CM)


大瀧氏:でも、山下君はあれですか、年間2枚くらいのペースですかね? シングル。

達郎氏:いえ、1枚です。去年は1枚でした。今年は2枚くらい出ると思います。

大瀧氏:出さなすぎじゃないですか。いくらなんでも。

達郎氏:今年はアルバムを出す予定なので・・・。

大瀧氏:毎年言ってない?

達郎氏:いや・・・ だいぶペースが・・・

大瀧氏:ずーっと聞いてるような気がするよ、アルバム、アルバムって。もう、何年出てないんですか?

達郎氏:5年ぶりです、今度。

大瀧氏:出さなすぎでしょ!いくらなんでも。

達郎氏:どうして、そんな・・・(笑)

大瀧氏:僕みたいに25年、26年も出してない、26年、四半世紀出してないっていうんだったらね、話は判りますよ。

達郎氏:半端だってことですね?

大瀧氏:いや、いや(笑)

達郎氏:たぶん・・・

大瀧氏:26年、経ってないのか

達郎氏:26年ですよ。

大瀧氏:経ってんだ。

達郎氏:そうですよ。

大瀧氏:84年からね。

達郎氏:ええ、そうですよ。

大瀧氏:経ってんじゃん!

達郎氏:(笑)

大瀧氏:25年も、あの、出さないでいるっていうことは、まぁ”置いといて”の世界だもの。
もう、僕は何でも言えますよ。

達郎氏:ふふふふ(笑)

大瀧氏:いないところから、発言してる

達郎氏:(笑)

大瀧氏:年間、1枚くらい出さなきゃなぁ、待ってる人がいるんだもの。

達郎氏:いいよね、、(笑)

大瀧氏:年間4枚出してた頃もあるんだから、1枚くらい作りなさいよ。

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑) 僕だって年間45本ライブやって、うちのかみさんのアルバム作って、自分のアルバム作ってみたいな、あったんですよ。

大瀧氏:そういう時期がね。

達郎氏:ええ。

大瀧氏:まだ、あなた、甘いじゃない!!

達郎氏:何言ってるんですか(笑)

大瀧氏:やれるでしょ?

達郎氏:今年で57ですよ、僕。

大瀧氏:たいして違わなかったんだね・・歳。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)この歳になるとね、五つ違いなんて大したことないでしょ。

大瀧氏:全然たいしたた事ない。全く同じだよ、だって・・

達郎氏:でも二十歳と二十五は、随分違いましたよね?

大瀧氏:違うなぁ、十歳と十五歳も違うんだろうしなぁ

達郎氏:そうですよ。

大瀧氏:その頃はね。だんだん、もう同じになってくるんだよ。

達郎氏:こっちが中1の時にもう、大学入っちゃう訳ですからね。

大瀧氏:それ、違うよね。その頃はね。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:もう、今は大差ないんだよな。

達郎氏:いやぁ(笑)

大瀧氏:もう、毎年呼ばれてね。同じ話ばっかりして、ほんと申し訳ないって感じですよ。

達郎氏:聴いてる人は・・

大瀧氏:聴いてる人は気の毒だね。

達郎氏:聴いてますし・・・判んないけど、聴いているっていうね、奇特な人が多いんですよ。

大瀧氏:ずーっと言われてるだよね。ふーん・・・、そう思ってるんですよ、だから判るように話をするとか判りやすいは話をするとかっていうふうにできないんですね、これがどういう訳だか。以前から。

達郎氏:そうですよね、あのー洋楽の番組なんかが、テレビであれすると、必ず解説者っていうのが出てきて、”これはどういう人でね”って、ああいうの無駄だって・・・

大瀧氏:僕もそう思ってますね。だから、それが行き過ぎるとね、ずーっつと千本ノックやってるでしょ、一日6本とかね、曲だって6時間聴きっぱなしとかさ、1曲ごと、いちいち考えてる暇ないんだよね。聴いて終わったら次なんだよ。終わったら次。やっぱりね、次がいいよ。

達郎氏:だけど、大瀧さんは、やっぱりその、音楽が、その、なんていうの、あらゆる文化の中で一番力持ってた時代に生まれて育って生きてきたから、やっぱり、その音楽の力でミュージシャンになったわけだけど、もし、そうじゃなかったら何になってたと思います?

大瀧氏:私?なんだろ

達郎氏:想像もつかない?

大瀧氏:つかないねぇ

達郎氏:あぁ そぉ

大瀧氏:まぁ なまけもんだからね。働いてはいないと思うよ(笑)どんな状況になっても。

達郎氏:もの書きかなぁ

大瀧氏:いやぁ 文才は無いね。

達郎氏:あぁ そぉ

大瀧氏:ない!!文才は無い、絵はさらさら無いし、まあ、何にも無いな。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:とりえは何もないよ。体力がある訳でもないし、スポーツはダメでしょう

達郎氏:イベント・プランナーとか、そんな感じかなぁ・・・・

大瀧氏:さぁ まぁ・・・・

達郎氏:発想がファールアウトなところがたくさんあるから、ユニークっていうか、人が考え出さないような発想があるから、アイデアが凄くあるから、だからそういう、あれかなぁ・・・

大瀧氏:日本はアイデア評価しないからね。

達郎氏:はぁ・・・

大瀧氏:アイデアにお金払うって国じゃないからね、やっぱり、居る場所が無かったんじゃないですか?たまたま音楽の業界に拾われて良かったかなぁーって思ってますけどね。

達郎氏:なるほど。あれなんですか。あのぉ、さっきのその、最終的にボックスになさるって、レッツ・オンド・アゲンは入るんでしょ?

大瀧氏:勿論ですよ。

達郎氏:なんで、レッツ・オンド・アゲンは出さなかったんですか、今回。あの、30年で。

大瀧氏:え? レッツ・オンド・アゲン出しましたよ。

達郎氏:出てる?

大瀧氏:出してないの?

達郎氏:アレッ? 出てないでしょ。今回。

大瀧氏:なんで? あぁ そうなの?

達郎氏:(笑)

大瀧氏:気がつかなかった、忘れてた!

達郎氏:あれこそ、リマスターして聴きたいんですけど。

大瀧氏:いやぁ いいよぉ 出しますよ! ま、なぁーんだ、出しゃよかったなぁ。いや、いっぱいありすぎてさ・・・・

達郎氏:グハッハッハッハッ(笑) なんでレッツ・オンド・アゲン出さないんですかって・・・

大瀧氏:言われないと気がつかなかった

達郎氏:そうなのぉ? 出す気ないって・・

大瀧氏:今年だったの?

達郎氏:いや、去年でしょ?

大瀧氏:いいじゃん、達郎も・・・

達郎氏:あれは、傑作アルバムですからね

大瀧氏:まぁね、ある意味ね。自分でそう思ってる。ん。全然気がつかなかった。

達郎氏:あれは一種のペットサウンドですからね。他に全く替えが効かないっていうか

大瀧氏:(笑)そうそう、あぁ そう!

達郎氏:まだ遅く無いんじゃないですか。

大瀧氏:今ね・・・(笑) ネットで発売するってのはどうでしょう。

達郎氏:321にこだわらなければ、今年で やろうと思えば・・

大瀧氏:作品集に、やってないからなぁ

達郎氏:作品集が・・321なの?

大瀧氏:ん。作品集が321。ああそうなんだ、全然気がつかなかった。

達郎氏:そうなんだ、意識して僕 あれはだから・・・

大瀧氏:全然・・・

達郎氏:そうなんだ。

大瀧氏:いやぁ 年間2枚も出したら、ちょっと多すぎるかなって思ったのよ。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:ま 1回 2枚出したことがあったんだけど。

達郎氏:あれ、今 カタログ生きてるんでしょ?

大瀧氏:生きてますよ、もちろん!! 

達郎氏:前の

大瀧氏:ね 売れてるよね 1500円。1500円で出てますから、あんな名盤!(笑) 自分で言ってるの・・・(笑)。 まだ1500円だよね?

達郎氏:ボーナス・トラックどうします?

大瀧氏:無いんじゃないの。 オリジナルとリミックスと、2本入れればいいんでしょ?

達郎氏:なるほど、あれ、でも片面長いでしょ?

大瀧氏:長かったっけ?

達郎氏:意外と・・・だった記憶が・・・・

大瀧氏:はぁ What'd I Say音頭が長いからね

達郎氏:フワッハッハッハッハッ(笑)



♪呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー


大瀧氏:ヘルプ・ミー・ロンダとね・・・ブギとスモーキング・ブギと合わせるていう発想がね・・・

大瀧氏:煙が目にしみるを間に入れてね・・ いいですよね 普通の人には判んないですよね

達郎氏:時のあれに、試練に耐えて、今あれしたら、結構もっと素直にいけるかもしれないですよ。

大瀧氏:あの時期ヘルプ・ミー・ロンダの♪タン・タラン・タ・タンっていうの ハイサイおじさんっていう人がいたんだからね。そういう沖縄音階にも通じるものがあったよね。

達郎氏:(笑)偶然でしょうけど。

大瀧氏:”たまたま”なんだけどね。音楽で遊ぶっていうのがね、そういう事だったんですよね

達郎氏:ん~なるほど。そうか、とにかく来年なんだ。勇んできたのに

大瀧氏:勇んだの?

達郎氏:一曲、一曲やろうと思って。

大瀧氏:ああ そうなのか。

達郎氏:なんだ、そうなんだ

大瀧氏:まともに聴いてもらったんですか ロングバケーション、その話聴いたことがないよね。

達郎氏:僕ちゃんと聴いてますよ!!全部

大瀧氏:アナログ盤出た時に

達郎氏:えぇ オリジナル・アナログ盤

大瀧氏:でも あん時、一番忙しい時期じゃない? 81年って。
ま、一番っていうんだか。

達郎氏:だけど、僕は、あのぉ ほら、郵便貯金も行きましたしね

大瀧氏:ん 来てたね。

達郎氏:大瀧さん、もともとライブ好きじゃないですから

大瀧氏:オレ 嫌いなんだよね。人前出るのイヤなんだよね。

達郎氏:あの だけど・・・・

大瀧氏:高校1年の時にもう人前に出る時代っていうか、自分の中では終わってる訳よね。ジャンバルジャンで。

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:ずーっと人前 出続けたから、小学校1年から高校1年まで。そういう人前で脚光を浴びるというのは、もうね、もう十分に味わったの。

達郎氏:ライブですね?

大瀧氏:学芸会だけれども。それでもう十分なんだ。

達郎氏:あのぉ 厚生年金の、僕が観たライブってのは映像として残ってるんでしょ?

大瀧氏:ぁ そうなの?

達郎氏:判んないけど

大瀧氏:全然覚えが無い。

達郎氏:オフィシャルでは無いの? あれ、でも3カメか4カメじゃない、あれ。マスターないわけ? あぁそう。

大瀧氏:ん

達郎氏:所在 わかんない訳ね。じゃ。

大瀧氏:そんなもんじゃないの?

達郎氏:ほぇ~ もったいない。

大瀧氏:んん~ッ あってもしょうがないからな

達郎氏:でも、出来いいですよ、歌の出来も。

大瀧氏:んん~ッ あんなもんなんだよなぁ

達郎氏:ワッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:だからね、ついこの間、思い出したんだけど、ロングバケーションの恋するカレンって曲があるんだけど、出来て、オケ作って、んでぇー ”これはやった”と思ったわけよね、オケ作った段階で。
で、オケ作った段階で廻りの顔色も違うわけよ。これはいい作品になるって皆思ってたんだけど、いざ歌い出したらさ、歌えなかったのよ。

達郎氏:はぉ~ それはキーが・・・・

大瀧氏:スタジオの中で、

達郎氏:キーの設定とか・・

大瀧氏:いや、難しくて

達郎氏:ヘッヘッヘッヘッ(笑) よくありますけどね。

大瀧氏:あるよね、あるんだけど、最初の得点、自分で入れたの20点なのよ。

達郎氏:へぇーッ

大瀧氏:で、頑張って頑張ったんだよ。何日も頑張ったんだけど40点しか出ないんだよ!!

達郎氏:へぇーッ

大瀧氏:お蔵入りにしようかって思った、あんまり自分の中で酷いから。

達郎氏:ほォーッ

大瀧氏:で、ある時、たまたま60点だったんだけど、”はぁーっ この程度かぁ”って思ったのよ

達郎氏:ウワッハッハッハ(笑)


♪ 14:16 恋するカレン/大滝詠一


大瀧氏:んでー 今にして思えば、”お前はどこまで欲深いのだ”って事なんだけれども、で、だから、歌に関してっていうか、もちろん作品もそうなんだけど、自分の中では、もうちょっと歌えるって思ってたし、もうちょっといい作品になってるっていうか、もっとね、出来てるはずなんだっていう思いは、いつもあるんだよな。
どうもね・・・

達郎氏:自己評価が、やっぱり厳しいの?

大瀧氏:なぁーんだか、今一つ六割位のところで、しょうがなくて出してないんだよね

達郎氏:ん~

大瀧氏:だから、どれもね、どうでもいい出来に思えないんだよ。

達郎氏:それは、押し並べて全作品に対してそういう・・・あれなんですか?

大瀧氏:ん 全部

達郎氏:それは自己評価が低いんですよ。大瀧さんはシンガーの、その歌の組み立てとか、そういうの結構厳しいから、人に対しても割と厳しいじゃないですか。
だからそういう・・・

大瀧氏:人には厳しく無いとおもうよ。

達郎氏:でも、あのそういう意味じゃなくて、口で言うとか、そういうことじゃ無くて、考える事、”これはあれだな”とか”ここんとこ、こういう事じゃないのかな”とか絶対思ってるに決まってるんだから・・(笑)

大瀧氏:(笑)言わない訳だ

達郎氏:ん 言わない。この26年間コンスタントに作り続けていくと、結構、落とし所がわかってきたりしたんじゃないですか? 歌の。

大瀧氏:ん~ 前に何度も言ってると思うんだけど、宮沢賢治は、世の中に出たのは”春と修羅”一つだけで、あとほら、誰が聞くともなし、発表する予定なく自分で書いててね、あと全部死後に出たものじゃない?

だから、あれがね、例えば毎回出ててさ、言ったっけ、これ?


達郎氏:いやいや、僕・・・

大瀧氏:毎回同じ話してるから、どこで言ったか判んなくなっちゃったんだけど、毎回一作づつ出て、”今度は、あれだな”とか、”前のに比べてこうだな”とかいうふうに言われてたらさ、他の作品にも影響したんじゃないかなっていうふうに考えるんだよ。

達郎氏:タラレバですね。

大瀧氏:ん だからナイアガラの70年代の福生スタジオてつくってる時っていうのは、それに近いものだったんだよ。

達郎氏:ん~

大瀧氏:”こうやって、やろう”とかさ、”こうやりゃ、売れるとか売れない”とか”こうやりゃ喜ぶとか喜ばない”とか、そういうことでなく、なんか別に誰にも求められていないにも関わらず(笑)、なんか、ほんとに作んなきゃいけなかったって、いうような事だからこそ、そうなったんだろうけれども、なんか、そん時は、なーんにも考えないで、とりあえず何か、とりあえずやっていた。

達郎氏:だって、若かったですもん。

大瀧氏:だから、あのままの状態になってると、そうするとさ、次にこういうものを作ってくださいって、言われるような状態になると、非常につらいものがあるんだな。プロの人は大変だなって、いうことスかネェ~。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:で、どうもね、こういうようなモノって言われた時が、どうもダメなような気がしてる、で 言われないと楽に作れる・・

達郎氏:制約があるやつはダメなんですね?

大瀧氏:ダメなんだろうーねー

達郎氏:こういうテーマで、とか

大瀧氏:なーんか その基本的にわがままなだけなんだけど、人から命令されんのが、どーもいやなんだよ。ねぇ、で 鼻からその人にイメージがあるっていうものを持って来られた時が一番ダメだったね。

達郎氏:だから、座付きができないんですね?

大瀧氏:とにかく自分でも何が出るか判んない、じゃないと、もう、今回のやつなんかだって別に誰が好き好んで、映画館や成瀬巳喜男の映画チェックしてくれって頼んだ訳じゃない、僕が別に好き好んで、やったわけじゃない、たまたまホントにその程度に、たまたま通りがかってたら、ぶち当たってしまって、

達郎氏:はまってしまった・・・

大瀧氏:その瞬間に、インボルブされたっていう、だけの事なんですよ、それ以上でも以下でもないんだけれども、誰の手本にもなりえないんだよね

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:こうやったら、こうなる、だからどうすればね、後輩の人にアドバイスとかなんとか、出来ないんですよね。

達郎氏:なるほど

大瀧氏:ん~

達郎氏:大瀧さんの場合は、一般的に学習のセオリーって、ありますよね、例えば、学校で教える学習のセオリーとか、音楽だったら音楽学校へ行って基礎をやって、どうたらとか、そういうことが一切通用しない思考法ですよね。大瀧さんの場合は。

大瀧氏:無いですね。僕は作ろうと思ったけど、第一項、第一章っていうのを飛ばす人間だということを最近気がついたんですよ。

達郎氏:あぁ なるほど

大瀧氏:だからよく、あんない細々知ってるのに、なんで”根源的な、これ”を知らないんだっていうふうな、言われ方をよく・・・

達郎氏:一頁目からしか、我々は読まない・・・

大瀧氏:一頁目、第一項、第一章 飛ばすんですよ

達郎氏:なるほど

大瀧氏:で、99%判った時に、初めて、第一項、第一章を読むと、判るんだよね。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:初めて判るのよ、第一項、第一章って99%判ってから読むもんじゃないのかな。

達郎氏:レイブズとかオリオールズとかから聴き始めたって何の意味もないんですよね。(笑)そういう事、でしょ?要するに。

大瀧氏:まぁね。

達郎氏:よーく、ドゥーワップのあれが理解できてホワイト・ドゥーワップまであれしてから、

大瀧氏:ドゥーワップの1曲目だとソニー・ティルと・・・

達郎氏:必ずそうでしょ?

大瀧氏:確かに確かに

達郎氏:そこから聴き始めても、ちっとも面白くない

大瀧氏:ん 飛ばすんだ、飛ばんすんだ・・・

♪14:23 Ol' Man River/The Ravens


達郎氏:なるほど(笑)

大瀧氏:要するにエルビスのザッツ・オールライト・ママ飛ばす、だから第1項、第1章飛ばすんだな。で、あとのサンミュージックの判り方が一番楽しいやり方なんだよ

達郎氏:最初に戻りましたね(笑)

大瀧氏:そうだよ、第1項、第1章は飛ばさないと、なかなか入れないし、で、結局そこで入らない人もいるんだけど、食わず嫌いってのは、おそらく第1項、第1章が難しくて、その入り口で門前払い食らったような感じの人が入んないんだと思う。そういう人に言いたいのは第1項、第1章なんて飛ばしていいものなんだよ。もう
第2項や第4項だの・・・

達郎氏:入れるところから入っていけばいい訳ですね。

大瀧氏:そうなんだよ、入ってしまって、で、入ってしまって第10章までいくと、何か1%の欠落感を覚えるんだよ。

達郎氏:はぁーん

大瀧氏:何なんだ、最後の1%はって、99まで行ったら、必ずだれもが気になるんだよ。その1%がどこにあるかっていうと、第1項、第1章にあるんだよ。

達郎氏:なるほどね、ん~

大瀧氏:ちゃん ちゃん なんだよね。

達郎氏:良く判るわ、それ。

大瀧氏:振り出しに戻る”ナイアガラ・すごろく”なんだよ。


(CM)


達郎氏:福生のスタジオは、また要するに、なんていうの

大瀧氏:初期の段階に戻して・・・

達郎氏:あれって、一番最初、全部木だったじゃないですか。

大瀧氏:廻りがね。

達郎氏:あれは大瀧さんの意思だったんですか?

大瀧氏:たまたま

達郎氏:それも、たまたま?(笑)

大瀧氏:そっ そーですよ。

達郎氏:あれを作るときには、誰か要するにサディストしてくれた人がいるんですか?

大瀧氏:誰もいないよ

達郎氏:誰もいないんですか?

大瀧氏:ん

達郎氏:木の材質とか・・・

大瀧氏:輸入材だったらしいね

達郎氏:モデルケースみたいの、無かったんですか?

大瀧氏:何にも無いね。

達郎氏:ライブにしようとかデッドにしようとか、そういうのは?

大瀧氏:全然考えてない

達郎氏:(笑)

大瀧氏:あるとすればリー・マイケルズの個人スタジオなか。あの山小屋みたいなやつ。ジャケットにあったじゃない。なんか とりあえず防音ってな意味合いで、鉄筋打つにはお金ないからさ、ただ、板打っただけだよ。

達郎氏:ん~ そうなんだ。

大瀧氏:たまたまね。ご承知の通りですよ、すべからく”たまたま”じゃないですか、私の人生なんて、みんな

達郎氏:でも あの広さが良かったですね、廻り込みでね。

大瀧氏:ほんとは広いところでやりたかった訳ですよ。

達郎氏:みんなそうですけどね。

大瀧氏:だからね、どっか不自由なところを工夫するっていうところが、オリジナリティの根源なんじゃないのかなぁ

達郎氏:でも、あれでしょ スタックスなんかだって、ジム・スチュアートでしたっけ、あの人殆ど素人で

大瀧氏:映画館のやってますよね

達郎氏:だから、アールテックがめちゃくちゃラウドなもので

大瀧氏:サン・ミュージックのサン・スタジオの・・・・あれだったって・・ほんとに・・ちょっとしたスタジオだからね。

達郎氏:そうですよね

大瀧氏:写真スタジオ改造したような程度のね、ラジオ局の・・・

達郎氏:全部そうですもんね、向こうのああいうう・・・そういうのが結局歴史に残る音作ってるからね

大瀧氏:キャピトルだとか、そういう、でかいスタジオの音と、ほんとに、ああいう個人的な、ああいうのとか、インディズのスタジオっていうのと、音が基本的に違うからね。

達郎氏:それがキャラクタになってるんですよ。

大瀧氏:そういう事なんだよね。

達郎氏:で、リマスタリングに特化して今回は構築してるんですか?

大瀧氏:そうですね。

達郎氏:リズム録るとか、そういうのは無い?

大瀧氏:一切無いですね。楽器入れるの。

達郎氏:広さは、じゃ

大瀧氏:前と大差ないです

達郎氏:ああ そうですか

大瀧氏:同じ場所に建ってるんだから

達郎氏:見てみたい(笑)

大瀧氏:だからね、遊びに来てくださいよ

達郎氏:最近、ちょっとしばらく伺って無いので

大瀧氏:ちゃんと、精霊は残ってると僕は感じてるから、福生スタジオには。結局場所は動かなかったからねぇ

達郎氏:そうです、地霊があるもんね。

大瀧氏:僕は自分でそう思ってるんですけど

達郎氏:いよいよ40年近い あれからね

大瀧氏:72年になりゃね、73になりゃ そうすると、もうちょっとで、もう一声ですよ、あと4、5年もすれば

達郎氏:72年に引っ越されたんですよね?

大瀧氏:引っ越しは73年の1月。

達郎氏:じゃ もうあと5年。

大瀧氏:もう ちょいですね。だから、怠惰の成せる技ですよね。

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:引っ越しが面倒くさいとか、結論は全くそういうことで。

達郎氏:イヤァ(笑)

大瀧氏:随分探したんですけどね。他の場所も、他なんかないかなぁって、随分探しんだけども、結果的になんかね、やっぱり面倒なんだよね

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッ(笑) そんだけ長く住んじゃうとあれだろうな、やっぱり、動くって言ったって一財産あるから

大瀧氏:物が多すぎてね。そのくせ、何も無い部屋がいいって、言いだしてますからね。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:ん~ 部屋は何にも無いところがいいな。

達郎氏:(笑)聞きたくない、そういうセリフ。出来もしないのに(笑)。それほど物欲が大瀧さんにあるとも思えないんですよ。

大瀧氏:確かにね。無いんですよね、実は。あんまり。

達郎氏:そんなに、無いですよね、一応持ってないと、あのぉ

大瀧氏:とりあえずはね

達郎氏:比較出来ないとか、いろいろ そんな

大瀧氏:まぁね

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:買っちゃうんだよね、新製品をね。ついつい。それは、相変わらず。

達郎氏:じゃ来年は、だから・・・

大瀧氏:来年はロングバケーションの30周年記念で華々しく

達郎氏:細かく

大瀧氏:楽しく、華々しく飾ろうと思ってます。

達郎氏:これは話題が、たくさん、あるので

大瀧氏:これからは30年くらいですからね

達郎氏:そうか、だけど、こないだほらトリビュートものが出たじゃないですか。今年がアレだったからアレだと思ったんですよ。騙された。

大瀧氏:勘違いしたんだかね。

達郎氏:来年やればいいのに(笑)

大瀧氏:新春放談1回目の、当時のNHKの、あのプロデューサーの方ですけどね

達郎氏:クックックックックッ(笑)

大瀧氏:企画された方が。大変だったですよ、でも、アルバムのカバーっていうのは日本で、そんなに例が無いので、結局だからその、アルバムのカバーっていう概念が無いから、売る側としても売りようが無い訳ですよね。アルバムのカバーって事ではね。

達郎氏:ま 賛否両論ですよね、だから、これはね。

大瀧氏:それと、このアルバムを作って歌ってるのは大瀧詠一だから、大瀧詠一ロングバケーション、カバーコンサートっていう、もの凄く長ーくなるでしょう?
長いと、字数がはまらないから、どう切ったかっていうと、”大瀧詠一 カバーコンサート”なんだよね。

達郎氏:はぁ~っ

大瀧氏:だから、みんな、女房に”コンサートやるんですって?”って、チケット頂戴っていう、結局 そういう話になっちゃう。

達郎氏:大瀧さんが何か、第三者のカバーを歌うとか

大瀧氏:で なんだか新聞かなんかに出たら、そうとるなっていう方が難しいでしょ?

達郎氏:ま そうですね

大瀧氏:そうすると、大瀧が出るのか、出ないのかという事になっちゃうんですよ。そうすと”出ません”って書くしかないっていう事になるでしょ。聞かれてもないのに。
なんで、アルバムのカバーが、だんだんそういうふうになって行くのかって 

達郎氏:難しいですよね

大瀧氏:だから僕は、明智光秀の心が良く判ったね。

達郎氏:ワッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:そういう神輿の上に乗っかってると、知らない間に違うところに神輿が置かれているのよ。しかし神輿に乗っかるってことは、良く無い事なんだよね

達郎氏:大瀧詠一っていう人、現代社会っていうか、日本のマーケティングとか、そういうところの商業性に乗っけようとすると、すごくね大変な事になるんですよ。説明するのに長い説明がい・・・あれを・・・(笑)

大瀧氏:(笑)人見明の”長ーい話がぁ”っていう事になっちゃうんだよね。

達郎氏:ネタが古すぎるんだもん(笑) 

大瀧氏:古すぎるか? でも、たいてい日本のインタビューアーは”一言お願いします”って、何故かね、一言しか聞かないんだよ。必ず一言で、おまぇ あのぉ 一番好きなものは?とかね。なんか、その一言で言うとどうなりますか、とか、一言が好きな国民だねぇ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:で、”ちょっと一言では大変なんですけどね”みたいな、そこの間に、何秒も経っているっていう・・・

達郎氏:コピー・ライト文化ですね、やっぱりね

大瀧氏:一言・・・俳句文化だからね。短いのをよしとするっていう割には、なんか、長いんだよね

達郎氏:(笑)

大瀧氏:長くなるから、”おいといて”っていうのが、あるんだね。おそらくね。

達郎氏:なるほどね。

大瀧氏:んー だからね、大変だったんですよ。何にもしてないのに、そういうふうになるんですよ。

達郎氏:ライブは、観には・・・

大瀧氏:観には行きましたよ。呼ばれたからね。

達郎氏:ステージ上には出ていかなかった・・・

大瀧氏:もちろん。僕のコンサートじゃないんわけですからね。出ませんよ。”出ません”って書いてあんだからさ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:出ませんって書いてあんのに、わざわざ出てくるバカはいないでしょう。ま、これは皆に言ったことなんだけど、あんなとこで、のこのこ出て行ったらねぇ せっかく、それまで出てた人の後味を消しちゃうからね。

達郎氏:人は、そうは思わなかったりするんですよ。

大瀧氏:なんだかねぇ 僕は、そういうのが、いやなんですよね。これがね、まあ普通判ると思うけど、ごまのはえと布谷文夫とシュガーベイブが再結成して、こぉれは出ていきますよ! お前は出てこなくていいって言われたって出ていきますよ。もも太郎の恰好して(笑)。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:それは、出ていくけど、そういうのと質が全然違うんだもの。

達郎氏:今ね、あのぉメンバー変えたので、新しいメンバーでねレパートリー増強してるんですよ。

大瀧氏:ほぉ!

達郎氏:で、60曲くらいになってシュガーベイブもかなり、やれるようになったので。

大瀧氏:あぁ そうなんだ

達郎氏:また、次はやります。

大瀧氏:やって下さいよ、ジャンジャン。シュガーベイブコンサート、年に1回あってもいいんじゃないの?

達郎氏:みんなねぇ あのぉ あれやりたいっていうとね、”うーっ”って言うんですよね。

大瀧氏:、”うーっ”って?

達郎氏:だから、何なんでしょうね?

大瀧氏:やりたくないの?

達郎氏:いえ 僕はやりたいですよ。シュガーベイブ・・・

大瀧氏:いやいや みんなが?メンバーが?

達郎氏:いや あのぉ スタッフが。

大瀧氏:スタッフ?

達郎氏:ん、なんだか知んないけど。

大瀧氏:はぁ そうなんだ

達郎氏:シュガーベイブ・ターボって付けてね、そいで夏フェスかなんかで、やろうかなぁとか、思ってんだけど。

大瀧氏:シュガーベイブは・・・若いミュージシャンでしょ?

達郎氏:え

大瀧氏:今 ほとんど。だから広規君は別にしても、若い人は演奏したがるんじゃない?

達郎氏:そうですね、だから・・・

大瀧氏:歴史的な名曲を、僕も演奏できて、なんて、言ったって・・・

達郎氏:こないだね、ダウンタウンをね、こないだのツアーでやっだんですけど、その時、譜面をね全部再検証したんですよ。オリジナル・バージョンに近づけようと思って。で・・・

大瀧氏:今は違うの?

達郎氏:いや、微妙に変わっていくんですよ、やっぱり。手くせとかがあって、何年もやってると、だんだん詰め方がいい加減になってきて・・・

大瀧氏:ふん

達郎氏:今回メンバーが変わったこともあって、もう1回ちゃんと、あのリズムとか検証しなおして、キチッとやっぱりオリジナルのあれに近づけたら、ほんとに、なんかね、ドラムが若くなったこともあって、ちょっとシュガーベイブに近づいたっていうか

大瀧氏:近づいた?

達郎氏:うん。ター坊がね、言ってくれたんですよ、また

大瀧氏:あぁ そう

達郎氏:今までで、一番シュガーベイブに近いって。

大瀧氏:はぁーん だから、ほら、あの野口がドラムだったいうこと、知らない人が多いからね。

達郎氏:そうですね。

大瀧氏:で、そういうような、野口ゆかりのライブが多かったから、そういう印象があって、レコーディングが野口だって、みんなエッって若い人がいるから、シュガーベイブはだって、まだまだ、あのぉ あれじゃないですか、広げる、広げなければいけない義務があるんじゃないですか。

達郎氏:だから、レパートリーはだいぶ・・・しばらく出来なかったので、ライブ自体がね。

大瀧氏:うーん なるほど

達郎氏:それで、少し”今日はなんだか”とか、やろうかなって。


♪今日はなんだか/Sugar Babe


大瀧氏:SONGSを一番聴いているのは僕だからね。

達郎氏:(笑)そうですね、そうです。

大瀧氏:間違いなく。回数からいったら、僕が一番聴いていると思いますよ。全部を。ま、聞かざるを得ないっていうのが勿論あったんだけど、聴いてるってことがあってね、やっぱり何か、自分のアルバムのつもりもあるんですよね。

達郎氏:ふーん

大瀧氏:いや、あのね、さの2年、あと2年、まぁ3年でもいいかな、2年したら、そこそこリマスタリング・エンジニアとして生きていけるんじゃないかと、思うんだ・・・(笑)

達郎氏:オールディーズに特化してリマスタリングをする人って、日本にいないから

大瀧氏:ああぁ

達郎氏:絶対にやっぱり、新譜系に寄っちゃうから。ちょっと違うんですよね。

大瀧氏:だから、エースの僕が好きな3人は、皆オールディーズのみだから。

達郎氏:ああいう人が、やっぱ必要ですよね。

大瀧氏:そう、そうそう。特化して。

達郎氏:そうそう

大瀧氏:で、彼らがどういうふうに、やってるかっていう、のをねオリジナルのレコードを聴きながら、あ、こうやったか、ああやったかって、これをやるのが一番の楽しみだね。

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑) いいなぁ。リマスタリングっていうのは、やっぱり、あの歌にはあってるかな。

大瀧氏:あってるでしょ?

達郎氏:うん。三十何年の、その、なんていうの、いわゆつオーディオの経験の・・・

大瀧氏:そうだね

達郎氏:あれを

大瀧氏:オープンリールから始めて、たまたま体験してきたからね。

達郎氏:歳をとってくると、野球選手が監督になるように、スタジオ・エンジニアがマスタリングやる人多いんですよね。

大瀧氏:ああ なるほどね。

達郎氏:デイブ・ハッシンガーとか、ボブ・ノウバウっていう、まあ、そういうマスタリングに移行する人・・・

大瀧氏:そこはね、究極の位置なんだよ、実は

達郎氏:そうですよね

大瀧氏:黒沢明が自分で編集やったっていう、事なんだけどさ。やっぱり編集って最後の位置なんだよ。一番楽しいんだよね。あそこが・・・。

達郎氏:人材を厳選しないと、

大瀧氏:で、やってて楽しいのは、そこだねぇ

達郎氏:(笑)

大瀧氏:作るとなるとさ、そこまでが長いじゃない。

達郎氏:確かに

大瀧氏:苦労なんだよ。

達郎氏:全くそういう無頓着な人って、幸せていうか

大瀧氏:幸せだよね。

達郎氏:何それって・・・

大瀧氏:だから、判ってしまう不幸って、言ってるじゃない。努力して判ったんじゃないんだよ。
判っちゃうんだよ。それ、ほんとにいやだね。

達郎氏:クックックックッ(笑)

大瀧氏:だから、その不幸をかかえたくないって事になると、やっぱ作らないでおきゃ、その不幸を抱えることが無いなぁっていう、事なんだよねぇ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:どう?君は全く僕と違う人生だからね、頑張ってやってもらわないと。本当に。みんな期待してるわけだから、ジャンジャンやってもらわないと。

達郎氏:これしか言われる事が無い(笑)

大瀧氏:コンサートまだ今年もやるの?・・・

達郎氏:今年もやります。えと・・・・

大瀧氏:何か所やるの?

達郎氏:今年は30・・・・

大瀧氏:もう、最低でも、それ位やらなきゃダメだよね!

達郎氏:フッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:年に12カ月あるんだから、月に3回位やるとしてさ、36回くらい、最低でも毎年これからやってもらわないと困るなぁ。

達郎氏:・・・何でも言える(笑)

大瀧氏:(笑)でも、楽しいでしょう?

達郎氏:お陰さまで、体の調子がいいので、体調が良ければ。

大瀧氏:ライブ好きじゃない、前から。

達郎氏:もう、ライブから始めた人間ですからね。レコーディングよりライブの方が楽ですよ(笑)

大瀧氏:あぁ そう

達郎氏:レコーディングは無から有を生むから、やっぱり、辛いっちゃ、辛いですよ。

大瀧氏:ライブが向いてんだよ。

達郎氏:ライブのね、僕、さっき大瀧さん、歌の話されたでしょう。どうしても、やっぱりレコードがライブの歌を越えられないっていうのが僕にとってのジレンマですよね。

大瀧氏:ほう

達郎氏:ライブで歌った歌の方が、絶対レコードよりいいんですよね、常にね。

大瀧氏:ふーん

達郎氏:作って最初に歌うのがレコードだっていうのもありますけど

大瀧氏:ん

達郎氏:はるかに、ライブの歌の方がレコードの歌よりいいんですよ。それをどうにかライブのレベルまで上げられないかって、ずーっと、やってんだけど、なかなかね、やっぱりね、雑念が入るっていうか(笑)

大瀧氏:雑念の問題なの?

達郎氏:ん~ やっぱり、だから 場数かなぁ。何回も歌った方が・・・演歌歌手の人って・・・

大瀧氏:先にステージやるから・・。だから、”春よ来い”と”かくれんぼ”と”12月”だけは、山のように演奏しまくってたんだよね。レコーディングするまでに、すっごいライブが多かったんだよ。だから、レコーディングって、凄く楽っていうかね、歌い込んでたんだよね。

達郎氏:演歌歌手の人って、必ずリ・レコをしたがるんですよね。やっぱ、最初にリリースする時は、最初の歌じゃないですか。だから、それがせいぜい何回か、ひばりさんなんかでも1週間程度ですよ。
それがやっぱり、2年、3年と歌い込んでいくと、最初の歌が、すごく・・・しくて、でもファーストテイクがいいですよね。

大瀧氏:僕は演歌の人は最初の方が絶対いいと思うんだよね。何かね、歌、超えちゃんうんだよ。前にも言ってると思うけどね。

達郎氏:大瀧さん、歌い直したことあります? あの、要するにリリースした作品を。

大瀧氏:なーんだろか・・・無いんじゃないの?

達郎氏:無い、無いですよね?

大瀧氏:だいたい、でも1回か2回しか録ってないからね。基本的にはね。ロンバケ以外はね。

達郎氏:ロンバケはかなり・・・

大瀧氏:かなり歌ったね。歌ったけど、ナイアガラはご存知の通り、1回か2回

達郎氏:あれ大変でしたもの

大瀧氏:歌ってるから、だけど・・・・

達郎氏:僕ね1回歌い直そうとした事があるんですよ。

大瀧氏:あぁ そうなの?

達郎氏:既成のやつをね。でも、やっぱり何故かって、その、一般的に出てる歌って、朝の5時に歌入れして、もう声は枯れてるし、ヘロヘロだから、それを、やっぱりちゃんとした歌で歌い直そうと思ってやったんだけど、全然超えられないですよ!それ。

大瀧氏:だめ・・・

達郎氏:その、かすれたヘロヘロな歌の方がね、情念が全然いいんですよ。キッチリやれば、やるほど、だんだんかけ離れていくっていうね、歌って不思議ですね。

大瀧氏:んー あのぉ 結局、今の切り取りなのかな。

達郎氏:ほーん

大瀧氏:あのぉー 現在 今を切り取ってるから、そのぉ 念力があるらしいんだよ。

達郎氏:んー 念力。

大瀧氏:念力。で、念ってね、今の心って書くらしいんだ。

達郎氏:ホッ(笑) 深いですね。なるほど。

大瀧氏:だから、その時って、念力があったんだよ。

達郎氏:んー

大瀧氏:歌の力量よりも。

達郎氏:ん

大瀧氏:今の心、その時の心なんですよ。もう今じゃないからさ、時間が経てしまえば

達郎氏:なるほどね

大瀧氏:念力が消えてんだよ。歌唱力が増してても。

達郎氏:そうだと思うよ、結局テクニックじゃない部分の方が大きいですからね

大瀧氏:歌って、念力を入れ込むもんでしょ(笑)

達郎氏:ま、言霊とか、いろんな表現が・・

大瀧氏:でもライブは、だから”今”だから。今の心で歌えるからさ。

達郎氏:やり直せないんですよ、ライブはね。レコーディングはやり直せるから。切り替えて・・・

大瀧氏:まぁな

達郎氏:いいとこ、とるとか

大瀧氏:初期の頃は、直接落下盤の切るのもあるし、テープは高いってこともあるから、ちょっとでもミスったら全員冷たい視線が行くとか、いうような事で、みんな一発録りで、そこまで仕上げてきて、で、オケも一緒だから、で、歌がどっかでとちったりしたら、また、あのぉ昔のミュージシャンってうるさいからね。
”オーッ”とか言う人がいるからさ(笑) だからそういう人があるから、またエンジニアもそうだし、テープ回す連中かなんかはね、録音ボタン押して無かったなんてことだったら、もうね、大変なことになる、っていうような時期が全部においてあるでしょ?

達郎氏:そうですね

大瀧氏:あの頃のものはいいよ、それはだから、ほぼライブなんだよ。

達郎氏:そうですね

大瀧氏:今でしょう? だから、今の切り取りだから、念力が多いんだよ、各々のヤツの。

達郎氏:なるほどね

大瀧氏:つまりだから、何度でもやれるっていう人は、念力を使って無いんだよ。おそらく今の心を使って無い、後でも出来るっていう、だから、録画して見ないっていうのも、後の心だから、絶対にリアルタイムでなければ、だから野球の、必ず朝早く起きたり、夜中の2時って時に・・・

達郎氏:リアルタイムで見る・・

大瀧氏:リアルタイムで見ないものは、もう見ない事にしてるんだけども、念力が入んないだよ。

達郎氏:それ、深いな

大瀧氏:で、そこでだから応援してる選手がホームラン打ったら、自分の念力が通じた(笑)というふに解釈して、念ずるんだよ。打ってくれ、とかいうような時には、念ずるんだけど、今の心だから、今でない時っていうのは、
力が出ないんだよ。


達郎氏:そうなんでしょうね、きっと。

大瀧氏:テレビでさ、エスパー清田君が出てて、彼が言ってるのは凄く、俺が言ってる事と凄く同じだったんで、びっくりしたんだよ。やっぱり念じて、出る時と出ない時があるって超能力が

達郎氏:はぁは

大瀧氏:で、結論は、まあ面白かったんだけど、あるって言えばあって、無いって言えば無いっていう感じ(笑)ですかね(笑)って。それってさ、僕の考えと良く似てるんだけど。

達郎氏:良く理解できますね、それ。

大瀧氏:そうだよね。同じ考えだなって思って。念力タイプの人っていうのが一般じゃないのか? みんなだから、おそらく文章だとか、文字だとか、あるいは言語でもいいけど、そういうようなものは形而上的なものを受け取っていて、その背後にある念力の方が主であって、言ってる事とか、形ってのは主従関係で言えば”従”なんだけれども、みんな出てくるところが文字だったり音だったりするから、そっちの方を“主”って考えるけれども
本来その人が言おうとしている事の念力の方が”主”であって、

達郎氏:なるほど

大瀧氏:っていうふうに考えると、物事がものすごく判る、突然判ってくるんだけど、その判ると不幸にもなるんだよ(笑)

達郎氏:そうですね

大瀧氏:形而上で動かされてた方が幸せな時も、結構多いのだなぁ

達郎氏:見えちゃうと

大瀧氏:これが、見えちゃって困るのよマスプロアンテナなんだよな、これがな。

達郎氏:(笑) アレッ?

大瀧氏:そろそろ終わりってことなの?

達郎氏:ですね

大瀧氏:んーいいね 暗い雰囲気があって

達郎氏:こんなもんでしょう(笑)

大瀧氏:こんなもんだろうな。

(CM)

達郎氏:毎年お正月恒例、大瀧詠一さんをゲストに新春放談。この新春放談もですね、前にNHKにレギュラーをやった時代から通算いたしmさいて27年目を数えることになります。

30年くらい、たぶん、できそうな感じがいたします。
来年は、いよいよロングバケーション30周年でございますので、ロンバケの話で、いろいろと突っ込んだ話をまた伺えることになると思います。

大瀧さんも健康状態がとってもよろしいようなので、来年も新春放談、いらしてくれる事と思います。
またこの続きは来年でございます(笑)。


END






今週のオンエア曲


14:10 呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー
14:16 恋するカレン/大滝詠一
14:23 Ol' Man River/The Ravens
14:37 今日はなんだか/Sugar Babe









テーマ : ラジオ全般 - ジャンル : テレビ・ラジオ

DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
山下達郎さん サンデーソングブック 2009年01月03日「新春放談 ゲスト大瀧詠一 (1)」


放送された内容を、ちょいと纏めてテキスト化しました。

リマスタリング作業に関する大瀧さんのコメント※1や達郎さんのFM放送へのコメント※2は、デジタルプロセッシング技術の意味をあらてめて、考えさせられますね。

※1 大瀧氏:「マスタリングは何にもしない事が理想だから、どんな事やって、何もしないっていう状態になるのかっていうような事なんですけど」

※2 達郎氏:「だって、ステレオで聴くと音悪いんだもん、FMって」

マスタリング作業についての会話はテクニカル・タームがたくさん飛び出して、新春ならでは、大瀧さんならではの放送でした。

誤字・脱字はご容赦のほどを。


達郎氏

みなさん新年明けましておめでとうございます。山下達郎です。
2010年、何卒今年もよろしくお願い申し上げます。お陰さまで私のサンデーソングブック、サタデーソングブックという土曜日のプログラムから通算致しまして、本日で900回目でございます。

2010年、一番最初が900回でございます。これもひとえにリスナの皆さまのご愛顧の賜物と厚く厚く御礼を申し上げます。2010年も張り切って950回、そして1000回を目指して頑張ってまいりたいと思っております。

お正月は、もうすっかりお馴染になりました。始まった時からずーっとお正月はこのプログラムでございます。新春放談、大瀧詠一さんをゲストに今年もやってみたいと思います。

今年、私、ちょっと勘違いしましてですね、今年がロング・バケーションの30周年だと思っていて、そのネタで突っ込もうと思っていたのですが、実は来年だそうでございます(笑)。81年発売でございます。しっかり忘れてしまいました。

なので、今年は映画の話題、いろいろと突っ込んだ話題、お届けしたいと思います。今週来週2週間お届けします。大瀧詠一さんゲストに新春放談、今年はどんな話が飛び出しますか、それでは、お知らせ挟んで、早速始めます。

♪ California Dreamin'/The Mamas&Papas

達郎氏:ダンヒルをね、ぱっと考えたらダンヒルってなんにも持ってないんです、僕。だから、コレクション無いんです。だから、ママパパの一枚目っていうのが、一番最初のファースト・プレスっていうのは、トイレの便器が写っているんですよ。それが、不潔だとか、イメージ悪いって、そこを隠して、ヒットシングルのCalifornia Dreamin'を書いて、それが今出回っている一般的なモノなんですけど。

そのトイレ・パターンっていうのを持ってないと思って、探し始めたら、これが無いんですよ。
3年くらい探したんですよ。

大瀧氏:でも、あのぉ 完全に、我々と山下君の世代が大きく違うのは、アルバム世代なんだよね。

達郎氏:そうです。

大瀧氏:我々は、シングル世代で、やっぱり330円と1500円だからね、アルバムが。
アルバムをどれを買うかなんていうのは、ほんとに大変な問題だったんだよ。シングルで聴いてるからね。

達郎氏:でも、シングルの方が買いやすいからっていうのも、あるでしょ?

大瀧氏:ある。ん。曲で覚えてるっていうの?僕はね。塊で覚えているんじゃなくて個別に覚えてるっていう事になるような気がするんだよね。

達郎氏:エルビスなんかは、当時から、ほぼ全部聴いてたんでしょ?

大瀧氏:プレスリーは全部聴きました。みんなの集めて。中2、中3、62年か63年にかけて、あそこまで出てるものは全部聴きました。

達郎氏:僕ね、ようやくね、今回新春放談で、大瀧さんにね(笑)、聞いてほしかったのは、僕ねようやくサン(SUN)まで来たんですよ。

大瀧氏:サン時代

達郎氏:ん、これの良さがようやく判ってきたの(笑)、最近。この歳になって。
で、大瀧さん、このサンのレコーディング、何十曲あるやつって、こういう、要するに意識っていうのかな、だからRCA時代と、じゃなくてサン時代の

大瀧氏:分けて聴いたことない。

達郎氏:無いでしょ?

大瀧氏:だって、アルバムの中に入ってたんだもん。どれが、どれだか判んなかったんだもん。ハウンド・ドックとかドント・ビー・クルーとか、ハート・ブレイク・ホテルよりも後に聴いているわけですよ。アルバムの中の曲として。

達郎氏:これはRCAが買ったんですか?

大瀧氏:買ったみたいね、売っちゃったみたいね。

達郎氏:サンのこれに書いてないですもんね。

大瀧氏:売ったんだって。

達郎氏:これって、ドラムが無いんですね。

大瀧氏:まぁ ないっちゃ無いんだよ。だから、D.J.フォンタナが入ったのは革命的な事だったんだ。だから、ナッシュビルのスタジオにD.J.フォンタナが来てマイクのレベルが振り切ったっていうのが、ナッシュビルのエンジニアの最大の悩みだった(笑)。

達郎氏:ん~

大瀧氏:だから、どうするかっていうので。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:だったんだそうですよ。

達郎氏:それで、リミッターとか出てきたんでしょうかね

大瀧氏:要するにカントリー・レコードもだんだんロックになっていくっていうか、エバリーとかなっていく前の時にはエルビスが持ち込んだわけですよね。
それで、元々グランド・オール・ オープリーのライブでD.J.フォンタナが叩いている時も、”うるさい”って言われているらしんだよね(笑)。サン・スタイルの時には無い、このスタイルなんだよね。

達郎氏:これはだけど、凄いですね、これ。

大瀧氏:凄いんです。

達郎氏:ね!

大瀧氏:

達郎氏:ようやくここまで、これて、最近フランクシナトラですよ。

大瀧氏:シナトラね。

達郎氏:ようやく五十何年かかって、シナトラまでね

大瀧氏:シナトラは難しいからね・・・

達郎氏:でも、よく聴くと凄いですね、この人、バリトンだから、やっぱり、その何ていうのかな、現代的なプッシュとか、そういうのじゃ無いじゃないですか。もっと、情念っていうか、それが判るようになるまで、何十年もかかって(笑)

大瀧氏:シナトラのショーに出たんだよね。60年にエルビスが。その時に持ち歌の交換をやってるんだよね。

達郎氏:ほうぉ

大瀧氏:wheel of fortuneだったかな?シナトラが歌ったのは。ウィッチ・クラフトかな?エルビスが歌ったのは。

達郎氏:大瀧さんがおっしゃるように、このサンのセッションズっていうのが、もちろんRCAのカタログの中に混在するのね。一体、何がどうなっているのか、全く判んなかったんだけど、よーくよく、これも何年か前に出たんだけど、これもまともに聴いたことが無くてね(笑)。これをちゃんと、初めから聴いてくると、だんだん、なるほどっていうね。

このアレンジが、いつもいう、ブルームーン ケンタッキーの、アレンジメントの本当の、大瀧さんがおっしゃてるような事が、だんだん、よく判ってきた(笑)。

大瀧氏:最初は、普通に歌っているんだよね。それが、だんだん、ああいうアレンジになって崩していくわけだよね、要するに。

達郎氏:だから、途中で止めて、こんなんじゃダメだからって止めて、いうのがアピールなんでしょ?

大瀧氏:そう、そう、で、始めちゃうんだよね、自分のスタイルで。あれが、ロックの誕生なんだよね、ある意味。だから、それまでの定型みたいなところで、とりあえずやっとくんだよね。

そこから、自己流に突然なるっていう、あの変わり身っていうのは、それっていうのは、いつの時代にも必ずあるはずだなって、いつも思うんだよね。

達郎氏:この人は、それをやりたかった訳ですよね。

大瀧氏:自然と、ナチュラル・ボーンなんだよ。この人、歌はね、全部ナチュラル・ボーンなんだよ。

達郎氏:やっぱり、ポピュラー・ミュージックにしろ何でも文化って、なんかこう、ごく数人のね、突出した人が殆ど作ってるんですよ。

大瀧氏:ほんとに、数人のイノベータで、あとは、みんなフォロアーなんだよね。

達郎氏:ムーブメントなんて言ったって、結局そうなんだよね。

大瀧氏:結局、そこが一番大きいんだよ、実は。で、王と長嶋がいなかったら、日本の野球はここまでならなかった、のだよ。

達郎氏:去年読んだ本で一番面白かったのは、TEMPLES of SOUNDっていう、スタジオの。

大瀧氏:ありましたね!

達郎氏:ビル・パトランって、僕、すごく、ブリスウェルのお師匠さんだけど、あの人が幽霊の、要するに、リミッターとか、ああいう機材を作った人だったっていうのは(笑)

大瀧氏:自分でコンソール作って云々って書いてたんだっけ?

達郎氏:ほんと数人の人が、繊細な人がいて60年代に、そういうミキシングのノウハウみたいなものをね、構築していったんだって、エジソンじゃないけど、アメリカって数人でやるんですよね(笑)

大瀧氏:出だしはね、必ず数人ね、その何人かなんだよね。

達郎氏:不思議ですね。

大瀧氏:で、そのブルームーンっていう ♪オブ ケンタッキー キープオン シャイニングって普通に歌っているところから♪ブルームーンっていう風になっていくとこの、あれがね、ゼロからイチへの変わり身なんだよね。ああいう瞬間に立ち会えた人は幸せだなって、私思うんだな。

宇宙なんて、ひょっとしたら、まぁね、ビッグバン説もあるけど、あのゼロからイチになる瞬間が一番楽しいっていう気がする。あと、あれが出ちゃえば、あとは”のべたん”だよ。オオゾロで”のべたん”っていっても、誰もわかりゃしねぇ。

達郎氏:突然変異なんですね、やっぱりね。

大瀧氏:瞬間的に、ああいう地場が逆転するようなものが、瞬間起きるんだね、ああいうのはね。

達郎氏:その後には、同じものは出てこないですからね。不思議ですね。

大瀧氏:それをハーモニーにしたビートルズとかね、ダンスを付けたマイケル・ジャクソンとか、いろいろ、ああいうような、時々のものもあると思うんだよね。

♪Blue Moon Of Kentucky/Elvis Presley


大瀧氏:金子マリさん、金子マリさんと初めて会ったのよ。ついこの間。

達郎氏:今まで?

大瀧氏:一度も会ったこと無かったのね。たまたま会ったの、打ち上げで。
金子マリさんと話をしてて、”悲しき”付いてるタイトルとか、ま、我々の世代ではよくある話してて、悲しきカンガルーって曲があったんですよ。ロルフ・ハリスっていうオーストラリアのB面がサン・アライズっていう歌なんだけど、歌い出したら一緒に歌ったんだよ(笑)。

悲しきカンガルーを、しかもパットブーンのが流行ったんだ日本ではね、ロルフ・ハリスがオリジナルなんだけど、B面がサン・アライズなんだけど、一緒に歌い出した(笑)。
”B面知ってるーっ!”

達郎氏:クックックックッ(笑)

大瀧氏:そういう世代なんだよ(笑)、だから本当にリアルタイムかどうかっていうのの踏み絵のようなものは、B面が歌えるかどうかっていう、我々世代の踏み絵なんだよ。

達郎氏:私はシングルといえども、やっぱり高額嗜好品だったからB面まで全部聴いて、それを吸いつくそうというね。

大瀧氏:どうでもいいような曲を山のように聴いたから。

達郎氏:好きになろうとね、せっかく買ったんだから。

大瀧氏:どういう意味があるんだ、this boy がわかんなくて、そういう意味が判んなくてシングルのB面をA面より聴いたかもしれない(笑)、なんですね。

達郎氏:ハハ(笑)


♪14:16 Sun Arise/Rolf Harris


達郎氏:相変わらず、広範に映画をご覧になってるんですか?

大瀧氏:不思議な事に、ああいう研究発表すると、ひと熱冷めるんだね。

達郎氏:判りますよ。

大瀧氏:いつもの事なんだよ。ちょうど3年なんだよ、どうしてなんだろうな・・・。

達郎氏:次のジャンルはあるんですか?

大瀧氏:次のジャンルは、またスタジオですね。

達郎氏:へぇ(笑) レコーディングスタジオですか?

大瀧氏:いや、リマスタリング・スタジオ。っていうか、その福生スタジオの75年当時のものを再現しようと思って。で、大体、少しずつ。

達郎氏:要するに、スタジオの構造も

大瀧氏:JBLのスタジオを、43系、20系のを買ってですね、あの頃出ていた音を再び出そうということで、ほぼ、8割がた頑張って、やるようになってきて、これからリマスタースタジオとして楽しみかなって思って。

これからようやく、リマスタリング・エンジニアリングへの一歩を、これから踏み出そうと。
今まで随分出してんだけど。

達郎氏:大瀧さんが、リマスタリング・エンジニアリングって面白いなって。

大瀧氏:申し訳ないんだけど、今まで出してるのは習作でございまして、一頃にはナイアガラレーベルのものデモテープだと言われた時代があるけれども。

達郎氏:で、いよいよ今年はね、30周年で・・また321ですか。

大瀧氏:録音始めたのは、ちょうど30年前なんだけど、ロングバケーションの発売は来年なんですよ。

達郎氏:81年でしょ?

大瀧氏:81年、321なの。当初は80年728の予定だったの。

達郎氏:じゃ、今年じゃないんだ。もう一年あるんだ。じゃ今年は何なんですか、出し物は?

大瀧氏:えーと、作品集。

達郎氏:はぁ 

大瀧氏:一緒に書いたやつが、ちょうど20年目ですかね。19年目なんだけど、その辺ちょっと端折って。

達郎氏:ロンバケ30周年と疑わなかったもんだから。

大瀧氏:来年なんですよ

達郎氏:ああ、そうですか

大瀧氏:来年は作品集をとりあえずリマスターして。で、諸々SONYの方からも僕が集めた意外のものを集める予定だそうで。

達郎氏:結構な数あるでしょ? 集めたら? 気に入ってるの、あんまり気に入って無いもの・・

大瀧氏:どいうわけでもなく、たいして無いんだよね。私の場合。

達郎氏:オリジナル・アナログ・テープからマスタリングするんですか?

大瀧氏:起こしました。

達郎氏:それを何に起こすんですか? プロ・ツール(Pro Tools)のデータとかに起こすんですか?

大瀧氏:ま、ToolsみたいなもののDAW

達郎氏:DAW

大瀧氏:ん、ま、どれかね。前はSONIC SOLUTIONでしたけど、それはもう止めて。SONIC の時代が一番苦しかったですね。

達郎氏:ま、完成度っていうかプロセスがね。

大瀧氏:今は、ほんと良くなりましたね、どれを使ってもいいんじゃないでしょうか。

達郎氏:サンプリングレートはどれくらいでとってるんですか?

大瀧氏:1644で最初から最後まで(笑)

達郎氏:(笑) なるほど。それで、いいんですよ。

大瀧氏:結局、僕はね1644以外、昔からダメなんですよ。

達郎氏:なるほどね、よくわかりますよ。大瀧さんのダイナミックレンジのあれだったら、十分だと思いますよ。

大瀧氏:毎日アナログ聴いているから、それと同等の音がなかなか出ないんだけれども、同等の音が出たら、それで良いという風に考えているんですけど。デジタル、82年の時にね、DHの1盤っていうCDの第1音の時に、アナログのゼロVUっていう信号がね、基準信号をマイナス20っていうdBで録ったんですよね。デジタルの第一音のDHの1盤はマイナス20dBで録ってんですよ。

で、91年に選書盤ていうの出した。あれ、マイナス16dBで録ってるんですよ。で、21年版のあれは、マイナス12で録ってるんですよ。

だから、マイナス20、マイナス16、マイナス12と、ロングバケーションの出てる3つのアルバムはデジタルのその時の進化の具合なんだけども、”はっぴいえんど”も一枚目のアルバムは4チャンネルなんですよ。2枚目の”風街ろまん”が8チャンネルなんですよ。で3枚目のアルバムが16チャンネルという、一枚ずつでね。
どいう訳だか、その時々にハードの変遷のアレとぶつかるんですよね。

達郎氏:運命でしょうね。

大瀧氏:たまたま、出くわしたもんだから。リマスタやりながら、そういう風に思いましたけどね。

達郎氏:これなんか、10年単位で、あれしてるから、本当にそれ位のスパンで変わっていくって事ですかね?

大瀧氏:もう、1644でずーっと、(笑)アナログでいいだろうって、ずーっと思ってたのね。で、何もしない事がともかく一番いいんだろうって。

達郎氏:あの、現実的に、僕らの技術者が言ってることは192とかやっても、まだ、デジアナのプロセッシングが追いつかないから、それで音が変わっちゃうっていうか、それでも192の方がいいって、やってる人もいるけど、基本的には441とか48くらいで収めた方がプロセスのマシンパワーが、うまく音に反映してくれると。低い方が音楽的には健全だというね。一応、そういうあれなんですけど、そうじゃないっていう人もいるから。

大瀧氏:最近、毎日ねVU見て暮らしてんだよ。

達郎氏:はぁ はぁ はぁ(笑)

大瀧氏:VU計の振れがとにかく音楽的なんだね。そうだったのかって、初めて、福生にスタジオもあってね、VUメータもあって、昔、針で動くピークメータがあったんでしたっけ? あったよね。それで、あなた見てて、凄い動きして、”こんなもの見たことない!”って言ったの覚えてる。

達郎氏:じゃ、DSDとか映像だとブルーレイとか、あんまり興味ないでしょ?

大瀧氏:全く無いね。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:どっかの時点から、そういう種類のものは全く興味がないね。
とにかくね、作るのから解放されたら、こんなに楽しいことはないね、音楽は。
音楽は楽しいよ、聴いてる分には。

達郎氏:日常的には、何を聴いてらっしゃるのですか?最近

大瀧氏:リマスターを

達郎氏:自分のね?

大瀧氏:いや、だから、世の中の。

達郎氏:はぁ 世の中の?

大瀧氏:世の中のリマスタ・エンジニアが、どんな苦労をしてるんだろうかっていうことが楽しみですね。

達郎氏:音楽の具体的なソースは、どのように聴いているんですか?

大瀧氏:オールディーズですよ。エース・レコード(Ace Records)が多いですね。エースから出てるものは何でも聴いてますね。エースはいいね。

達郎氏:ボブ・ディランのラジオショーの、エースから出てるやつですよね?

大瀧氏:そんなのある?

達郎氏:ボブ・ディランはあの・・・

大瀧氏:えっ ラジオ・ショー?

達郎氏:え、自分でラジオ番組持っているんです。それをエースがコンピレーションで出してるんですけど、2年くらい前にVol.1が出て、今年Vol.2が出る。
もう、古今東西のふり幅のでかさっていうか、それは凄く面白いですよ。

イギリスの方が権利関係が、許諾が下りるからでしょう。
日本だと許諾が下りないから。イギリスは、やっぱりエースは特にそうですよね。

大瀧氏:エースにはね、好きなエンジニアが3人位いてね。

達郎氏:リマスタリングのですか?

大瀧氏:ん、それで、今回どうしてんのかなっていう風な感じで聴いてます。

達郎氏:あんまり、無理のないマスタリングですよね。

大瀧氏:前、スタックスとかアトランティックでやってた

達郎氏:ビル・イングロッド

大瀧氏:ビル・イングロッドから始まって、という、あの流れの中の一貫だと捉えてますけど。

達郎氏:(笑) マスタリングの話・・・

大瀧氏:マスタリングは面白いですよ。

達郎氏:いいなぁマスタリングって、ものすごいキャラクター出ますからね。

大瀧氏:確かにね。

達郎氏:全く同じ機材使ってやっても、違う音になって。だから、僕はずっと同じマスタリングでやってますけど。機材変えると同じ人間でも変わりますし。で、同じ機材でも人が変わると、、、それはもう、難しいですよ。

大瀧氏:いろいろあるからね、面白いですね。久々、そういう意味では、聴きなれた音楽ですけど、音楽聴いてますね。

達郎氏:これからまた、あれなんですね? 変わるんですね? マスタリングが。

大瀧氏:マスタリングは、だから、まあ、変わるというか、変わらないというか、何にもしない事が理想だから、いかにして、どうやって、どんな事やって、何もしないっていう状態になるのかっていうような事なんですけど。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:基本的に"気のせい”の範疇なんだよ、どれもが。気のせいなんだけど、気になる人とならない人がいるだけの事なんだよ。

達郎氏:なるんでしょ(笑)

大瀧氏:もう、やだね、ほんとにヤダと思う。不幸だと思うことは少ないんだけど、これは不幸だと思うな。だから、判ってしまうってことは、不幸な事なんだよね。

達郎氏:見えちゃう、聴こえちゃう。

大瀧氏:やだねー。

達郎氏:だいたい、だけど、リマスタリングという前から、そうだったじゃないですか。
オーディオそのものがね。

大瀧氏:俺はオーディオマニアじゃなくて、あなたがオーディオマニアで、僕はオーディオマニアじゃないんですよ。

達郎氏:ぼくは、オーディオマニアじゃ無いですよ、全然。僕、だって十年一日おんなじ機材ですもん。

大瀧氏:それはね、僕も同じようなもんだけど(笑)

達郎氏:そんなに、でっかいの欲しいと思わないし。今は4343※なんですか?
(※ JBLのスピーカ)

大瀧氏:4331です。

達郎氏:31、ふーん。

大瀧氏:小鐵さんとこ行って、影響されてね(笑)。

達郎氏:4331ってスリー・ウェイです?

大瀧氏:いや、ツー・ウェイ。

達郎氏:ツー・ウェイでしたっけ

大瀧氏:小鐵さん、ツー・ウェイしかだめなのよ前から。スリー・ウェイになった段階で判んなくなっちゃうんだかなぁ。

達郎氏:離れちゃうんですかね?

大瀧氏:モノで、1個でいいんだけどね、聴こえるからね。

達郎氏:僕、このごろラジオのエアチェックっていうか、うちでチェックするときはモノラルで聴いてますよ。もともとモノのラジオがあって。

大瀧氏:それで、僕がこの前、逆相のステレオかけたとき、すぐバレたんだ(笑)。そんな事して聴いている人はいないって(笑)。

達郎氏:すいません(笑)。だって、ステレオで聴くと音悪いんだもん、FMって。

大瀧氏:いいのか、そんな事言って(笑) FMって、ステレオが売りだったんじゃないの?

達郎氏:絶対モノの方がいい音しますもん。

大瀧氏:あのぉ それね、前言いましたっけ? 深夜便※ね、よく聴いてたから。途中でFMでも聴けますって、いうあれがあるんですね。で、4時代はトークが多くてね。で、モノのスピーカで聴いてる話と、FMの、純粋なステレオではないんだけれど、FMで聴いてる話とね、AMの話で、話はね絶対AMの方がいいんだよ。
(※ NHKの深夜放送 )

達郎氏:なるほどね。

大瀧氏:ま、音楽はFMの方がいいかもしれませんが、とりあえず、これ言っとかないとね、”かも”しれないけどね、不思議な事に、同じものを聴くでしょ、聴くとね印象違うんですよ。同じ放送の時にAMとFMで切り替えて聴いてみて自分がどう感じるかっていうのを聴いてみたら、たぶんそれはAMで育ったオヤジのノスタルジーだとかいうふうに、一緒に言えないような事が、必ず判ると思う。

みんな、そうやって聴いたことがないから、なんだよね。

達郎氏:コンプレションが違うんですもん、だって。

大瀧氏:いや、伝わり方が違うんだよね。おそらく、絶対わかると思う、これ。

達郎氏:ナローな方がきっと、だから・・

大瀧氏:結局ね、ブロードか、ナローかっていうような問題からいくと、そういう事になっていくんだよね。

達郎氏:ハイ・ファイ、ハイ・ファイって追いすぎたんですね。この何十年でね。おそらく。

(CM)

達郎氏:じゃ、あれですね、作品集から・・・

大瀧氏:来年くらいから、そこそこ原音再生がようやく出来ると思いますよ。

達郎氏:そうすると、いよいよナイアガラ・ムーンが2015年に、40周年?

大瀧氏:さすがにね、40周年は止めるんですよ。40周年はないんです。30周年記念事業で終わり。

達郎氏:あぁ そうですか

大瀧氏:だから、ナイアガラ・ムーンのリマスタがスタジオで行われますけども、ナイアガラボックスに、全ナイアガラのものを、最後にリマスタして、”これが原音でござい”っていうことで、それでアーカイブにして終わろうと。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:あとは、その原音を、どうにか配信でも何でもいいから、してちょうだい、ということで、それで終わろうと思ってます。30周年記念事業で、音楽は終わりです、私。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:イーチ・タイム30周年の2014年で、とりあえず今までのものは終わる予定でございます。

達郎氏:ソングスが2度出たじゃないですか。ボーナストラック違うから、あれしません? ほんちゃんのソングスのアルバムで、ボーナスの別ディスクにして2枚組っていうのはどうですか?

大瀧氏:あの、ナイアガラボックスに入るのは、オリジナルのまま入れます。虚飾のないものを。

達郎氏:虚飾のないもの?(笑)

大瀧氏:虚飾のないものを全部まとめて、廉価にしますから。いかがでしょう?

達郎氏:ま、結構ですよ。

大瀧氏:オリジナルのままっていうことで、そうすると以前、ボーナスのものはコレクターズ・アイテムになるっていう、そういうことで、如何でしょうか。

達郎氏:ナイアガラらしいっていうか、大瀧さんらしいっていうか、それはお望みのままで。

大瀧氏:前のものは、前のもので、そのまま存在する。

達郎氏:どうせ、持ってるし(笑)

大瀧氏:(笑)っていう事の方が、よろしいか、と。

達郎氏:公式に発売されたフォームで、あれすると。ブラックボックスとかそんなものは無いと?

大瀧氏:いや、それも纏めて全部ナイアガラボックスに入れちゃおうかなって考えてます。まだ未定ですけど。

達郎氏:ミックス違ったりするんじゃないですか?

大瀧氏:ツーバージョンある場合は、二つ入れます。カレンダーみたいなやつとかね、ああいうのは、二つ入れようと思ってます。

達郎氏:ナイアガラブックでしたっけ? あの、CDブック。あれって、例えばナイアガラカレンダーとかって、ミックス違うじゃないですか。ああいうの、二つ入れる。

大瀧氏:そう。二つ入れます。オリジナルと。

達郎氏:シングルはどうするんですか? シングル・バージョンだけのやつ。”青空のように”とか。

大瀧氏:あったね。まぁ、それはまた、ちょっと考え中。

達郎氏:シングルコレクションにします?

大瀧氏:たいして無いんだけど。曲が。


♪青空のように/大滝詠一


達郎氏:まだ当分ありますね。あと、6年後くらいですもんね。

大瀧氏:まあね、2010年まで何とか生き延びられてるんですから。

達郎氏:何言ってるんですか(笑)

大瀧氏:でも最近、あの30代ぐらいの方なんだけど、若い方でカバーをね、よくやってくれた人なんかと、話す機会があったんですけども、若い人っていう言い方も、なんなんだけど、ロングバケーションとカレンダとか、区別がないんですよね。

以前は出たころに、こりゃ何だとかね、ファンはやめようとか、これでおしまいだとか、これがいいとか、ああだっていうふうに極端な評価が、評価が完全に分かれたものが、今は割合受け取ってる人が、並列で受け取ってる感覚があるんですよ。

達郎氏:時間のフィルターっていうか、篩(ふるい)っていうか、試練に勝ったっていうことじゃないですか。

大瀧氏:そうっすな・・・。それが非常に嬉しいことなんですよね。カレンダーとか、あまり言われなかったからね、当時。

達郎氏:だから、大体でも文化って、そういうもんじゃないですか。それが出た時の酷評ってのは、結局洗い流されて、それで耐えるものは残るし、耐えられないものはダメだから。

最近あの、モネのね、睡蓮の部屋って、オランジュリー美術館の、パリの、360度睡蓮の絵の、そういう部屋があるんですよね、有名な。それを作ったときの評論家の酷評っていうのを、こないだ読んで、こんなに罵倒されたものなのかって、僕、そこ、好きな部屋で、1回しか行ったことありませんけど、ま、有名なアレでね。素晴らしい作品だと思うんだけど。

それが作られたときには、これ以上にないっていう罵倒なんですね。そういうのって、モネの作品に限らず、昔からあって、例えば山中貞雄の一連の作品なんかも、当時の朝日新聞の記者が”彼には思想がない”って、そういうような事をね、戦前ですから。戦争映画の全盛期じゃないですか。だから、そういうようなね、小津さんなんかでも、そうだし。

必ず、その時に、そういうのがあるけど、結局作品の力が、それを凌駕していくっていうかな、そういうような事なんでしょ。って僕は思いますけどね。

カルトじゃないですか、ある意味ではね。
大瀧さんの、あの時代も(笑)、あれはね。
だけど、音楽の内容は本来、メインストリームに置かれてきたようなスタイルを踏襲してきたようなものなんだけど、表現スタンスがカルトだから(笑)、そこのギャップが誤解になったり、自分に対する違和感っていうかな、
聴いている人と違和感覚たんですよ、きっと。

それが、全くそういうんじゃ無い、違う時代に残ってきたから、それが結局、純粋に審美的っていうかな・・

大瀧氏:ナイアガラ音頭の違和感、あったでしょ。我々作ってる方は・・

達郎氏:僕、あったけど、僕は素直にあれでしたけどね。

大瀧氏:で、あのタイプの違和感っていうのの、正体っていうのは、一体何なんだろうかっていうことを、作ってしまってた本人が、作ってしまってから、考えたりしたんですよ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:あのていの違和感って、現在、今、どうなっているのかっていう事の興味があるんですよ。

達郎氏:だから、それを商業的にいってるのパフュームみたいになるんじゃないですかね。

大瀧氏:パフュームが判んない(笑)

達郎氏:あぁ そうですか(笑)

大瀧氏:香水の種類じゃないよね(笑)。完全にオヤジ化してるからね。

達郎氏:いいですね。じゃ、大瀧さんナイアガラ音頭作った時は、自分では、エスプリとかね、あんまり、良い言語がないけど

大瀧氏:ほら、前言ったとおり、リクエストだから。ハガキの。

達郎氏:はぁはぁ

大瀧氏:こういうの作ったらどうだって、言うから・・

達郎氏:のったわけですね?

大瀧氏:

作っただけの事なんだよ、いつもの通り。無いんだよ根源的に、そういう事は。
作っていったら、こういう事になって、でー、ね? たまたまルーファスっていうR&Bバンドとカップリングのシングル盤を宣伝盤で作ったっていうような事もあり、ディスコでプロモーションが行われたってこともあり、それを観にきたマネージャーが、全員かかったとたんに踊るのをやめたという証言もあり、中で勇気のある人は、どじょうすくいを踊り始めたという証言もあり、その時に立ち止まった人の違和感っていう正体は、一体なんなのかっていう事と、その違和感なるものは、現在時代の30年過ぎて、その違和感なるものが一体何処へ行っているのか、今あるのか、無いのか、形が変貌して存在するのか、すごく興味がある(笑)

達郎氏:だから、結局、賛辞も罵倒も、その時の時代の鏡でしかないから、それを文化として表現、残っていくことが、やっぱり純化されていくっていうか、もっと審美的になっていくっていうのは、おしなべてあると思うんだよね。だから、ビートルズが来てから、だいたいこの新春放談っていうタイトルが、元々時事放談っていう小汀(おばま)利得と細川隆元さんの・・・

大瀧氏:小汀(おばま)利得がね、”夢の島でやれ”って、言ったんだよね(笑)

達郎氏:要するに武道の殿堂で、ああいうのをやるっていうのは、何事かって

大瀧氏:ペートルズって言ってたからね、夢の島でやれって、言ってたよ。

達郎氏:そういうものは、もうだから、全て洗い流されてる訳ですよね。だからビートルズを否定することが、もう異端になっているっていうか、でも当時はビートルズ否定することが王道だった訳でしょ。
そういう、小汀さんくらいの世代にとっては(笑)。

大瀧氏:(笑)

達郎氏:それが、普遍化してたっていうかな。

大瀧氏:ああいう人も少ないよね。ああいうタイプの人って、探しても亀井さんぐらいかね、もうね。ああいう伝統を受け継ぐような人って。

達郎氏:政治家の人にいますよね、そうやって、真正面で罵倒出来る人が。

大瀧氏:石原さんなんて、その手かもしれないけど。ああいう人、少なくなったね。

達郎氏:美輪さんとか、そういう方だったらね、まぁ”ダメだ”って言いますけどね。

大瀧氏:それが新春放談だからね。

達郎氏:時事放談からきたんですからね。誰も、もう、笑点なみですよ。

大瀧氏:もはや(笑)

達郎氏:ついに、だから大瀧さんと36年? 37年目を迎えました。

大瀧氏:900回だそうですね?

達郎氏:今日900回なんですよ。お陰さまで。

大瀧氏:たまたま、呼んでいただきまして、900回中、何回出たんでしょうね?

達郎氏:新春放談って始めたのが84年の1月ですから、最初がね。だから、ちょうど26年目ですよね。

大瀧氏:もう、そんなになるのか

達郎氏:四半世紀越えました(笑)

大瀧氏:超えた、ついに超えたか・・・だから、最初に言ったとおり、昨日の今日で、今日が昨日で、今日が明日だから、もう25年って言われてもね・・・

達郎氏:大瀧さん、まだ30代でしたからね。

大瀧氏:あん時にね

達郎氏:僕とか、まだ30歳だったんだから

大瀧氏:その頃が限界の時でしたよね、ちょうど終わりの時期だったんだよね。つくづくそう思いますよね。

達郎氏:(笑)しかし、新春放談って、何で始めたんでしょうね。よく判んないんだけど。

大瀧氏:ん、あなたが言ったんでしょ?新春放談だよって。

達郎氏:そうですよ、もちろん。

大瀧氏:これじゃ、細川隆元と小汀(おばま)利得だって言ったんだよね。

達郎氏:だから、ゴーゴー・ナイアガラのバカ話っていうか、あれが元ですよね。せっかくだから、あれをNHKの全国放送で・・・

大瀧氏:NHKが1回目なの?

達郎氏:そうですよ、サンウンド・ストリートっていう、あれが初めてです。84年の正月。

大瀧氏:あれが、最新アルバムだね、いまだに。

達郎氏:26年経つんですよ、すごいですね。

大瀧氏:1984の時が新春放談の1回目だったんですね。

達郎氏:じゃ、ボックス出すとして、シングルは別枠で、それこそ”恋する二人”とか、ああいうの、別枠にしないとダメでしょ?

大瀧氏:あんなもん、のありましたね。

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑) ひでぇー(笑)

大瀧氏:一応、2000年に1曲書いたっていう、2000年代に1曲あったっていうのは特筆すべきものじゃないですか

達郎氏:90年代に1曲・・・・

大瀧氏:90年代に2曲なんです。あれ、A,B面書いてるから

達郎氏:ああ、そうか、そうか

大瀧氏:90年代2曲で、2000年代に1曲だから・・・・

達郎氏:恋する二人はB面無いんですか?

大瀧氏:うん、インスト

達郎氏:ああ そう。ハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:さすがにね、2曲、1曲だから、2010年代は無いよ。2、1、0。

達郎氏:カウントダウンですか(笑)

大瀧氏:頑張って90年代は、頑張って2曲作ったんだもん。たいしたもんだよ。なんだけど、2000年代入って2曲もできなくなってるんだよね。よく1曲できたなって。そんな感じですかね・・・。

2010年代にはゼロっていう事を暗示してますよね。既に・・・。


♪ 恋するふたり/大滝詠一

達郎氏:というわけで、続きは来週。

今週のオンエア曲


14:04 California Dreamin'/The Mamas&Papas
14:13 Blue Moon Of Kentucky/Elvis Presley
14:16 Sun Arise/Rolf Harris
14:35 青空のように/大滝詠一
14:48 恋するふたり/大滝詠一







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