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音楽を聴いたり、そして達郎さんのコピー・バンドでライブ演奏したり・・・・
音楽が・・達郎さんサウンドが大好きな人間です。
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DATE: CATEGORY:サンソン「新春放談 大瀧詠一」
山下達郎さん サンデーソングブック 2010年1月10日「新春放談 ゲスト大瀧詠一(2)」

放送された内容を、ちょいと纏めてテキスト化しました。
今日も、中身たっぷりで、すっかり引き込まれてしまいました。
そして、達郎さん、今年もライブ決定ですね!!

誤字・脱字はご容赦ください。



達郎氏:もう1月の半ばでございます。もうすっかり、お正月から日常に戻られていることと思います。この番組、お正月、1月の頭はですね、毎年恒例、大瀧詠一さんをゲストに新春放談でございます。
このサンデーソングブックお陰さまで、先週で900回を迎えました。今日は901回目でございます。また、これからも先のですね、たくさん重ねて参りたいと思いますので、1000回を目指して、とりあえず頑張って参りたいと思います。

1000回ですと、たぶん還暦近い頃になると思いますが、張り切ってまいりたいと思います。
というわけで、先週に引き続きまして大瀧詠一さんをゲストにお迎え致しまして新春放談、今日はパート2、今日はどんな話が飛び出しますか、それではお知らせを挟みまして、さっそくいってみたいと思います。

(CM)


大瀧氏:でも、山下君はあれですか、年間2枚くらいのペースですかね? シングル。

達郎氏:いえ、1枚です。去年は1枚でした。今年は2枚くらい出ると思います。

大瀧氏:出さなすぎじゃないですか。いくらなんでも。

達郎氏:今年はアルバムを出す予定なので・・・。

大瀧氏:毎年言ってない?

達郎氏:いや・・・ だいぶペースが・・・

大瀧氏:ずーっと聞いてるような気がするよ、アルバム、アルバムって。もう、何年出てないんですか?

達郎氏:5年ぶりです、今度。

大瀧氏:出さなすぎでしょ!いくらなんでも。

達郎氏:どうして、そんな・・・(笑)

大瀧氏:僕みたいに25年、26年も出してない、26年、四半世紀出してないっていうんだったらね、話は判りますよ。

達郎氏:半端だってことですね?

大瀧氏:いや、いや(笑)

達郎氏:たぶん・・・

大瀧氏:26年、経ってないのか

達郎氏:26年ですよ。

大瀧氏:経ってんだ。

達郎氏:そうですよ。

大瀧氏:84年からね。

達郎氏:ええ、そうですよ。

大瀧氏:経ってんじゃん!

達郎氏:(笑)

大瀧氏:25年も、あの、出さないでいるっていうことは、まぁ”置いといて”の世界だもの。
もう、僕は何でも言えますよ。

達郎氏:ふふふふ(笑)

大瀧氏:いないところから、発言してる

達郎氏:(笑)

大瀧氏:年間、1枚くらい出さなきゃなぁ、待ってる人がいるんだもの。

達郎氏:いいよね、、(笑)

大瀧氏:年間4枚出してた頃もあるんだから、1枚くらい作りなさいよ。

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑) 僕だって年間45本ライブやって、うちのかみさんのアルバム作って、自分のアルバム作ってみたいな、あったんですよ。

大瀧氏:そういう時期がね。

達郎氏:ええ。

大瀧氏:まだ、あなた、甘いじゃない!!

達郎氏:何言ってるんですか(笑)

大瀧氏:やれるでしょ?

達郎氏:今年で57ですよ、僕。

大瀧氏:たいして違わなかったんだね・・歳。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)この歳になるとね、五つ違いなんて大したことないでしょ。

大瀧氏:全然たいしたた事ない。全く同じだよ、だって・・

達郎氏:でも二十歳と二十五は、随分違いましたよね?

大瀧氏:違うなぁ、十歳と十五歳も違うんだろうしなぁ

達郎氏:そうですよ。

大瀧氏:その頃はね。だんだん、もう同じになってくるんだよ。

達郎氏:こっちが中1の時にもう、大学入っちゃう訳ですからね。

大瀧氏:それ、違うよね。その頃はね。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:もう、今は大差ないんだよな。

達郎氏:いやぁ(笑)

大瀧氏:もう、毎年呼ばれてね。同じ話ばっかりして、ほんと申し訳ないって感じですよ。

達郎氏:聴いてる人は・・

大瀧氏:聴いてる人は気の毒だね。

達郎氏:聴いてますし・・・判んないけど、聴いているっていうね、奇特な人が多いんですよ。

大瀧氏:ずーっと言われてるだよね。ふーん・・・、そう思ってるんですよ、だから判るように話をするとか判りやすいは話をするとかっていうふうにできないんですね、これがどういう訳だか。以前から。

達郎氏:そうですよね、あのー洋楽の番組なんかが、テレビであれすると、必ず解説者っていうのが出てきて、”これはどういう人でね”って、ああいうの無駄だって・・・

大瀧氏:僕もそう思ってますね。だから、それが行き過ぎるとね、ずーっつと千本ノックやってるでしょ、一日6本とかね、曲だって6時間聴きっぱなしとかさ、1曲ごと、いちいち考えてる暇ないんだよね。聴いて終わったら次なんだよ。終わったら次。やっぱりね、次がいいよ。

達郎氏:だけど、大瀧さんは、やっぱりその、音楽が、その、なんていうの、あらゆる文化の中で一番力持ってた時代に生まれて育って生きてきたから、やっぱり、その音楽の力でミュージシャンになったわけだけど、もし、そうじゃなかったら何になってたと思います?

大瀧氏:私?なんだろ

達郎氏:想像もつかない?

大瀧氏:つかないねぇ

達郎氏:あぁ そぉ

大瀧氏:まぁ なまけもんだからね。働いてはいないと思うよ(笑)どんな状況になっても。

達郎氏:もの書きかなぁ

大瀧氏:いやぁ 文才は無いね。

達郎氏:あぁ そぉ

大瀧氏:ない!!文才は無い、絵はさらさら無いし、まあ、何にも無いな。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:とりえは何もないよ。体力がある訳でもないし、スポーツはダメでしょう

達郎氏:イベント・プランナーとか、そんな感じかなぁ・・・・

大瀧氏:さぁ まぁ・・・・

達郎氏:発想がファールアウトなところがたくさんあるから、ユニークっていうか、人が考え出さないような発想があるから、アイデアが凄くあるから、だからそういう、あれかなぁ・・・

大瀧氏:日本はアイデア評価しないからね。

達郎氏:はぁ・・・

大瀧氏:アイデアにお金払うって国じゃないからね、やっぱり、居る場所が無かったんじゃないですか?たまたま音楽の業界に拾われて良かったかなぁーって思ってますけどね。

達郎氏:なるほど。あれなんですか。あのぉ、さっきのその、最終的にボックスになさるって、レッツ・オンド・アゲンは入るんでしょ?

大瀧氏:勿論ですよ。

達郎氏:なんで、レッツ・オンド・アゲンは出さなかったんですか、今回。あの、30年で。

大瀧氏:え? レッツ・オンド・アゲン出しましたよ。

達郎氏:出てる?

大瀧氏:出してないの?

達郎氏:アレッ? 出てないでしょ。今回。

大瀧氏:なんで? あぁ そうなの?

達郎氏:(笑)

大瀧氏:気がつかなかった、忘れてた!

達郎氏:あれこそ、リマスターして聴きたいんですけど。

大瀧氏:いやぁ いいよぉ 出しますよ! ま、なぁーんだ、出しゃよかったなぁ。いや、いっぱいありすぎてさ・・・・

達郎氏:グハッハッハッハッ(笑) なんでレッツ・オンド・アゲン出さないんですかって・・・

大瀧氏:言われないと気がつかなかった

達郎氏:そうなのぉ? 出す気ないって・・

大瀧氏:今年だったの?

達郎氏:いや、去年でしょ?

大瀧氏:いいじゃん、達郎も・・・

達郎氏:あれは、傑作アルバムですからね

大瀧氏:まぁね、ある意味ね。自分でそう思ってる。ん。全然気がつかなかった。

達郎氏:あれは一種のペットサウンドですからね。他に全く替えが効かないっていうか

大瀧氏:(笑)そうそう、あぁ そう!

達郎氏:まだ遅く無いんじゃないですか。

大瀧氏:今ね・・・(笑) ネットで発売するってのはどうでしょう。

達郎氏:321にこだわらなければ、今年で やろうと思えば・・

大瀧氏:作品集に、やってないからなぁ

達郎氏:作品集が・・321なの?

大瀧氏:ん。作品集が321。ああそうなんだ、全然気がつかなかった。

達郎氏:そうなんだ、意識して僕 あれはだから・・・

大瀧氏:全然・・・

達郎氏:そうなんだ。

大瀧氏:いやぁ 年間2枚も出したら、ちょっと多すぎるかなって思ったのよ。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:ま 1回 2枚出したことがあったんだけど。

達郎氏:あれ、今 カタログ生きてるんでしょ?

大瀧氏:生きてますよ、もちろん!! 

達郎氏:前の

大瀧氏:ね 売れてるよね 1500円。1500円で出てますから、あんな名盤!(笑) 自分で言ってるの・・・(笑)。 まだ1500円だよね?

達郎氏:ボーナス・トラックどうします?

大瀧氏:無いんじゃないの。 オリジナルとリミックスと、2本入れればいいんでしょ?

達郎氏:なるほど、あれ、でも片面長いでしょ?

大瀧氏:長かったっけ?

達郎氏:意外と・・・だった記憶が・・・・

大瀧氏:はぁ What'd I Say音頭が長いからね

達郎氏:フワッハッハッハッハッ(笑)



♪呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー


大瀧氏:ヘルプ・ミー・ロンダとね・・・ブギとスモーキング・ブギと合わせるていう発想がね・・・

大瀧氏:煙が目にしみるを間に入れてね・・ いいですよね 普通の人には判んないですよね

達郎氏:時のあれに、試練に耐えて、今あれしたら、結構もっと素直にいけるかもしれないですよ。

大瀧氏:あの時期ヘルプ・ミー・ロンダの♪タン・タラン・タ・タンっていうの ハイサイおじさんっていう人がいたんだからね。そういう沖縄音階にも通じるものがあったよね。

達郎氏:(笑)偶然でしょうけど。

大瀧氏:”たまたま”なんだけどね。音楽で遊ぶっていうのがね、そういう事だったんですよね

達郎氏:ん~なるほど。そうか、とにかく来年なんだ。勇んできたのに

大瀧氏:勇んだの?

達郎氏:一曲、一曲やろうと思って。

大瀧氏:ああ そうなのか。

達郎氏:なんだ、そうなんだ

大瀧氏:まともに聴いてもらったんですか ロングバケーション、その話聴いたことがないよね。

達郎氏:僕ちゃんと聴いてますよ!!全部

大瀧氏:アナログ盤出た時に

達郎氏:えぇ オリジナル・アナログ盤

大瀧氏:でも あん時、一番忙しい時期じゃない? 81年って。
ま、一番っていうんだか。

達郎氏:だけど、僕は、あのぉ ほら、郵便貯金も行きましたしね

大瀧氏:ん 来てたね。

達郎氏:大瀧さん、もともとライブ好きじゃないですから

大瀧氏:オレ 嫌いなんだよね。人前出るのイヤなんだよね。

達郎氏:あの だけど・・・・

大瀧氏:高校1年の時にもう人前に出る時代っていうか、自分の中では終わってる訳よね。ジャンバルジャンで。

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:ずーっと人前 出続けたから、小学校1年から高校1年まで。そういう人前で脚光を浴びるというのは、もうね、もう十分に味わったの。

達郎氏:ライブですね?

大瀧氏:学芸会だけれども。それでもう十分なんだ。

達郎氏:あのぉ 厚生年金の、僕が観たライブってのは映像として残ってるんでしょ?

大瀧氏:ぁ そうなの?

達郎氏:判んないけど

大瀧氏:全然覚えが無い。

達郎氏:オフィシャルでは無いの? あれ、でも3カメか4カメじゃない、あれ。マスターないわけ? あぁそう。

大瀧氏:ん

達郎氏:所在 わかんない訳ね。じゃ。

大瀧氏:そんなもんじゃないの?

達郎氏:ほぇ~ もったいない。

大瀧氏:んん~ッ あってもしょうがないからな

達郎氏:でも、出来いいですよ、歌の出来も。

大瀧氏:んん~ッ あんなもんなんだよなぁ

達郎氏:ワッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:だからね、ついこの間、思い出したんだけど、ロングバケーションの恋するカレンって曲があるんだけど、出来て、オケ作って、んでぇー ”これはやった”と思ったわけよね、オケ作った段階で。
で、オケ作った段階で廻りの顔色も違うわけよ。これはいい作品になるって皆思ってたんだけど、いざ歌い出したらさ、歌えなかったのよ。

達郎氏:はぉ~ それはキーが・・・・

大瀧氏:スタジオの中で、

達郎氏:キーの設定とか・・

大瀧氏:いや、難しくて

達郎氏:ヘッヘッヘッヘッ(笑) よくありますけどね。

大瀧氏:あるよね、あるんだけど、最初の得点、自分で入れたの20点なのよ。

達郎氏:へぇーッ

大瀧氏:で、頑張って頑張ったんだよ。何日も頑張ったんだけど40点しか出ないんだよ!!

達郎氏:へぇーッ

大瀧氏:お蔵入りにしようかって思った、あんまり自分の中で酷いから。

達郎氏:ほォーッ

大瀧氏:で、ある時、たまたま60点だったんだけど、”はぁーっ この程度かぁ”って思ったのよ

達郎氏:ウワッハッハッハ(笑)


♪ 14:16 恋するカレン/大滝詠一


大瀧氏:んでー 今にして思えば、”お前はどこまで欲深いのだ”って事なんだけれども、で、だから、歌に関してっていうか、もちろん作品もそうなんだけど、自分の中では、もうちょっと歌えるって思ってたし、もうちょっといい作品になってるっていうか、もっとね、出来てるはずなんだっていう思いは、いつもあるんだよな。
どうもね・・・

達郎氏:自己評価が、やっぱり厳しいの?

大瀧氏:なぁーんだか、今一つ六割位のところで、しょうがなくて出してないんだよね

達郎氏:ん~

大瀧氏:だから、どれもね、どうでもいい出来に思えないんだよ。

達郎氏:それは、押し並べて全作品に対してそういう・・・あれなんですか?

大瀧氏:ん 全部

達郎氏:それは自己評価が低いんですよ。大瀧さんはシンガーの、その歌の組み立てとか、そういうの結構厳しいから、人に対しても割と厳しいじゃないですか。
だからそういう・・・

大瀧氏:人には厳しく無いとおもうよ。

達郎氏:でも、あのそういう意味じゃなくて、口で言うとか、そういうことじゃ無くて、考える事、”これはあれだな”とか”ここんとこ、こういう事じゃないのかな”とか絶対思ってるに決まってるんだから・・(笑)

大瀧氏:(笑)言わない訳だ

達郎氏:ん 言わない。この26年間コンスタントに作り続けていくと、結構、落とし所がわかってきたりしたんじゃないですか? 歌の。

大瀧氏:ん~ 前に何度も言ってると思うんだけど、宮沢賢治は、世の中に出たのは”春と修羅”一つだけで、あとほら、誰が聞くともなし、発表する予定なく自分で書いててね、あと全部死後に出たものじゃない?

だから、あれがね、例えば毎回出ててさ、言ったっけ、これ?


達郎氏:いやいや、僕・・・

大瀧氏:毎回同じ話してるから、どこで言ったか判んなくなっちゃったんだけど、毎回一作づつ出て、”今度は、あれだな”とか、”前のに比べてこうだな”とかいうふうに言われてたらさ、他の作品にも影響したんじゃないかなっていうふうに考えるんだよ。

達郎氏:タラレバですね。

大瀧氏:ん だからナイアガラの70年代の福生スタジオてつくってる時っていうのは、それに近いものだったんだよ。

達郎氏:ん~

大瀧氏:”こうやって、やろう”とかさ、”こうやりゃ、売れるとか売れない”とか”こうやりゃ喜ぶとか喜ばない”とか、そういうことでなく、なんか別に誰にも求められていないにも関わらず(笑)、なんか、ほんとに作んなきゃいけなかったって、いうような事だからこそ、そうなったんだろうけれども、なんか、そん時は、なーんにも考えないで、とりあえず何か、とりあえずやっていた。

達郎氏:だって、若かったですもん。

大瀧氏:だから、あのままの状態になってると、そうするとさ、次にこういうものを作ってくださいって、言われるような状態になると、非常につらいものがあるんだな。プロの人は大変だなって、いうことスかネェ~。

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:で、どうもね、こういうようなモノって言われた時が、どうもダメなような気がしてる、で 言われないと楽に作れる・・

達郎氏:制約があるやつはダメなんですね?

大瀧氏:ダメなんだろうーねー

達郎氏:こういうテーマで、とか

大瀧氏:なーんか その基本的にわがままなだけなんだけど、人から命令されんのが、どーもいやなんだよ。ねぇ、で 鼻からその人にイメージがあるっていうものを持って来られた時が一番ダメだったね。

達郎氏:だから、座付きができないんですね?

大瀧氏:とにかく自分でも何が出るか判んない、じゃないと、もう、今回のやつなんかだって別に誰が好き好んで、映画館や成瀬巳喜男の映画チェックしてくれって頼んだ訳じゃない、僕が別に好き好んで、やったわけじゃない、たまたまホントにその程度に、たまたま通りがかってたら、ぶち当たってしまって、

達郎氏:はまってしまった・・・

大瀧氏:その瞬間に、インボルブされたっていう、だけの事なんですよ、それ以上でも以下でもないんだけれども、誰の手本にもなりえないんだよね

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:こうやったら、こうなる、だからどうすればね、後輩の人にアドバイスとかなんとか、出来ないんですよね。

達郎氏:なるほど

大瀧氏:ん~

達郎氏:大瀧さんの場合は、一般的に学習のセオリーって、ありますよね、例えば、学校で教える学習のセオリーとか、音楽だったら音楽学校へ行って基礎をやって、どうたらとか、そういうことが一切通用しない思考法ですよね。大瀧さんの場合は。

大瀧氏:無いですね。僕は作ろうと思ったけど、第一項、第一章っていうのを飛ばす人間だということを最近気がついたんですよ。

達郎氏:あぁ なるほど

大瀧氏:だからよく、あんない細々知ってるのに、なんで”根源的な、これ”を知らないんだっていうふうな、言われ方をよく・・・

達郎氏:一頁目からしか、我々は読まない・・・

大瀧氏:一頁目、第一項、第一章 飛ばすんですよ

達郎氏:なるほど

大瀧氏:で、99%判った時に、初めて、第一項、第一章を読むと、判るんだよね。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:初めて判るのよ、第一項、第一章って99%判ってから読むもんじゃないのかな。

達郎氏:レイブズとかオリオールズとかから聴き始めたって何の意味もないんですよね。(笑)そういう事、でしょ?要するに。

大瀧氏:まぁね。

達郎氏:よーく、ドゥーワップのあれが理解できてホワイト・ドゥーワップまであれしてから、

大瀧氏:ドゥーワップの1曲目だとソニー・ティルと・・・

達郎氏:必ずそうでしょ?

大瀧氏:確かに確かに

達郎氏:そこから聴き始めても、ちっとも面白くない

大瀧氏:ん 飛ばすんだ、飛ばんすんだ・・・

♪14:23 Ol' Man River/The Ravens


達郎氏:なるほど(笑)

大瀧氏:要するにエルビスのザッツ・オールライト・ママ飛ばす、だから第1項、第1章飛ばすんだな。で、あとのサンミュージックの判り方が一番楽しいやり方なんだよ

達郎氏:最初に戻りましたね(笑)

大瀧氏:そうだよ、第1項、第1章は飛ばさないと、なかなか入れないし、で、結局そこで入らない人もいるんだけど、食わず嫌いってのは、おそらく第1項、第1章が難しくて、その入り口で門前払い食らったような感じの人が入んないんだと思う。そういう人に言いたいのは第1項、第1章なんて飛ばしていいものなんだよ。もう
第2項や第4項だの・・・

達郎氏:入れるところから入っていけばいい訳ですね。

大瀧氏:そうなんだよ、入ってしまって、で、入ってしまって第10章までいくと、何か1%の欠落感を覚えるんだよ。

達郎氏:はぁーん

大瀧氏:何なんだ、最後の1%はって、99まで行ったら、必ずだれもが気になるんだよ。その1%がどこにあるかっていうと、第1項、第1章にあるんだよ。

達郎氏:なるほどね、ん~

大瀧氏:ちゃん ちゃん なんだよね。

達郎氏:良く判るわ、それ。

大瀧氏:振り出しに戻る”ナイアガラ・すごろく”なんだよ。


(CM)


達郎氏:福生のスタジオは、また要するに、なんていうの

大瀧氏:初期の段階に戻して・・・

達郎氏:あれって、一番最初、全部木だったじゃないですか。

大瀧氏:廻りがね。

達郎氏:あれは大瀧さんの意思だったんですか?

大瀧氏:たまたま

達郎氏:それも、たまたま?(笑)

大瀧氏:そっ そーですよ。

達郎氏:あれを作るときには、誰か要するにサディストしてくれた人がいるんですか?

大瀧氏:誰もいないよ

達郎氏:誰もいないんですか?

大瀧氏:ん

達郎氏:木の材質とか・・・

大瀧氏:輸入材だったらしいね

達郎氏:モデルケースみたいの、無かったんですか?

大瀧氏:何にも無いね。

達郎氏:ライブにしようとかデッドにしようとか、そういうのは?

大瀧氏:全然考えてない

達郎氏:(笑)

大瀧氏:あるとすればリー・マイケルズの個人スタジオなか。あの山小屋みたいなやつ。ジャケットにあったじゃない。なんか とりあえず防音ってな意味合いで、鉄筋打つにはお金ないからさ、ただ、板打っただけだよ。

達郎氏:ん~ そうなんだ。

大瀧氏:たまたまね。ご承知の通りですよ、すべからく”たまたま”じゃないですか、私の人生なんて、みんな

達郎氏:でも あの広さが良かったですね、廻り込みでね。

大瀧氏:ほんとは広いところでやりたかった訳ですよ。

達郎氏:みんなそうですけどね。

大瀧氏:だからね、どっか不自由なところを工夫するっていうところが、オリジナリティの根源なんじゃないのかなぁ

達郎氏:でも、あれでしょ スタックスなんかだって、ジム・スチュアートでしたっけ、あの人殆ど素人で

大瀧氏:映画館のやってますよね

達郎氏:だから、アールテックがめちゃくちゃラウドなもので

大瀧氏:サン・ミュージックのサン・スタジオの・・・・あれだったって・・ほんとに・・ちょっとしたスタジオだからね。

達郎氏:そうですよね

大瀧氏:写真スタジオ改造したような程度のね、ラジオ局の・・・

達郎氏:全部そうですもんね、向こうのああいうう・・・そういうのが結局歴史に残る音作ってるからね

大瀧氏:キャピトルだとか、そういう、でかいスタジオの音と、ほんとに、ああいう個人的な、ああいうのとか、インディズのスタジオっていうのと、音が基本的に違うからね。

達郎氏:それがキャラクタになってるんですよ。

大瀧氏:そういう事なんだよね。

達郎氏:で、リマスタリングに特化して今回は構築してるんですか?

大瀧氏:そうですね。

達郎氏:リズム録るとか、そういうのは無い?

大瀧氏:一切無いですね。楽器入れるの。

達郎氏:広さは、じゃ

大瀧氏:前と大差ないです

達郎氏:ああ そうですか

大瀧氏:同じ場所に建ってるんだから

達郎氏:見てみたい(笑)

大瀧氏:だからね、遊びに来てくださいよ

達郎氏:最近、ちょっとしばらく伺って無いので

大瀧氏:ちゃんと、精霊は残ってると僕は感じてるから、福生スタジオには。結局場所は動かなかったからねぇ

達郎氏:そうです、地霊があるもんね。

大瀧氏:僕は自分でそう思ってるんですけど

達郎氏:いよいよ40年近い あれからね

大瀧氏:72年になりゃね、73になりゃ そうすると、もうちょっとで、もう一声ですよ、あと4、5年もすれば

達郎氏:72年に引っ越されたんですよね?

大瀧氏:引っ越しは73年の1月。

達郎氏:じゃ もうあと5年。

大瀧氏:もう ちょいですね。だから、怠惰の成せる技ですよね。

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:引っ越しが面倒くさいとか、結論は全くそういうことで。

達郎氏:イヤァ(笑)

大瀧氏:随分探したんですけどね。他の場所も、他なんかないかなぁって、随分探しんだけども、結果的になんかね、やっぱり面倒なんだよね

達郎氏:ハッハッハッハッハッハッ(笑) そんだけ長く住んじゃうとあれだろうな、やっぱり、動くって言ったって一財産あるから

大瀧氏:物が多すぎてね。そのくせ、何も無い部屋がいいって、言いだしてますからね。

達郎氏:なるほど。

大瀧氏:ん~ 部屋は何にも無いところがいいな。

達郎氏:(笑)聞きたくない、そういうセリフ。出来もしないのに(笑)。それほど物欲が大瀧さんにあるとも思えないんですよ。

大瀧氏:確かにね。無いんですよね、実は。あんまり。

達郎氏:そんなに、無いですよね、一応持ってないと、あのぉ

大瀧氏:とりあえずはね

達郎氏:比較出来ないとか、いろいろ そんな

大瀧氏:まぁね

達郎氏:フッフッフッフッ(笑)

大瀧氏:買っちゃうんだよね、新製品をね。ついつい。それは、相変わらず。

達郎氏:じゃ来年は、だから・・・

大瀧氏:来年はロングバケーションの30周年記念で華々しく

達郎氏:細かく

大瀧氏:楽しく、華々しく飾ろうと思ってます。

達郎氏:これは話題が、たくさん、あるので

大瀧氏:これからは30年くらいですからね

達郎氏:そうか、だけど、こないだほらトリビュートものが出たじゃないですか。今年がアレだったからアレだと思ったんですよ。騙された。

大瀧氏:勘違いしたんだかね。

達郎氏:来年やればいいのに(笑)

大瀧氏:新春放談1回目の、当時のNHKの、あのプロデューサーの方ですけどね

達郎氏:クックックックックッ(笑)

大瀧氏:企画された方が。大変だったですよ、でも、アルバムのカバーっていうのは日本で、そんなに例が無いので、結局だからその、アルバムのカバーっていう概念が無いから、売る側としても売りようが無い訳ですよね。アルバムのカバーって事ではね。

達郎氏:ま 賛否両論ですよね、だから、これはね。

大瀧氏:それと、このアルバムを作って歌ってるのは大瀧詠一だから、大瀧詠一ロングバケーション、カバーコンサートっていう、もの凄く長ーくなるでしょう?
長いと、字数がはまらないから、どう切ったかっていうと、”大瀧詠一 カバーコンサート”なんだよね。

達郎氏:はぁ~っ

大瀧氏:だから、みんな、女房に”コンサートやるんですって?”って、チケット頂戴っていう、結局 そういう話になっちゃう。

達郎氏:大瀧さんが何か、第三者のカバーを歌うとか

大瀧氏:で なんだか新聞かなんかに出たら、そうとるなっていう方が難しいでしょ?

達郎氏:ま そうですね

大瀧氏:そうすると、大瀧が出るのか、出ないのかという事になっちゃうんですよ。そうすと”出ません”って書くしかないっていう事になるでしょ。聞かれてもないのに。
なんで、アルバムのカバーが、だんだんそういうふうになって行くのかって 

達郎氏:難しいですよね

大瀧氏:だから僕は、明智光秀の心が良く判ったね。

達郎氏:ワッハッハッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:そういう神輿の上に乗っかってると、知らない間に違うところに神輿が置かれているのよ。しかし神輿に乗っかるってことは、良く無い事なんだよね

達郎氏:大瀧詠一っていう人、現代社会っていうか、日本のマーケティングとか、そういうところの商業性に乗っけようとすると、すごくね大変な事になるんですよ。説明するのに長い説明がい・・・あれを・・・(笑)

大瀧氏:(笑)人見明の”長ーい話がぁ”っていう事になっちゃうんだよね。

達郎氏:ネタが古すぎるんだもん(笑) 

大瀧氏:古すぎるか? でも、たいてい日本のインタビューアーは”一言お願いします”って、何故かね、一言しか聞かないんだよ。必ず一言で、おまぇ あのぉ 一番好きなものは?とかね。なんか、その一言で言うとどうなりますか、とか、一言が好きな国民だねぇ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:で、”ちょっと一言では大変なんですけどね”みたいな、そこの間に、何秒も経っているっていう・・・

達郎氏:コピー・ライト文化ですね、やっぱりね

大瀧氏:一言・・・俳句文化だからね。短いのをよしとするっていう割には、なんか、長いんだよね

達郎氏:(笑)

大瀧氏:長くなるから、”おいといて”っていうのが、あるんだね。おそらくね。

達郎氏:なるほどね。

大瀧氏:んー だからね、大変だったんですよ。何にもしてないのに、そういうふうになるんですよ。

達郎氏:ライブは、観には・・・

大瀧氏:観には行きましたよ。呼ばれたからね。

達郎氏:ステージ上には出ていかなかった・・・

大瀧氏:もちろん。僕のコンサートじゃないんわけですからね。出ませんよ。”出ません”って書いてあんだからさ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:出ませんって書いてあんのに、わざわざ出てくるバカはいないでしょう。ま、これは皆に言ったことなんだけど、あんなとこで、のこのこ出て行ったらねぇ せっかく、それまで出てた人の後味を消しちゃうからね。

達郎氏:人は、そうは思わなかったりするんですよ。

大瀧氏:なんだかねぇ 僕は、そういうのが、いやなんですよね。これがね、まあ普通判ると思うけど、ごまのはえと布谷文夫とシュガーベイブが再結成して、こぉれは出ていきますよ! お前は出てこなくていいって言われたって出ていきますよ。もも太郎の恰好して(笑)。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:それは、出ていくけど、そういうのと質が全然違うんだもの。

達郎氏:今ね、あのぉメンバー変えたので、新しいメンバーでねレパートリー増強してるんですよ。

大瀧氏:ほぉ!

達郎氏:で、60曲くらいになってシュガーベイブもかなり、やれるようになったので。

大瀧氏:あぁ そうなんだ

達郎氏:また、次はやります。

大瀧氏:やって下さいよ、ジャンジャン。シュガーベイブコンサート、年に1回あってもいいんじゃないの?

達郎氏:みんなねぇ あのぉ あれやりたいっていうとね、”うーっ”って言うんですよね。

大瀧氏:、”うーっ”って?

達郎氏:だから、何なんでしょうね?

大瀧氏:やりたくないの?

達郎氏:いえ 僕はやりたいですよ。シュガーベイブ・・・

大瀧氏:いやいや みんなが?メンバーが?

達郎氏:いや あのぉ スタッフが。

大瀧氏:スタッフ?

達郎氏:ん、なんだか知んないけど。

大瀧氏:はぁ そうなんだ

達郎氏:シュガーベイブ・ターボって付けてね、そいで夏フェスかなんかで、やろうかなぁとか、思ってんだけど。

大瀧氏:シュガーベイブは・・・若いミュージシャンでしょ?

達郎氏:え

大瀧氏:今 ほとんど。だから広規君は別にしても、若い人は演奏したがるんじゃない?

達郎氏:そうですね、だから・・・

大瀧氏:歴史的な名曲を、僕も演奏できて、なんて、言ったって・・・

達郎氏:こないだね、ダウンタウンをね、こないだのツアーでやっだんですけど、その時、譜面をね全部再検証したんですよ。オリジナル・バージョンに近づけようと思って。で・・・

大瀧氏:今は違うの?

達郎氏:いや、微妙に変わっていくんですよ、やっぱり。手くせとかがあって、何年もやってると、だんだん詰め方がいい加減になってきて・・・

大瀧氏:ふん

達郎氏:今回メンバーが変わったこともあって、もう1回ちゃんと、あのリズムとか検証しなおして、キチッとやっぱりオリジナルのあれに近づけたら、ほんとに、なんかね、ドラムが若くなったこともあって、ちょっとシュガーベイブに近づいたっていうか

大瀧氏:近づいた?

達郎氏:うん。ター坊がね、言ってくれたんですよ、また

大瀧氏:あぁ そう

達郎氏:今までで、一番シュガーベイブに近いって。

大瀧氏:はぁーん だから、ほら、あの野口がドラムだったいうこと、知らない人が多いからね。

達郎氏:そうですね。

大瀧氏:で、そういうような、野口ゆかりのライブが多かったから、そういう印象があって、レコーディングが野口だって、みんなエッって若い人がいるから、シュガーベイブはだって、まだまだ、あのぉ あれじゃないですか、広げる、広げなければいけない義務があるんじゃないですか。

達郎氏:だから、レパートリーはだいぶ・・・しばらく出来なかったので、ライブ自体がね。

大瀧氏:うーん なるほど

達郎氏:それで、少し”今日はなんだか”とか、やろうかなって。


♪今日はなんだか/Sugar Babe


大瀧氏:SONGSを一番聴いているのは僕だからね。

達郎氏:(笑)そうですね、そうです。

大瀧氏:間違いなく。回数からいったら、僕が一番聴いていると思いますよ。全部を。ま、聞かざるを得ないっていうのが勿論あったんだけど、聴いてるってことがあってね、やっぱり何か、自分のアルバムのつもりもあるんですよね。

達郎氏:ふーん

大瀧氏:いや、あのね、さの2年、あと2年、まぁ3年でもいいかな、2年したら、そこそこリマスタリング・エンジニアとして生きていけるんじゃないかと、思うんだ・・・(笑)

達郎氏:オールディーズに特化してリマスタリングをする人って、日本にいないから

大瀧氏:ああぁ

達郎氏:絶対にやっぱり、新譜系に寄っちゃうから。ちょっと違うんですよね。

大瀧氏:だから、エースの僕が好きな3人は、皆オールディーズのみだから。

達郎氏:ああいう人が、やっぱ必要ですよね。

大瀧氏:そう、そうそう。特化して。

達郎氏:そうそう

大瀧氏:で、彼らがどういうふうに、やってるかっていう、のをねオリジナルのレコードを聴きながら、あ、こうやったか、ああやったかって、これをやるのが一番の楽しみだね。

達郎氏:ハッハッハッハッハッ(笑) いいなぁ。リマスタリングっていうのは、やっぱり、あの歌にはあってるかな。

大瀧氏:あってるでしょ?

達郎氏:うん。三十何年の、その、なんていうの、いわゆつオーディオの経験の・・・

大瀧氏:そうだね

達郎氏:あれを

大瀧氏:オープンリールから始めて、たまたま体験してきたからね。

達郎氏:歳をとってくると、野球選手が監督になるように、スタジオ・エンジニアがマスタリングやる人多いんですよね。

大瀧氏:ああ なるほどね。

達郎氏:デイブ・ハッシンガーとか、ボブ・ノウバウっていう、まあ、そういうマスタリングに移行する人・・・

大瀧氏:そこはね、究極の位置なんだよ、実は

達郎氏:そうですよね

大瀧氏:黒沢明が自分で編集やったっていう、事なんだけどさ。やっぱり編集って最後の位置なんだよ。一番楽しいんだよね。あそこが・・・。

達郎氏:人材を厳選しないと、

大瀧氏:で、やってて楽しいのは、そこだねぇ

達郎氏:(笑)

大瀧氏:作るとなるとさ、そこまでが長いじゃない。

達郎氏:確かに

大瀧氏:苦労なんだよ。

達郎氏:全くそういう無頓着な人って、幸せていうか

大瀧氏:幸せだよね。

達郎氏:何それって・・・

大瀧氏:だから、判ってしまう不幸って、言ってるじゃない。努力して判ったんじゃないんだよ。
判っちゃうんだよ。それ、ほんとにいやだね。

達郎氏:クックックックッ(笑)

大瀧氏:だから、その不幸をかかえたくないって事になると、やっぱ作らないでおきゃ、その不幸を抱えることが無いなぁっていう、事なんだよねぇ。

達郎氏:(笑)

大瀧氏:どう?君は全く僕と違う人生だからね、頑張ってやってもらわないと。本当に。みんな期待してるわけだから、ジャンジャンやってもらわないと。

達郎氏:これしか言われる事が無い(笑)

大瀧氏:コンサートまだ今年もやるの?・・・

達郎氏:今年もやります。えと・・・・

大瀧氏:何か所やるの?

達郎氏:今年は30・・・・

大瀧氏:もう、最低でも、それ位やらなきゃダメだよね!

達郎氏:フッハッハッハッ(笑)

大瀧氏:年に12カ月あるんだから、月に3回位やるとしてさ、36回くらい、最低でも毎年これからやってもらわないと困るなぁ。

達郎氏:・・・何でも言える(笑)

大瀧氏:(笑)でも、楽しいでしょう?

達郎氏:お陰さまで、体の調子がいいので、体調が良ければ。

大瀧氏:ライブ好きじゃない、前から。

達郎氏:もう、ライブから始めた人間ですからね。レコーディングよりライブの方が楽ですよ(笑)

大瀧氏:あぁ そう

達郎氏:レコーディングは無から有を生むから、やっぱり、辛いっちゃ、辛いですよ。

大瀧氏:ライブが向いてんだよ。

達郎氏:ライブのね、僕、さっき大瀧さん、歌の話されたでしょう。どうしても、やっぱりレコードがライブの歌を越えられないっていうのが僕にとってのジレンマですよね。

大瀧氏:ほう

達郎氏:ライブで歌った歌の方が、絶対レコードよりいいんですよね、常にね。

大瀧氏:ふーん

達郎氏:作って最初に歌うのがレコードだっていうのもありますけど

大瀧氏:ん

達郎氏:はるかに、ライブの歌の方がレコードの歌よりいいんですよ。それをどうにかライブのレベルまで上げられないかって、ずーっと、やってんだけど、なかなかね、やっぱりね、雑念が入るっていうか(笑)

大瀧氏:雑念の問題なの?

達郎氏:ん~ やっぱり、だから 場数かなぁ。何回も歌った方が・・・演歌歌手の人って・・・

大瀧氏:先にステージやるから・・。だから、”春よ来い”と”かくれんぼ”と”12月”だけは、山のように演奏しまくってたんだよね。レコーディングするまでに、すっごいライブが多かったんだよ。だから、レコーディングって、凄く楽っていうかね、歌い込んでたんだよね。

達郎氏:演歌歌手の人って、必ずリ・レコをしたがるんですよね。やっぱ、最初にリリースする時は、最初の歌じゃないですか。だから、それがせいぜい何回か、ひばりさんなんかでも1週間程度ですよ。
それがやっぱり、2年、3年と歌い込んでいくと、最初の歌が、すごく・・・しくて、でもファーストテイクがいいですよね。

大瀧氏:僕は演歌の人は最初の方が絶対いいと思うんだよね。何かね、歌、超えちゃんうんだよ。前にも言ってると思うけどね。

達郎氏:大瀧さん、歌い直したことあります? あの、要するにリリースした作品を。

大瀧氏:なーんだろか・・・無いんじゃないの?

達郎氏:無い、無いですよね?

大瀧氏:だいたい、でも1回か2回しか録ってないからね。基本的にはね。ロンバケ以外はね。

達郎氏:ロンバケはかなり・・・

大瀧氏:かなり歌ったね。歌ったけど、ナイアガラはご存知の通り、1回か2回

達郎氏:あれ大変でしたもの

大瀧氏:歌ってるから、だけど・・・・

達郎氏:僕ね1回歌い直そうとした事があるんですよ。

大瀧氏:あぁ そうなの?

達郎氏:既成のやつをね。でも、やっぱり何故かって、その、一般的に出てる歌って、朝の5時に歌入れして、もう声は枯れてるし、ヘロヘロだから、それを、やっぱりちゃんとした歌で歌い直そうと思ってやったんだけど、全然超えられないですよ!それ。

大瀧氏:だめ・・・

達郎氏:その、かすれたヘロヘロな歌の方がね、情念が全然いいんですよ。キッチリやれば、やるほど、だんだんかけ離れていくっていうね、歌って不思議ですね。

大瀧氏:んー あのぉ 結局、今の切り取りなのかな。

達郎氏:ほーん

大瀧氏:あのぉー 現在 今を切り取ってるから、そのぉ 念力があるらしいんだよ。

達郎氏:んー 念力。

大瀧氏:念力。で、念ってね、今の心って書くらしいんだ。

達郎氏:ホッ(笑) 深いですね。なるほど。

大瀧氏:だから、その時って、念力があったんだよ。

達郎氏:んー

大瀧氏:歌の力量よりも。

達郎氏:ん

大瀧氏:今の心、その時の心なんですよ。もう今じゃないからさ、時間が経てしまえば

達郎氏:なるほどね

大瀧氏:念力が消えてんだよ。歌唱力が増してても。

達郎氏:そうだと思うよ、結局テクニックじゃない部分の方が大きいですからね

大瀧氏:歌って、念力を入れ込むもんでしょ(笑)

達郎氏:ま、言霊とか、いろんな表現が・・

大瀧氏:でもライブは、だから”今”だから。今の心で歌えるからさ。

達郎氏:やり直せないんですよ、ライブはね。レコーディングはやり直せるから。切り替えて・・・

大瀧氏:まぁな

達郎氏:いいとこ、とるとか

大瀧氏:初期の頃は、直接落下盤の切るのもあるし、テープは高いってこともあるから、ちょっとでもミスったら全員冷たい視線が行くとか、いうような事で、みんな一発録りで、そこまで仕上げてきて、で、オケも一緒だから、で、歌がどっかでとちったりしたら、また、あのぉ昔のミュージシャンってうるさいからね。
”オーッ”とか言う人がいるからさ(笑) だからそういう人があるから、またエンジニアもそうだし、テープ回す連中かなんかはね、録音ボタン押して無かったなんてことだったら、もうね、大変なことになる、っていうような時期が全部においてあるでしょ?

達郎氏:そうですね

大瀧氏:あの頃のものはいいよ、それはだから、ほぼライブなんだよ。

達郎氏:そうですね

大瀧氏:今でしょう? だから、今の切り取りだから、念力が多いんだよ、各々のヤツの。

達郎氏:なるほどね

大瀧氏:つまりだから、何度でもやれるっていう人は、念力を使って無いんだよ。おそらく今の心を使って無い、後でも出来るっていう、だから、録画して見ないっていうのも、後の心だから、絶対にリアルタイムでなければ、だから野球の、必ず朝早く起きたり、夜中の2時って時に・・・

達郎氏:リアルタイムで見る・・

大瀧氏:リアルタイムで見ないものは、もう見ない事にしてるんだけども、念力が入んないだよ。

達郎氏:それ、深いな

大瀧氏:で、そこでだから応援してる選手がホームラン打ったら、自分の念力が通じた(笑)というふに解釈して、念ずるんだよ。打ってくれ、とかいうような時には、念ずるんだけど、今の心だから、今でない時っていうのは、
力が出ないんだよ。


達郎氏:そうなんでしょうね、きっと。

大瀧氏:テレビでさ、エスパー清田君が出てて、彼が言ってるのは凄く、俺が言ってる事と凄く同じだったんで、びっくりしたんだよ。やっぱり念じて、出る時と出ない時があるって超能力が

達郎氏:はぁは

大瀧氏:で、結論は、まあ面白かったんだけど、あるって言えばあって、無いって言えば無いっていう感じ(笑)ですかね(笑)って。それってさ、僕の考えと良く似てるんだけど。

達郎氏:良く理解できますね、それ。

大瀧氏:そうだよね。同じ考えだなって思って。念力タイプの人っていうのが一般じゃないのか? みんなだから、おそらく文章だとか、文字だとか、あるいは言語でもいいけど、そういうようなものは形而上的なものを受け取っていて、その背後にある念力の方が主であって、言ってる事とか、形ってのは主従関係で言えば”従”なんだけれども、みんな出てくるところが文字だったり音だったりするから、そっちの方を“主”って考えるけれども
本来その人が言おうとしている事の念力の方が”主”であって、

達郎氏:なるほど

大瀧氏:っていうふうに考えると、物事がものすごく判る、突然判ってくるんだけど、その判ると不幸にもなるんだよ(笑)

達郎氏:そうですね

大瀧氏:形而上で動かされてた方が幸せな時も、結構多いのだなぁ

達郎氏:見えちゃうと

大瀧氏:これが、見えちゃって困るのよマスプロアンテナなんだよな、これがな。

達郎氏:(笑) アレッ?

大瀧氏:そろそろ終わりってことなの?

達郎氏:ですね

大瀧氏:んーいいね 暗い雰囲気があって

達郎氏:こんなもんでしょう(笑)

大瀧氏:こんなもんだろうな。

(CM)

達郎氏:毎年お正月恒例、大瀧詠一さんをゲストに新春放談。この新春放談もですね、前にNHKにレギュラーをやった時代から通算いたしmさいて27年目を数えることになります。

30年くらい、たぶん、できそうな感じがいたします。
来年は、いよいよロングバケーション30周年でございますので、ロンバケの話で、いろいろと突っ込んだ話をまた伺えることになると思います。

大瀧さんも健康状態がとってもよろしいようなので、来年も新春放談、いらしてくれる事と思います。
またこの続きは来年でございます(笑)。


END






今週のオンエア曲


14:10 呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー
14:16 恋するカレン/大滝詠一
14:23 Ol' Man River/The Ravens
14:37 今日はなんだか/Sugar Babe









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コメント

またまた1日でアップとは本当に恐れ入ります。
今年の放談はいつもに増して興味深い内容だったと思います。
今週も第一項第一章の話しとかリレコの話しからの念についての大瀧さんの説法とか・・・
いろいろ今までの自分の音楽の聴き方を検証させてくれたり、これからの聴き方に示唆を与えてくれたりしてくれるものでした。
大瀧さんのオールディズ専門のマスタリングを行っていくなんていう新しい道も聞かせてくれましたしね。大瀧さんが選曲しリマスターするジャック・ケラーとかヘンリー・ミラーのアルバムなんていうのを聞いてみたい気がいたします。
今回の放談にインスパイアされて「カレン」について書いたのをTBさせていただきます。

Re: タイトルなし

sugarmountain さん、コメントありがとうございます。

大瀧さんのお話をきいていると、音楽や文学、絵画などのアーティストやプロスポーツ選手など、プロとして生き残っていくことは、すごく孤独な戦いなんだなぁって思いました。

私が聴いてきた音楽についても、その歌い手が何を主張しているのか、もう一度考える機会が必要かなって思いました。表は華やかでも、それを支える魂の強さ、”念力”がある人でないと、プロとして生き残れないんですね。

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恋するカレンとテネシー・ワルツ


- 大瀧 ついこの間思い出したんだけど、まぁ来年になってそのぉ『ロング・バケイション』の「恋するカレン」って曲があるんだけど 山下 えぇ 大瀧 出来て、オケ作って、でぇコレはやったと思ったわけよ 山下 えぇ 大瀧 オケ作った段階で周りの顔色とかも違う



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